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最適の健闘を。

『最適の健闘を! が好きだ』
森博嗣の小説スカイクロラシリーズで、司令官が戦いに出るパイロットに向けてつぶやくセリフだ。
〝最高〟でも〝最上〟でもなく『最適の』ってところが、クールでかっこいいから、つい仕事のメールとかで使ってしまう。笑

刻一刻と変化する、戦況で、冷静に最も適した判断をしろ、ということだろう。

『熱血』
昭和生まれの価値観か習性かわからないけれど、熱く燃えることが良しとされる世の中で長年過ごしてきた。成せばなる! 根性論ってヤツ?

仕事、勉強、スポーツ…なんにしろ、確かに高い目標を達成するには、テニスのシュウゾウさんのような熱さも必要だろう。
でも、冷めてるほうが上手くいくケースもあるだろうし、うちに秘めた闘志、ってコトバもある。もしかしたら何事にもちょうど良い熱量というものがあるのかもしれない。
根性論には、無理矢理な命令感や体罰の匂いもあるから、今の時代にはマッチし難い。戦争なんてまさにそれだ。
だからかどうかわからないけれど、戦争が出てくるこの小説全体から漂う、冷静さや感情の起伏の無さに惹かれるのかもしれない。

『イマの自分は最適か…』
じゃあ、自分の生活や仕事に置き換えてみればどうかと言うと、恥ずかしながら『いやぁ、最適になんて程遠いよなぁ』とため息だ。日々、小さなことにいちいち感情が振りまわされてる。いい年をしてアップダウンが激しくてイヤになる。穏やかにありたいとこんなに想っているのだけれど、コントロール不能の飛行機みたく人生という空をフラフラとさまよっている。

『実はもうやめたいと思っている』
こうやって死ぬまで自分を探しながら生きていくのだろうな….なんてカッコつけたセリフを言うのはやめたいと実は思っている。自分探しとか、真の答えを求めてとか、熱く語るのも飽きちゃったよ、ってのが今の素直な気持ち。ちっぽけなジブンがやれることなんてしれているし、やれることしかやれない。だから無理はしない。適度な熱量をたま〜に発揮できればいい。

ジブンに適した生き方こそが最適。だとしたら、サイテキはきっとカイテキなはずだ。ジブンに気持ちいいことをしよう。ジブンが喜ぶことをしよう。それがいずれ誰か少数の人たちの喜びにでも繋がっていけたとしたら、
それはまさに僕にとって、最適の健闘だ。



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