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5vs5爆破FPSにおける攻撃の構築方法論考 その① (シージ篇)

はじめに

こんにちわんこそば!の世界記録は967杯らしいと最近知った、ぶるーのしろなんですです!

今回は、攻撃の構築の仕方に関する考え方についてプレゼンする機会があったため、その備忘録も兼ねてこのnoteを記しておこうと思います!


戦術はアートかサイエンスか?





よくある作戦(と呼ばれているもの)の例


作戦と一言で言っても様々なレベル感のものがあると思いますが、大抵のチームにおける攻撃の作戦といえば、このようなものではないでしょうか。


例:ヴィラ 飛行展示・娯楽 逆サイド(ベッド側)から攻める作戦


スライド1


もう少し作戦を詰めてある場合だとこんな感じでしょうか?


スライド2



このままでは問題が


ただこれを作戦と呼びスクリム(や大会)をしていると、次のような問題が出てくるのではないでしょうか?


スライド3


こうした問題に直面した時、個人の集合体であるチームは、一体何を基に判断を下しているのでしょうか?


スライド4


それは、上のスライド4のパターンの内のいずれか、またはその複合から、判断が行われているのではないかと考えられます。




潜む欠点


しかし何と!
個人的にはこのやり方は、大きな欠点があると思っています。


スライド5


それは、その場その場で得られたものからしか判断が下せないため、結果として行動が、ギャンブル性の高いもの、再現性のないアトランダムなものになりがちである、という点です。




それじゃあどうするの?


では、こうならないためにはどうしたらよいのでしょうか?


その選択肢は3つ考えられます。


スライド6


この3つは、一見どれも良さそうにも思えますが、実はこのどれもあまり現実的ではありません。


スライド7
スライド8

※個人的に❸に関しては、熱意をもって分析し、その内容をチームに共有できる人物がいるのであれば、良い方法の内の一つだと考えています。
しかし実際問題、作戦を分析した上で、さらにメンバー全員がその意図を理解し動けるレベルになるまで、その作戦をチームに落とし込むという作業が必要になります。
これではあまりにその人にかかる負担が大きいため、余程のパワーのがある人物がいるチームでないと、この方法を採ることは難しいのではないかと、経験者的には思います。

また1試合だけ見てパクるとなると、たまたま見た試合が、その相手専用に作られたワンオフの作戦である、という可能性を見抜けない危険性があります。
突飛な作戦を真似て取り入れるのは構わないのですが、なぜそのような選択を取ったのか、そうした理由や背景まで考慮した上で組み込む必要があると思います。


余談:サッカーの本場、ヨーロッパの4大リーグのようなレベルでも、対戦相手のスカウティング(分析)に使う試合数は、大体3~4試合なのだそうです。
日本でサッカー解説者のお仕事をされている方も、同じくらいの試合数を見て(最低でも1~2試合)分析し、解説に臨む(ビッグマッチでは特に)という話も聞きます。
サッカーチームの場合、対象となるチームの戦術より原則を見つけ出すことが主な狙いなのでこの試合数なのかもしれませんが、他のスポーツに当てはめる場合でも、その目的にもよるのでしょうが、これくらいがベターなのかもしれません。


さらに余談:また、このスカウティングに使うための映像は、リーグを跨いで、専用のフォーマットがある程度決まっているようで(ピッチが俯瞰で見れて、タッチラインまですっぽり収まる、みたいな形)、その規格に沿って各チームの分析班が撮影しているようです。(TVの映像だけだと映っていない部分がありますもんね!特にGKの立ち位置とか)
そのため、ヨーロッパのコンペティションなどで他のリーグと対戦する時には、このスカウティング映像を貸し借りしあって分析するんだそうです。
また、スペインかイタリアのどちらかは忘れてしまったのですが、たまにこのフォーマット通りじゃない(ピッチの半分しか映っていない、のような)撮影され方の映像が回ってきて困惑した、という微笑ましい(?)エピソードをどこかで読んだ覚えがあります。




現実的な案


それでは一体、どうしたらよいのでしょうか?


スライド9


それは冒頭で挙げた作戦(ヴィラで逆から攻めて扉裏プラント)の完成度をより高める、というです。

つまり、作戦と呼べる完成度を誇る作戦を作るのであります!


そしてそのやり方とは、ズバリ演繹的アプローチ!


