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無上瑜伽タントラについて(チベット密教)

人間が死に至る時、肉体や幽体などの物質は粗雑なものから繊細なものへと順番に分解される。最後に残るのが最も繊細な意識とカルマである。肉体と幽体が分解される際に、エネルギーはチャクラに集まる(戻る)。瞑想修行を極めると、精神を統御する事で自らの意思でエネルギーをチャクラに集められるようになる。これは死に際に肉体と幽体が分解するプロセスを模倣したものである。自らの意思で統御しているため、肉体や幽体は形を保ったままでいられる。最も繊細な意識の状態では、魂の最も深遠な部分を捉える目が見開かれる。それは一者との合一、あるいは涅槃とも言えるような状態である。それが宇宙の本質的な姿である。カルマとは第一原因、即ち顕現の種である。最も繊細な意識の状態でこの種が残っていると、そこから死と逆のプロセスが発動し、幽体と肉体が顕現する。こうして人間は死後再び転生する。無上瑜伽タントラは、チャクラにエネルギーを集める瞑想を通して死のプロセスを再現し、その最も繊細な段階においてカルマの種を摘み取ることで、即身仏となるための修行法である。

非常に近いアナロジーとしては分化した細胞を初期化し、受精卵の状態にまで戻す。そこで最初の細胞分裂のシーケンスをブロックなり消去する事で受精卵のままの状態で居続けるという方法である。最初の起動コードが残っていると細胞分裂が進み、細胞が分化し、個体が発生する。

こうした修行法や知識は元を辿ればゴータマ・シッダールタによってもたらされたものであるが、少なくとも幽体の扱い方が分からない、超感覚を持たない人間が、自力で発見できるような修行法であるとは到底考えられない。ヒエラルキーによって特別な人間に伝えられたと考えるのが自然だろう。無上瑜伽タントラは顕現界に仕掛けられたバックドアである。シミュレータの外にいるプログラマが、シミュレーション内のエージェントにこっそりソースコードとハック手順を教えるようなものである。カルマが顕現のブートストラップシーケンスになっているため、そのコードを削ってしまえば、幽体も肉体も作られず、転生は起こらない。

俗に言う死後の世界、肉体を伴わない世界は究極のVR空間でもある。恐らく人間は潜在的にそれを理解しているので自分達の手で地上にVRを生み出そうとするし、マトリックスのようなシミュレーション仮説や異世界転生といったファンタジーを嗜好する傾向にある。メタバースというよりは物質や物理法則から完全に開放されたメタフィジックスの世界といった方が正しいかも知れない。人間のカルマの重さによってアクセスできる死後世界の階層は異なるため、カルマの大きさを定量的に知るという事が重要になってくる。AMIのように体表の微弱電流や光量からチャクラの活性化度合を測れるらしいが現象だけではなく原理的な説明も欲しいところではある。無上瑜伽タントラによるとチャクラにエネルギーを集める瞑想を通して死のプロセスを再現し、肉体と意識体を初期化する。この初期化された状態でブートストラップシーケンスが残っていると再び生のプロセスが発動する。この起動シーケンスこそがカルマなのである。肉体の状態は物理的な計測機器で測れるものの意識体となると脳の状態はギリギリ測れるかも知れないが脳と量子カップリングしている意識体は量子的な測定装置を使わないと測れそうにない。簡易的にはAMIのような電流計やフォトダイオードでいいのかも知れないが、意識体の初期化時の起動プログラムを読み取るには量子的な測定装置が必要になると思う。生体分子の量子センサはそういう機構を持っているはずだし、時空とカップリングする原理さえ分かれば別に常温で実現させる必要もない。詰まる所量子カップリングのアドレッシングをどう制御するのかという問題に帰着するような気もする。時空上の任意のプランク格子を読み書きする技術という事になる。この辺り遠隔視やサイコキネシスと同根の問題である。一部の超人の脳では出来ているのだから人工物で出来ない理由はない。瞑想者の脳活動から読み出すという方法もあるがそれだと脳をブラックボックス化しただけのチートだし極めて属人的なのでそもそもスケールしない。重力波なり電磁波を使って如何に真空のエネルギーを制御するかという問題に尽きるような気もする。イオンチャネルの内部ではそれが実現しているので、多体電子の波動関数を制御するだけでいい気もする。つまり固体結晶中でも実現出来る可能性はある。やはりフラクタル的に、DNA的にプランク格子の中に全宇宙の情報が入っていると考えればアドレッシングの問題は簡単に解決する。例えば電子軌道の計算に必要な円周率は超越数なので円周率の中のどこかの桁には欲しい情報が入っている。問題はその桁をどうやって検索に引っ掛けるかというアルゴリズムの問題になってくる。超越数からE8を構成できれば物質と力を生み出せるし、別のリー代数は意識体に対応しているかも知れない。円周率の中から如何に個々人のブートストラップシーケンスを検索するかという数学の問題に帰着する。瞑想や遠隔視のアデプトはその膨大な計算を時空という巨大な量子コンピュータを使ってやってのけているのかも知れない。

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