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Power Appsでハッカソンしたいけぇ#7の振り返り

2024/7/28に開催された、Power Appsでハッカソンしたいけぇ#7 の備忘です。
今回はキャンバスアプリのレビュー会。ツワモノ達が市民開発者にアドバイスしてくださる、大変有意義な会でした。


メインセッション

アプリレビュー seimanさん

友達が「Yahoo!知恵袋」のseimanさんが作成されたアプリのレビュー会。会社でのお困りごとを解消してみたアプリ、なかなかの大作でした。

【アプリの概要】

備品の入出庫と在庫数の管理するアプリ

~アプリ作成前~
入出庫を紙で記録してExcelへ入力
⇒基幹システムとの在庫数照合

~アプリ作成後~
①スマホ版
現場での作業が円滑に進むアプリ
出庫時QRコードで商品を読み込ませ、数量入力してListへデータを保存!
⇒基幹システムとの在庫数照合
購買依頼もかけられる機能付き!!

②パソコン版
購入後の入庫処理を事務方が行うためのアプリ

現場用はスマホ版、事務用はパソコン版とサイズと機能を分けて作るなんて最高です!

【問題点①】
品目コードを他の従業員が勝手に作るようになった
「一度買ってる商品は品目コードが作ってあるから新規登録しないでね!」って、このアプリに限らずいろんな場面で遭遇する問題。
会計システムの取引先登録も然り(株式会社と㈱で、全角と半角で…同じ会社情報が2つ以上登録されてた!なんてよくある話)
主キーにもなるコードの大切さって、理由をコンコンと説明すればわかってもらえるんですが、素人さんは「あれ~探したつもりだったんだけどね」ってくらい軽い存在。残高が合わない!そこから重複コードを探して潰していく作業って本当に大変です。

「品目コードを新規登録する前に既存コードの有無を確認」って注意喚起だけでなく、フリガナが一致したらエラー表示を出して重複登録できなくなるみたいな、ひと手間をアプリ作るときの作業工程に組み込まねば!って気づきを与えていただきました。

【問題点②】
List2000件問題
いろいろな事情があり、データ件数に制限があるので、上期と下期に分けて交互にリストへ保存したデータを削除してる。

この問題対して議論白熱!
テーブルの作り方のコツやデータのアプリへの渡し方が参考になりました。
議論の中身は下記の通り。

(1)選択肢から選ばせて、ボタンをポチっとするまでデータを読み込ませない仕組みにする
選択肢をドロップダウンから50音順のボタンに変えるだけでも、操作する人にとっては断然探しやすくなるし、読み込むデータも少なくてすむ

(2)やっぱり有償版!Dataverseを活用
SharePointリストだと不要なデータも取ってきてしまうので、Dataverse側で絞り込んで、関数分だけアプリ側にデータを持ってくる

(3)部門ごとでテーブルは分けずに、ひとつのテーブルで管理
テーブルで分けて部門ごとに管理するよりも「部門列」を追加してひとつのテーブルで管理するほうがスッキリする

(4)品目の仕様情報の中に写真は入れないようにしよう
写真は画像データをリストに組み込まず、画像専用のフォルダーに保存して主キーで紐づけ&リンクで管理するほうがよい。ひとつの画像サイズが小さくても全部合わせたらとんでもないサイズになるかもしれない

(5)リストの列名は英語!
Excelインポートは楽なんだけど、後々大変だから、SharePointリストで先に箱を作っておいて(リスト名は英語に設定しておく)、後からデータをブチ込むことを習慣化しよう

(6)Onstartは安易に使わない
コレクションにデータを持たせると、リアルタイムでソースが変わった時に困る。だから必要なときだけ必要なデータだけをアプリ側に渡す工夫が必要

恥ずかしながら(6)は今まで考えたことなかったので、青天の霹靂!
今まで一人で使うアプリばかり作っていたので、複数人で使うときはリアルタイムでソースが変わることもあり得ると、新しい気づきを与えてもらいました。
(2)は…まだ霧が晴れた感じがしないので、もう少し復習を頑張ります。

一人で作成されたこのアプリを、泣く子も黙る大企業で運用まで漕ぎつけたseimanさんの行動力。あっぱれです!

ちょうど備品管理アプリに似たアプリ(在庫数を管理しながら、先入先出法で原価と販売価格を決めて、購入者ごとの請求金額を算出するアプリ)の作成を夢見てるところなので、自分では思いつかない手法を収穫できて、ますます夢が広がりました。

LT

DXの哲学〜対話から始める組織改革〜 Yuhoさん

DXの多義性への理解
DXというひとつのコトバでも、部門によって捉え方、定義は異なる。けれども異なることは悪いことではない。部門部門で課されているミッションが違うんだから、異なることは当然。

対話
1.自分は何も分かっていないという前提で相手を見る(分かっている人対分かっていない人という関係に陥らない)
2.相手の目線に立って伴走(相手にできることは何か、自分にできることは何か)

私事、デジタル推進担当を命じられ、パソコンの「パ」セキュリティの「セ」が分かっていない管理職向けの社内研修をすることになりまして、「相手を通じて己を見る。そして、相手の言葉で応答する」という教えが響きました。
税務署で勤務してた頃、パソコンやスマホでの確定申告を、初めてお会いするおじいちゃんおばあちゃんに指導していた時と同じように、相手の持つスキルを勝手に推測して話をするのではなく「やさしい日本語」で接することを心掛けたいです。
私個人的には、DXは単にデジタル技術の導入だけでなく、組織全体の変革をもたらすキッカケになればいいなと思っています。デジタルアレルギーを持つ人が、DXを受け入れる際にアナフィラキシーショックを起こさないように、徐々にワクチンを打つ。そのために必要なスキルとして対話力を磨くことも大切と感じました。会社はワクチンを打つ役目を私に与えたのだと自分の立ち位置を再認識できました。

感想

ツワモノが活き活きと市民開発者を指導する。こんな環境が社内にあればどんなによいことか。話の端々にヒントがゴロゴロと転がっていて参加できたことを幸せに思います。そして、seimanさんに「Yahoo!知恵袋」以外にたくさんの友達が増えたこと、喜ばしい!

途中、何度も出てきた「委任」というキーワード、8月のイベントのお題になりました。次回は2024/8/31開催!
参加者を確認してビックリ!!とにかくビックリ!!
7月の回も県外から来場された方が複数名いらっしゃいましたが、JPAUG広島を「広島までわざわざ足を運んでいただける勉強会」に育ててくださった豪先生をはじめ、ツワモノの皆様に感謝です。
次回も楽しみにしています!!


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