自分たちの作戦から考えを押し広げていき、相手の可能性を限定させていきます。
そして、その限定させた状態から導き出される相手の対応をどう攻略していくか、一つ一つ考えていく、というものになります。
さらに、どうしたら自分たちの決めたゴールに最低限のリソースで到達できるのかという、その作戦のベースライン(骨子)も同時に探し出していきます。



今、ここまで読んでくださった方でオイオイオイ~!
とツッコんで下さった方がいらっしゃるかもしれません。


オタク、スライド7んトコロで「想定できるパターン数が多すぎて~」とか何とか言ってたやないかい!、と。


そのと~り!(by Takemoto Piano)

何のガイドもなしに攻撃の作戦を構築しようとすれば、スライド1や2で見てきたような、大きな枠のレベルのもの、一般的に作戦と呼ばれているようなものしか、作るのが難しいです!


そこであるアイデア(スキーム)を用いることで、無限個に思えた可能性のパターンを限定していこう、という試みが本記事の一番のポインヨであります!


そ、ソレハ一体何ナンダー!?

ということで、やりながら見ていきたいと思います。





実際に構築してみる


スライド10
※色々と汚くて大変申し訳ないです・・・


例として、冒頭で挙げた作戦と同じ「ヴィラで逆から攻めて扉裏プラント」を1つのプレーコンセプトとして考えていこうと思います。


スタートはもちろん逆サイド(ベッド側)から。
そしてゴールは扉裏のプラント(スライド10のP)に設定します。


この2つに対して、文脈(スライド9)を矢印としてあらわしたものがスライド10の図となります。


スライド11


そして、その文脈に対して、こちらが支配しなければならない領域(やらなくてはならないこと)を割り当てたものがスライド11です。


スライド12


そして、さらにそれを時間(序盤・中盤・終盤)で区切ったものがスライド12になります。




スライド13


今回は詳しい説明を省きますが、より詳しくフェーズ分けすると、スライド13のように、序盤・中盤・終盤(プラント前・プラント(P)・プラント後)のように、5つに分けることができます。


近年のシージは戦術の開発が進み、プラント前の状態まで膠着した状況になっていることも多いように感じます。
そのため、終盤のプラント前のフェーズ、言うなれば崩しの部分(フィニッシュワーク)の完成度と、それを実行できる精度の高さが重要になってきていると思います。


そのため、このプラント前の段階での作戦も、一つのコンセプトのもとに作られた文脈(スライド中の矢印)とはまた別に用意することができたら最高ですね!(優先順位は他より低いですが)

サッカーで例えると、クロスを流れに任せてただ放り込むのか、事前に準備された狙いがしっかりとあって、そのために蹴り入れるのか、みたいなイメージでしょうか。(ポケットへの侵入の形など)


また、今回は3分割(序盤・中盤・終盤)で区切りましたが、チームによってはもっと多く区切ったり、逆に少なくしたり、といったこともできるだろうと思います。
ですが、またその当たりは活動しているレベル帯によって変動してくるのかな、とも思います。




スライド14


そして、既にここまで読んでくださった方はお気づきかもしれませんが、このように各フェーズ毎に切り分けて考えていくと、スライド7の➊にあった「想定するパターンが多すぎてリソース足りない問題」をクリアすることができます!

想像していたより考えなくてはならないものが、そう多くないことを理解していただけたのではないでしょうか。




具体的な例


再び登場スライド1


一つの例として、序盤のフェーズについて考えてみたいと思います。

コンセプト通り、逆サイドからスライド1の左図のような取り方で取っていこうとした場合、まず最初に考えられ相手の対応は、

・平面の敵(彫像や鹿、天文)
・下(リビング辺り)に敵
・平面+下のコンボ技

といったものが挙げられるでしょう。


そして次に、これらの対応に一つ一つ解決策を考えていきます。


・平面の敵は、ベッド→バス→天文の順で落としていこう
・下の敵は無視しよう。そのかわりXXにドローンを入れて突き上げケアする
・4-1の配置を取って先に平面を潰そう。そして平面でYYがやられたらZZがカバーして、その空いたスペースをドローンでケアして~


といったように一つ一つやっていきます。



このように、一つのコンセプトに対して時間でフェーズを区切り、そこで発生するであろう敵のアクションを洗い出し、それに一つ一つ対応をたてていく。
これを繰り返していくことで、作戦と呼べる完成度を持った、作戦をつくっていけると思います。


さらに、このように一つ一つ行動を丁寧に洗い出していくと、自分たちのコンセプトであれば、どういう敵には対処するべきか、また逆に、こうした敵は無視してもいい、ドローンやガジェットのみでケアできる、といった判断を、チームとして事前に整理して認識していくことができます。


言うなれば、コンセプトに対してのベースライン(骨子)を探り出すことができ、それをチームで共有できている、ということです。



また、既に気づかれている方もいらっしゃると思いますが、実はこれ、やっていることは防衛の作戦構築とそう変わりません。


大会やスクリムで、防衛は凄いのに攻撃は何だかな~、というチームを見たことはないでしょうか?


