英会話学校で働く

私の主な仕事は、朝のテレフォンレッスン、週2回の受け持ちクラスのレッスン、非常勤講師から出退勤を知らせる電話の応対、等々だった。営業と教務は薄い壁一枚でしきられていたが、営業の朝礼は聞いているだけのこちらが凍り付くほど厳しく、気合いが入っていた。

それに比べ教務は、朝からコーヒーを入れたりしてのんびりした雰囲気だった。教務には、常勤講師が私を含め3名、事務2名がいた。なんだか、ほんわかとしていた。岩田屋で、勤務時間中ずっと360度気を使って、お客様に目を配るのとは違っていた。仕事は楽だった。

ただ、私はまたしても自分が重大なミスをしている事に出勤初日に気付いた。その英会話学校は、子ども向け英会話で、大人には一切教えていないのであった。ちょっと値段のはる教材を買って頂き、レッスンに来て貰うというカラクリだった。私の目指すのは大人向け英会話学校であり、子ども向けではなかった。

当時子どもにどう接したら良いのかなど、全くわからなかった私は、なんとか与えられた課題をこなすのが精一杯で、激しく飛び跳ねる子ども達を全くコントロールすることができないでいた。悩みの種はその一つだけ、暴れる子ども達を、いかにこちらに振り向かせるか、だった。その悩みが解決される日が、その学校に勤務している間に来る事はなかった。

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