見出し画像

束の間の夢の日々

仕事は3年契約だった。その後延ばす事もあるかもしれないし、日本へ帰ったら本社で働いてもいいと言われていた。
社長をはじめ、日本人社員はみんなが優しくて、私は「さっちゃん」と呼ばれ甘やかされていた。
社長が開くパーティーでは、私は志願してバーテンダーをやった。短大時代に講座に通っていたので腕をふるうチャンスだった。

実はカクテルはあまり好きではないが、なんとなく面白そうだったので習ってみた。そんな意外な所では頑張るのだが、細かい気配りとかはできていなかったな、と今振り返ると反省する事ばかりである。
忙しくない時は、仕事は定時に終わった。最初のうちは剣道をしていたが、そのうちゴルフにはまり、夏は仕事の後ゴルフ場へ直行し、9ホールを回った。誰も一緒に行く人がいない日でも、一人で行ってコースを回った。
それだけやっても、ゴルフの腕は一向に上がらなかった。謙遜ではなく、本当に下手だった。ただ、楽しくて仕方なかった。

ゴルフの会員権は、1年間で4万円くらいだったと思う。それを払っていれば、いつ行っても何度行ってもいいので、格安にゴルフを楽しめた。
学生時代に過ごした極貧生活に比べると、夢のような社会人生活だった。
旅行や食事を楽しんでも、目標開業資金300万円を越える貯金が3年間で達成できた。
贅沢な日々だった。BJクラブ英会話を始める迄は…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?