大地震の前触れ

地震の前には色々な前触れがあると
昔から言われていますが、
地震予知という技術がいまだ確立していないところを見ますと、
まだ、はっきりこれが起きます、というような
地震の前触れというのが
わかっているわけでは無いんですね。

たとえばどんな前触れがあるのか
聞いたり読んだりしたものを挙げてみると、
鯰が騒ぐとかは古くからあるみたいですが、
それは、地磁気の異常を鯰が感知するからだとか、
地震の前には地震雲が現れる、
それは、断層のような雲だとか、飛行機雲のようだとか、光る雲だとか、
また、
地震の前には地響きのような音がするとか
空や海が発光するだとか、
それはもう色々です。

たぶん何かの前触れはあるんでしょうが、
科学的にはっきりとわかって、
また、大地震の予知に役に立つようなものが
見つかるまでにはまだ時間がかかるのでしょう。

地震の前触れの例として
興味深いものを見つけたので引用してみます。
物理学者で随筆家だった寺田寅彦(1878~1935)の
関東大震災から約一週間ほど前の日記の一節です。
寺田寅彦は、学者として実際に関東大震災の調査も行っています。
1923年8月26日の日記
「八月二十六日 曇、夕方雷雨
 月蝕雨で見えず。夕方珍しい電光 Rocket lightning が
 西から天頂へかけての空に見えた。
 丁度紙テープを投げるように西から東へ延びて行くのであった。
 一同で見物する。
 この歳になるまでこんなお光りは見たことがないと母上が云う。」

西の空から天頂にかけて「紙テープを投げるように延びていく」電光が見えたというんですね。
寺田寅彦がこの電光現象について地震の前触れとは言っていませんが、
タイミングから見て、
大地震(関東大震災)の前触れ現象であったと思われます。

時々は、なにか怪しい兆候はないか空を眺めて、
災害に備えたいものですね。


































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