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6ヶ月目の奇跡

大学生活6ヶ月目に入った頃、突然みんなが何を言っているのかわかり始めた。そしてトントン拍子に、グループの中での話も結構できるようになっていった。一緒に授業を受けている子達も話かけてくれるようになって、その中の5才年下のCorinaと仲良くなった。

週末にはよくCorinaの家に泊まりに行った。すると彼女のお父さんがご馳走を作ってもてなしてくれた。Corinaとも今でもメールで近況を報告しあっている。彼女は電撃結婚の後、電撃離婚をしてまた電撃結婚をした。

この6ヶ月目を境に私の生活は好転していった。人と知り合う機会作りに、と剣道を再開した。近くの大学の剣道部に練習に行く事になった。カナダは結構剣道人口が多く、沢山の人と知り合い、練習をして、沢山のパーティーへ参加することとなる。

ただ、やはり英語で色々な勉強をする事はまだ難しかった。テスト前には「経済が難しい」と言うとJacquiが私の教科書のテスト範囲を熟読し、要点を書き出して「これをしっかり覚えなさい」とノートを作ってくれた。

JacquiとBettyは私を年下の妹のように可愛がってくれた。掃除や料理もいつも二人がやってくれて、私はいつも甘えてばかりいた。

家には犬(グリズリー)と、猫(スパズ)がいた。グリズリーの散歩だけは私がよく行った。グリズリーは大きな犬でとても賢かった。スパズは小さくてとても可愛らしかった。犬と猫なのに妙に仲が良かった。

6ヶ月目からは時が足早に過ぎていった。ビジネス英語のテストで私はクラスで最高点をとった。先生が皆の前で褒めてくれた、と同時にクラスメート達には「あなた達英語が母国語なのにサチコに負けてどうする」と怒っていた。
皆に相手にされていない頃勉強ばかりしていたので、1年の成績はオールAだった。その学年の最優秀生徒の候補者に選ばれ、エッセイを書いて2番になった。

1番の人は賞金をもらっていたが、2番の私は名誉だけをもらった。

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