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スジャータの乳粥


ものすごく近場で温泉にはいった。

近場の非日常
そのひとは眉間にしわを寄せたまま、
私が熱くいれてしまった部屋の温泉のお風呂にはいって、
お餞別に私が買っておいたハンカチは中身だけとって、

淹れたコーヒーは見向きもせず、
風のように去って行った。

へんなひと。

結局いつもどおり、
私にはなにも言わずに風のように去っていった
コペンハーゲンへ出張に行くらしい。

相変わらず自由で内弁慶で不器用なあのひとはきっと、
彼岸へ旅立つときさえも、
私には何も言わずに、風のように去るのだろう、
とふとおもった。

それはあなたにとって、しあわせなことですか。

とわたしに問うてみる。

おじいちゃんは、明け方、おばあちゃんの夢に来て、去って行った。
生も死も、ひょっとしたらそういうものなのかもしれない。

スジャータの乳粥の話を聞いた

あたしずっとこのままここにいるのかな、とおもって、ぞっとした
シーナさんみたいになりたかった
男の子に生まれたかった
イチエさんみたいになりたかった
遠くに行きたい。
かざふすたんに行きたい。ぱたごにあに行きたい。
耳をすませば、の雫ちゃんみたいに生きてみよう。
まだ、まにあうはず。

おふろで背中から抱き締めてもらった私の髪はぼろぼろだったのが、
妙な反省点だった。

(2011年5月記)


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