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【不動産取引】③不動産の相続登記を自分でやってみた

昨年に父が亡くなった事に伴い、様々な相続に関する手続きをする必要が出て来ました。

税務署への申告書の作成、配偶者控除や闘病期間中にかかった医療費控除の手続き、被相続人の財産の調査等もあり、税務申告に関しては税理士に任せる事にしました。

これであとは必要な書類を取りに回るだけでよいので、精神的にも大分楽だと思います。

相続税が必要かどうか?

まず相続税は基礎控除額「3000万円+(600万円×法定相続人の数)」を超えた金額に対して相続税がかかります。

そして基礎控除額を超えている場合、被相続人(父)が死亡した翌日から10ヶ月以内に申告納税をする必要があります。

※配偶者が相続した遺産は1億6,000万円までは相続税は課税されない制度(配偶者控除)があります。よって配偶者と他に相続人が複数いた場合は、遺産分割協議書を作成し配偶者が全てを相続するようにする事が多いのかと思われます。

配偶者控除を利用するには税務署へ申告する必要があります。

この時に戸籍謄本や遺言書又遺産分割協議書、印鑑証明書などの書類が必要になります。これらは後に相続登記をする場合にも必要になってきます。

また相続税を支払った後に、相続財産を3年以内に売却した場合(相続開始から3年10ヶ月以内)は、売却利益にかかる所得税から相続税として支払った金額を控除する事ができる特例制度(取得費加算の特例)があります。

相続不動産を売却するには「相続登記」が必要

相続した不動産の売却をする場合は、所有者であった父が亡くなっている為に相続人に名義を変更する必要があります。

名義を変更するために行う手続きを「相続登記」といいます。

相続登記には登記申請書(法務局サイトに申請書様式の雛形があります)、被相続人(父)の原戸籍謄本や、相続人の戸籍謄本や印鑑証明書等が必要なので区役所やコンビニで入手して揃える必要がありました。

被相続人の戸籍謄本は出世時まで遡る必要があります、最後の戸籍謄本から婚姻や転籍前のものを順に遡って請求していく必要があります。原戸籍と呼ばれるもので今回も父の出生地から取り寄せる事となりました。

そして相続登記には「登録免許税」という税金が、不動産評価額の0.4%かかります。

0.4%とはいえ不動産だと結構な金額になります、1000万でも4万円、1億なら40万円です。

基本は現金での納付が必要だそうですが、実務では収入印紙(実際に法務局で申請時に収入印紙を貼付ける用紙をいただきました)で良いそうです。

金券ショップ等で額面の99%で購入する事で少しだけ節約できそうです。

1枚10万円の高額な収入印紙などは、こんな時にしか目にする事はないかもしれませんね。

相続登記を自分でやってみた

相続税の計算(銀行預金や有価証券、不動産の類を全て調べあげる)や書類の作成(遺産分割協議書、相続関係説明図の作成)等を自分でやるのはかなりの時間と労力が必要です。

しかし不動産の売却に必要な相続登記(申請書を作成して書類を集めて法務局に提出する)については自分でもできそうです。

司法書士に依頼すると依頼先によっては20万円前後の費用が発生するそうなので、相続人で協力して自分たちでやってみる事になりました。

※参考にしたサイト(相続登記を自分でするホームページ)

まずインターネットで「相続登記 自分でやる」と検索したところ、様々な司法書士事務所のサイトが検索結果として出てきました。

そこには自分で相続登記するための方法が記載されています、どのサイトもかなりの長文で書かれているのでやる気を削がれるかもしれません。

しかし相続登記の手続きの流れを簡単にまとめると…

被相続人と相続人等の関係書類を集める
登記申請書・遺産分割協議書・相続関係説明図をワード等で作成する
法務局へ提出

この3つの業務に集約されます。

書類集めや書類作成にあらかじめ準備が必要ですが、提出するのはたった1日で出来るので割の良いアルバイトだと思って頑張りましょう。

ちなみに今回の相続は母と兄弟間で話し合い税務的な観点からも全てを母が相続する事にしました。よって遺産分割による相続登記となり遺産分割協議書が必要となります。

法定相続による相続登記
遺産分割による相続登記
遺言書による相続登記


被相続人と相続人等の関係書類を集める

今回必要な書類は、被相続人に関するもの、相続人に関するもの、相続物件に関するもの、各々手分けして集める事にしました。

被相続人に関するもの

除票(住民票)
除籍謄本
原戸籍

相続人に関するもの

印鑑証明書
戸籍簿謄本
住民票

相続物件に関するもの

登記事項証明書
固定資産評価証明書
登記申請書・遺産分割協議書・相続関係説明図をワード等で作成する

登記申請書に関しては法務局のサイトに雛形があったので、各書類を見ながらワードで穴埋めしただけで問題なく作成することが出来ました。

遺産分割協議書・相続関係説明図に関しては、税理士さんが税務申告時に作成していたものを再利用する事ができましたのでそのまま添付しました。

どちらも相続人が身内だけの内容であれば、比較的簡単に作成する事が出来る内容です。

法務局へ提出する

全ての書類が揃ったら法務局へ提出します、自治体によって異なるかもしれませんが事前の無料相談を利用する事を強くお勧めします。

今回の相続登記においても、法務局へ電話で予約して20分間の無料相談をしましたが、提出書類の不備や書き方のチェックをしていただけました。

事前相談なしで提出しても受け付けてもらえますが、補正手続きなどが必要になった場合に再度法務局へ出向いたり余計な時間と費用が掛かる可能性が非常に高いです。

今回の不動産に関しては土地(共有名義)と建物(単独名義)の持ち分割合が異なりました。

インターネットのサイトによっては、それぞれ別々に申請する必要があると書いているところもありましたが、法務局で確認したところ一括で申請することが出来ました。

どちらになっても良いように念のために登記申請書を2パターン作成しておきましたが、事前に相談しておいてよかったです。

提出後は約1週間ほどで登記完了

提出後は1週間ほど先の指定された日程に受け取りに行き、何とか無事に補正する事もなく相続登記が完了しました。

提出書類を集めたり申請書を作成する準備が必要ですが、提出は一瞬で終わるので実働時間は1日あれば十分かと思われます。

あと相続する不動産が複数あり登記されている法務局が異なる場合は、改めて同様の作業が必要となる為に提出時に書類の原本還付の手続きをしましょう。

事前に原本のコピーをとって「原本に相違ありません」と記載して署名押印をして提出します。あとは窓口の人が言うとおりに割り印を押していくだけです。

これで登記完了後に原本を返還してもらえるので、改めて書類を集める必要がありません。

残りの不動産の売却が決まれば、再び登記申請書を作成して書類を提出する事で楽に相続登記をする事が可能になります。

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