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センスのいいおっちゃん。マティス展。

はーい。恒例の(?)アート展に行ってきた感想noooote。

というか、アート展に行ったときしか更新しない私のnoteよ。どないなっとる。

アンリ・マティスの20年ぶりの大回顧展ということで、これは行っとかねばと思い、会期ぎりぎり、やっとこさ行ってきました。

マティス展@東京都美術館

実はマティスは、めちゃくちゃ好きな画家ではなかったんですが、今回の展覧会でかなり好きになりました。私あるある。

写真が一部しか撮れなかったので一部しか紹介できないのが残念ですが、なんかね、想像以上にセンスのいいおっちゃんでしたね。(怒られるよ)

パイプをくわえた自画像

私の好きなギュスターブ・モローに師事してたってのが意外でもあり、「ほっほー」という感じでございます。
目に見えるものの枠組みを越えて、心の眼で捉えたものを描く方です。

マティスはフォーヴィスム(野獣派)代表!みたいに言われているけど、私はそれがずっと疑問だった。

マティスのどこが野獣的なのか?

野獣って、荒々しいとか力強いとかそういうイメージなんだけど、マティスの作品に荒々しさを感じたことはない。

今回の回顧展を見て、なんで自分がそう感じていたのか、なんとなく答えが見つかったような気がした。

「立っているヌード」

マティスといえば赤のイメージが強い気がして、
こういう絵とかはザッツ・マティスな感じなんだと思うけど、

私はマティスの使う青や緑の色彩が好きです。

「緑色の食器戸棚と静物」
このグリーン凄く好き!
「夢」
良い絵だ・・・。

あと意外だったのは、時代によってめちゃくちゃ作風が変わってる。

ピカソと違って、マティスの場合は、色々試して迷いながら進んでるって感じがする。

更に意外なのは、マティスは一枚の絵を完成させるために、何度も何度も何度も書き直すらしい。

一見、簡単に筆を入れてるように見えるけど、そこには血の滲むような努力と美学が詰まってるんだなあ。

完全に個人的な見解ですが、
マティスの絵は、事物の本質を捉えようとしている感じがする。
削ぎ落として削ぎ落として、やがて一つの解が見つかるように。
それは最終的にシンボルのように現れる。

空間と空間を一つにしてしまったり、
空間の中に新しい空間を作ったり、
人間と背景が一体化しそうになったり、
平面的なのに五次元感も感じられるマティスの世界は本当に面白い。

「赤の大きな室内」
シンプルだけど難解。難解だけどシンプル。ずっと見てしまう・・。
「黄色と青の室内」
今回の展覧会の中で、この黄色と青の絵が一番好きだった。
ドローイングも素敵です。

マティスは晩年、病気だったこともあり、ベッドの上でも作業ができる「切り絵」に表現方法をシフトするんだけど。

撮影NGだったので載せられないのですが、
その切り絵たちがとにかく全部シャレオツすぎるんですわ。

「マティス 切り絵」で調べれば山ほど出てくるのでぜひ見てみてください。

これが70過ぎのおじいさんがベッドの上で作った作品って、、どない・・!かっこよすぎ!
めちゃくちゃ色々参考にしてやると思って食い入るように見ました。

”激しい色彩と大胆な筆使い” "荒々しく力強い作品”
と言われているフォーヴィスム。
でもその奥には、繊細で慎重、修正に修正を重ねて迷いながらもたった一つの答えを導き出すマティスという人がいる。

私はそんなマティスの絵を見ていると、凄く穏やかな気持ちになれる。

マティスが絵の中に求めていたものは「心の安らぎ」だったんだって。
それがね、すっごく伝わってたんだなきっと。

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