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マルチプレイヤーのススメ(その2)

プロミュージシャンのアルバムのライナーノーツを見ていると、バックミュージシャンの名前にかなりの「重複」があることに気が付きます。
たとえば70~80年代の日本の場合だと、
・ギター
松原正樹、今剛、鈴木茂、矢島賢、芳野藤丸、北島健二、土屋昌己、大村憲司、土方隆行、水谷公生、青山徹
・ベース
後藤次利、高水健司、細野晴臣、小原礼、伊藤広規、岡沢章
・ドラム
村上ポンタ秀一、島村英二、林立夫、田中清司、青山純、そうる透、チト河内、山木秀夫、古田たかし
・キーボード
武部聡志、松任谷正隆、羽田健太郎、佐藤博、佐藤準、井上鑑、大谷和夫、クニ河内、難波弘之

パッと思いついただけでも上記のような面々が思い浮かびます。
つまり、フロント(歌手)が違うだけで演奏陣の顔ぶれにあまり変化はない、ということです。

誤解を恐れずに言わせていただければ、世間一般的に知られている「シンガー・ソング・ライター」のうち、編曲スキルのない方は、編曲家と彼ら演奏陣(=スタジオミュージシャン)がいなければ、バンドサウンドの楽曲など「何ひとつ製作できない」ということでもあります。

ユーチューブにアップされている、アマチュアのシンガー・ソング・ライターがバンドを従えてオリジナル曲をバンドアレンジしたと思しき動画を見ると、
アコギのストロークに
オーバードライブギターのオブリガート、
ルート主体のベース、
白玉多めのKB、
そしてワンパターンなシンコペーションの8ビートグルーヴ、

・・・というようなアレンジが大半を占めているようにオイラには映ります。
見るからに、編曲に関する「引き出し」の少なさを露呈していると直感してしまうのはオイラだけでしょーか。

すぐにでも思い浮かぶ編曲アイディアとしては、
・ギターリフをつくる
・キメ(ブレイク)を入れる
・リット(リタルダンド)を入れる
・ここぞというタイミングで三連符のキメを入れる(大瀧仙人らの得意技)
・AメロとBメロのドラムグルーヴに変化を付ける(ユーミンの得意技)
・1番と2番で主旋律の符割りやメロディに変化を付ける(洋楽ではよくあるパターン)
というような工夫であれば、比較的、簡単にできるような気がしますが。

昨日のブログで「マルチプレイヤーのススメ」と題して、複数の楽器の習得をオススメする旨を書きましたが、その理由は、演奏スキルの向上はもちろん、複数の楽器の奏法を学習することにより、他の楽器とは異なる音階やリズムの取り方にも自然と意識が向いていきますので、結果的に「アレンジャー的な耳(聴感)」を養うことになり、これもまた複数楽器習得の大きなメリットであると確信します。

極端を言えば、別に複数楽器の演奏スキルに執着する必要はないというか、各パートに「具体的にどんな演奏をして欲しいか」を的確に指示できる「アレンジャー頭脳」の向上につながれば、立派に複数楽器の習得にトライした「結果」を得たことになると思います。

さあ、それではまずビートルズの「レット・イット・ビー」でも聴いてみましょうか。
ピアノの左手、そしてベースラインは、なぜ市販のスコアに表示されている「コードネーム」とは異なるルートを弾いているのか?
実際に聴いて、弾いて、何度も試行錯誤して、「自分なりの答え」を導き出してみましょう。

言い忘れましたが、オイラ的には音楽の世界に「一般的な正解」はあっても「絶対的な正解」はないと思っています。
重要なのは「自分的正解の導き方」であり、将来的にそれが個性に繋がっていく、という主張でござんす。

なんてな。

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▼IMFORMATION

● 2月定例やまぼうしライブ**

日時 2020年2月14日 (金)19時30分~21時00分
会場 コーヒー&ギャラリー やまぼうし   住所 静岡市葵区辰起町8-17 電話054ー271ー1602
料金 500円 (ワンドリンク付き)
出演 19時30分~ 秋山マサアキ (ポップス AOR/ギター弾き語り)
   20時15分~ 丸山研二郎
         (ワールドミュージック/ギター弾き語り・ソロギター)

▼参考リンク
BLUES和也のSoundCloud
GarageMihoのYouTubeチャンネル
旧ブログ「だからPA屋なんですってば」のアーカイヴ

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