みどり色

‪掃除や片付けのために、家の中で忙しくバタバタと移動して居たら、突然、台所で小さな何かを踏んだ。‬

目を落とすと、足の下で潰れたその明るい緑色の小さな何かから、緑がかった透明な液体が飛び散って居た。

野菜の切れ端であることを祈りつつも、私は一瞬にして気付いてしまった。
それが青虫であることに。

窓‪が開いていることを考える余裕も無く、驚きとある種の恐怖から、腹の底から近所中に響き渡る叫び声をあげた。‬

‪まるで、私が踏み殺した青虫が、あげることも出来なかった断末魔の叫びを引き受けることが、青虫を踏み潰した私に課された罰であったかのように。‬

パステルグリーン色の青虫の遺骸と、鮮やかな緑色の体液は、ティッシュに包んで捨てた。

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