防衛は待っていても相手の方からやって来てくれます。
そのため、相手がしてくることの想像がつきやすく、その対応策もたてやすいです。


一方攻撃は、やれることが多い(と思い込んでしまいがち)がゆえに、作戦構築時にあれこれと、場合分けしていれば考える必要のないことまで頭にチラついて、考えようとしてしまいます。


その結果、「いくら細かく考えて作戦を設定しても、結局ゴール前(プラントや殲滅)までに前提が崩れたらオワリやん!!」となり、「そしたら今までのが全部パーじゃん!やっぱり攻撃は考えるだけ無駄無駄ァ!」と思考が良くない方向に進んでいってしまい、それにより攻撃の作戦はおざなりになってしまいます。
(よくあるパターンではないでしょうか:経験談)


そこで、時間で区切って場合分けをして考える。
そしてそれをフェーズ毎に行っていく、という手法を用いることで、攻撃の作戦も防衛と同じように、有機的なチームとして戦っていけるだけの作戦を構築できると考えています。



さらに、このようにして可能性を洗い出し、作戦のベースラインを見つけることができるようになれば、近頃のメタの中で有効な手段の1つでもある、「セットして構えた状況からの予想外のタイミングでのエントリー」というような、リスクの掛け方の判断がつきやすくなるはずです。(リスクタイミングのコントロール)


事前に勝負所を見極め、持っておけるので、ここぞという時にアクセルを踏んでも、今までのような刺さるか刺さらないかのワンチャンプレーではなく、チームプレーの一つとしてそのアクションが機能します。




スライド15


さらに、今回の例では矢印(コンセプト)は一本でしたが、複数の作戦(プランBやC)を持っていれば、当然その切り替えの判断についても、事前に想定・設定しておくことができます。


スライド16


超余談:システム的に利確や損切を行っていくのって、何だか株やFXみたいですよね。
これを書いている時にふと、今の証券会社では割安・割高株をコンピューターを使って自動で売買を行っている、というような話を思い出しました。




今まで考えていたことを一通り説明してみましたが、いかがでしたでしょうか?


もしスライドの字が見にくい、説明が分かりにくい、といったご指摘がありましたら、、、本当に申し訳ないです・・・。
(スライドを作り直すリソースを場合分けで考えた結果、泣く泣く断念することにしました。ぴえん(T_T))



少し話がズレる&超個人的な想像なのですが、プロなどでよく小技などが編み出されるのには、このように一つ一つ考えていた結果、作戦を遂行するにあたって、必要に迫られたため生み出された、という理由が殆どなのではないか、と考えています。


そのためたまに聞く、発見した強い小技を使いたいがために、それを中心に作戦を構築する、というものは、手段と目的が入れ替わってしまっているのではないかな~、なんて思ってしまいます。(もちろん一概に良し悪しは言えませんが。)



少々話が逸れてしまいましたが、何となくでもイメージを掴めてもらったら、まずはこのやり方で1つ作戦を作ってもらい、実際にプレーしてみて、その手ごたえの程を感じて貰えたらと思います!





Q&A

ここまで長々と書いてしまいましたが、まだ読んで貰えているでしょうか?
心配だナ。


ここからはQ&A方式で、この手法のディテールをよりハッキリ理解していっていただけたらと思います。



Q:これはラウンドの流れが時間で3つに区切られているが、やっていることはセットプレー×3なのか?

A:序盤・中盤・終盤の各フェーズに事前に決めたやることを行う、という意味では確かにセットプレーを3回行っていると言えるだろう。
だがこの手法での作戦構築の狙いの一つとして、そのコンセプトのベースライン(ゴールまで辿りつける最小リソース)を時間で区切ることにより、無数の可能性の中から探し出してく、というものがある。

そのためプレー中に、事前に決めたやることを、決めた通りにこなしても良いし、上で述べたように途中でどこか勝負を仕掛けていく戦い方も、チームプレーのなかで行うことができる。
そういう意味ではセットプレーを3回、各フェーズ毎に行っているという認識は正しくないと言えるだろう。

なぜならこれは、最初から最後まで完璧に、作戦通り動かなくてはならない作戦を考えるためのものではないからだ。



Q:この手法を用いて作戦を構築するメリットは?

