就職活動 ~当たって砕けたカナダ編~

短大が終わる頃、もう少しカナダにいて自分の力を試してみたいという思いから、就職先を探すことにした。
その頃には少しは現実と夢の違いを認識できるようになっていた私は、カナダ人と同じ土俵で戦えない事を悟っていた。会社は、特に取り柄のない新卒を雇うのであれば、間違いなく日本人ではなくカナダ人を採用するだろう。日本人を雇うとなると、就労ビザを申請しないといけないし、英語ができるようになったからと言って、大人になってから学習を始めた日本人が、ネイティブスピーカーと全く同じようにコミュニケーションできる訳ではなかった。そんな見ず知らずの日本人を雇うよりも、カナダ人を雇った方が手間が省けて即戦力にもなる。
ということで、短大の求人情報は最初から見ていなかった。

日系企業で探そうと、トロントで日本人向けに発行されている新聞の求人欄をくまなくチェックした。
一つ目に留まったのがマクドナルドの経理の仕事だった。早速連絡をとると「面接にきてください」と言われ、トロントの中心部からかなり長い間地下鉄に乗って、私はその郊外にあるマクドナルドへ行った。

そこの日本人オーナーは、最初から英語で私に話しかけてきた。私も英語で終始受け答えをした。色々と話をして、今日は来てくれてありがとう、とマックの食事券をくださった。

手応えはあった、と思っていたが後日「君もよかったんだけど、決めた人は経験があるんだよ。君は2番だった」と言われた。
終始2番手で終わったカナダ生活であった。
がっくり肩を落とし、一社に断られただけなのに、なんだか疲れて「日本へ帰ろう!」と思った。

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