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レコードレーベルあれこれ~個人研究のまとめと疑問点~第5回

泉谷しげるのレーベル移籍変遷にみるレーベルデザイン(4)

アナログ・レコードの中心部にある丸いレーベル。
そこにはいろいろな情報が詰め込まれている。

前回はフォーライフ・レコードでの泉谷しげるのアルバムを見てまいりました。今回はシングル盤を中心に見ていこうと思います。

泉谷しげるがフォーライフから出したシングルは以下の4枚。

「寒い国から来た手紙/1/2ブルース」(FLS-1)1975年8月
「彼と彼女/紅の翼」(FLS-8)1976年5月
「電光石火に銀の靴/決定!ホンキー・ふりかけ・トンク」(FLS-15)1977年4月
「旅立て女房/黄昏のオレンジ・ロード」(FLS-1003)1977年6月

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まずは1枚目の「寒い国から来た手紙/1/2ブルース」。
品番からしてこのシングルが1号シングル。
1か月後の9月に吉田拓郎「となりの町のお嬢さん/流れる」(FLS-2)、10月に小室等「愛よこんにちは/スーパーマーケット」(FLS-3)、11月に井上陽水「青空、ひとりきり/Flight」(FLS-4)と1か月に1枚ずつ発売したようです。

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アルバムではオレンジ→白→青の順でグラデーション地になっていましたが、シングル盤のレーベルは青単色地に黄色のロゴ、スミ文字という色使い。ロゴは上、下に曲名と作詞・作曲・編曲のクレジット、左に権利クレジット(リムじゃないんだ)、右に回転数とステレオ表示と品番、ジャスラックマークという配列。泉谷しげるに関して言えば、シングル、アルバムともにカスタム・デザインのレーベルはなく、会社統一の基本デザインのものばかり。

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「彼と彼女/紅の翼」はアルバム『家族』からのシングルカット。

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「旅立て女房/黄昏のオレンジ・ロード」はアルバム『光石の巨人』からのシングル・カット。名義も“イズミヤ・シゲル&ストリート・ファイティングメン”となっています。

1977年には、吉田拓郎が新社長となったフォーライフ・レコード。作り手の理想を追い求めるか、会社としての存続のために売れるレコード作りをするか、その方向性で意見の食い違いがあり、泉谷はフォーライフを退社。逆風吹き荒れる中、泉谷しげるは次のレコード会社に移籍をする。
では、本日はここまで。

(第5回完)

※かつて会社のホームページで社員が自由テーマでブログ発信をしていたことがあり、その時に私が書いた内容を改編・加筆したものです。