A:個人的に一番大きなメリットと感じているのは、確実なフィードバックをチームに返していくことができる、という点である。

従来のやり方で構築された作戦では、不確定要素があまりに多く、スクリム終わりにフィードバックを返すにしても、チームの成長にクリティカルに繋がるものをだすことが難しかった。(当然筆者の力量不足もあるだろう。)

しかし、このアプローチ方法を採用することにより、チームとして意識を向けるべきポイントがスクリム前から明確になっているため、そこに対してフェードバックを返せば、ダイレクトにチームの成長に繋げていけるようになった。

また、各々のやるべき事が事前にハッキリとしていて、各人がそれを共有し認識し合っているということは、不備の発覚や事故が起こった際に、すぐさま修正すること可能であると言える。

大会中など、短い時間ですぐさまモディファイを行いたい場合も、どこをどうすればよいか、その検討がついているため、素早く立て直すことができるだろう。



Q:プロならこのやり方いいだろうが、アマチュアにそんなことができるのか?こんなことに活動時間を割くよりスクリムやりまくるべきでは?

A:自分たちの戦い方が定まっていないのに、理解を共にする同じ練習相手ならともかく、そうでない不特定多数のチーム(しかも同じようなレベル)といくら練習しても、そこで得られるものなどたかが知れているのではないだろうか。

その結果、プレーはその場その場の思いつきの判断で下されたものになり、反省会は結果論的なものに終始する、というお決まりのパターンでその日の活動を終えてしまわないだろうか。(ガジェットのタイミングが~、ドローンの位置が~などなど)

仮にその時スクリムをした相手に対しては、その反省会で出た修正案がよかった(正しかった)としても、もしかしたらその次では、その反省会で変更したことがチームに甚大なダメージを与えるかもしれない。

それではただ無為に時間を消費、スクリムの延長線上の試合を行って活動時間を浪費していることにならないだろうか。

個人的には、事前にあれこれ準備するのにも時間はかかるし、(効果的ではないと筆者は思っている、事前準備の少ない)スクリムをやりまくって少ない経験値を貯めていく、そのどちらにも結局時間はかかってしまう。

もし仮に、レベルアップに同じだけ時間が必要であるとするならば、その割り振りを事前に使うのか、事後に当てるのかの違いだと考えている。
(実際には事前に準備して取り組んだ方が効率が良く、最終的にかかる時間は少ないはずだ。)

そしてこの問題は結局の所、やる気(モチベーション・目標)と価値観(効率を重視して座学的なアプローチの比重を大きくするか、ひたすら実践で経験を積む)の問題なのかもしれない。



Q:このような手法で考えられた再現性のある攻撃は、相手の防衛にとって対応・攻略が容易なのではないか?

A:もし仮に、相手の適当な守りでやられてしまうようであれば、そもそも作戦に構造の欠陥や強度の不備があるのではないかと考えられる。
もしくは、選手の戦術理解度の問題や、選手のプレー能力を超えたタスクが課されており、そのため実際には実行できない、といった問題があることも考えられる。

こうした問題を抱えている作戦はそもそも完成したものとは言い難い。

そのため、この状態から少しずつでもフィードバックを返していくことで、作戦がは進化(完成)し、それはやがてチームの成長となるだろう。



Q:このような作戦であればIGLは不要?能力や適性のない人物でもよい?

A:IGLのやりたいことを、ただひたすらにやり続けるような、全権集中型のチーム(つまりこの構築の仕方でビルドされていないようなチーム)でないのならば、そうしたチームのIGLに求められる役割とは、判断に責任を持つことだと考えられる。

整理された作戦のもとでは、各状況における判断は、選手が各自行えるようになっているはずである。

そのため、リーダーシップがあれば望ましいが、責任を負える覚悟のある者であれば、(従来であれば)適性のないように思われていた、状況にあわせて瞬時に作戦を立案し、チームに実行させることができるような人物でなくとも、十分に務まると考えられる。



Q:このように一つ一つ考えていく作戦では、クリエイティブな作戦を作ることができないのではないか?

A:クリエイティブの言葉の指すレベルにもよるだろうが、一つ一つ考えていったからといってそうした作戦を考えられなくなることはないのではないだろうか。

むしろ、このように順序立てて考えていくことで、構築できる作戦の幅は広がると考えている。

考えられることとしては、今までは普通に大丈夫だと思っていたものが、実はよく考えてみたらリスキーだと気づき、それによりその案を棄てることになる、という意味ではクリエイティブではないのかもしれない。





最後に:問題があるとすれば


気づいたら大変な文字数になっていて非常に驚いていますが、いよいよここでラストです!


この手法を取り入れることの一番大きなデメリットを挙げるとすると、それは、
スクリムの時間が減るので選手のモチベーション維持が難しい
というものではないかと思います。


特にアマチュアチームなどでは、夜の時間帯でしかプレーできない所も多い
と思います。


そうすると、作戦の立案を複数人で行ったとしても、それをチームで共有するためにも最低で1日。

個人的には、それを実行できる段階まで練度を高めてからでないとスクリムをする意味は薄いと考えているので、そうするとさらに活動時間(プレーしている時間)が少なくなってしまいます。


これはトレードオフの関係なので仕方ない、勝利のための犠牲である。
とメンバー全員が割り切れれば良いのですが、中々そう上手くはいかないのは人間の心理ですよね。


私もプレイヤーだったのでスクリム(プレー)していたい気持ちは十分わかります。


ですが上にも書いたように、これはトレードオフ。
どちらか一方しか選び取ることはできません。


それでは一体どうしたらよいのでしょうか。




個人的なオススメ方法は


個人的に今持っているアイデアとして、
・ミニゲーム
・作戦共有時は活動時間を減らす(無理に活動時間目一杯まで活動しない)
・1MAPスクリム
といったものがあります。


ですが、活動時間を減らすことは、ただでさえ活動時間が短く限られたチームには成長機会を奪うことになりかねないので厳しいでしょう。
また、1MAPスクリムでは、例え相手の希望マップをプレーする、という条件であっても対戦してくれる相手が少ない、またはほとんどいません。


そこでミニゲームです。


作戦共有などで、中途半端な時間にその日やることが終わってしまったら、無理にスクリムを釣らず、ランクをするのでもなく、ミニゲームをやることを提案していきたいです。




ミニゲーム例


例えば、今回はプランBで示したスライド16のゴールの形を修得するとします。


スライド16


これは攻撃が3人いれば成り立つものなので、攻撃3人VS防衛2人(アナリストやコーチがいれば+1か2)で、決めた通りにプラントする攻撃側VSそれを阻止する防衛側、というように分かれてミニゲームを行います。


そして、これをただやるだけでは動きの確認の色が強くなり、選手のお遊びモードが発動したり、なあなあな雰囲気からのグダりが発生してしまう可能性があります。
そのため、ここに幾つかの制約を設けます。


例えば、時間を現実的にありえる30秒に設定して行う。
(スクリムなどから正確に情報を取れていれば、それを反映させたい)

使えるガジェットの個数を制限する。
(攻撃は置きドローン以外使用禁止、防衛は現地のガジェットの個数を減らす、など)


そしてこれらを、各選手がポジションに関係なくローテーションして体験する。(普段プランターでない人もやる)


このように、実際に自分が他の人のポジションに入ることで、今までは頭(作戦ボード上)でしか理解できていなかった状況や感覚が、身体でもわかっていけるようになると思います。


それならランクでもいいじゃん!、と思われるかもしれませんが、ランクだとこちらが好きなように環境をデザインできません。

目標が大会であるならば、できるだけそれに近い状況を作り出し、そこでプレーをする、ということが大切になってくるはずです。


このような、現実的に起こる・起こりうるシチュエーションを切り取ったミニゲームを、スクリム前や大会前にできたら、さらに最&高ではないでしょうか。


他にも、序盤に人数不利を背負ってプランBへ切り替えた想定でのミニゲーム、中盤のリテイクケアを想定したミニゲーム、などなど。
考えられるバリエーションは無限大です。



再びサッカーの話になってしまうのですが、戦術的なチームでありながらも成績が常に上位チームの監督の場合、練習の段階から選手が楽しんでプレーできるように内容の工夫が凝らされているのだそうです。

そこには、楽しくやりながらもその練習を通して、監督の意図した戦術をチームに落とし込む。
そして、選手のモチベーションと監督の要望を同時に達成させるという狙いがあるのです。


どうしてもリアルスポーツと違い、アプリケーションの仕様の、決められた範囲の中でしか練習していくことができません。
しかし、アイデア次第、やり方次第では、チームが上達する方法といのは、探せばまだまだ色々とあるのかもしれません。





最後に


それでは最後に、個人的に好きなこの名言で締めたいと思います。
その②があればお会いしましょう!



『ペップの教えはセックスよりも良い』

ダニエウ・アウベス(サッカー選手)



長文にも関わらず最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました!!


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