声劇台本「君を、護るよ」
周りの音が聞こえなくなっていくのに、耳の奥でズキズキと音がする。胸のあたりがひどく熱くて痛むのに、身体からは体温が逃げていく気がしている。ああそうか、僕は弾丸(たま)よけになったんだった。遠くで君の声がする。泣かないで、はやくドアを閉めて。もしも僕のために泣いてくれているのだとしたら、涙をこぼしたりしないで、悲しまないで。これが僕の仕事なのだから。君のお父さんを護ることでしか、僕は君の笑顔を守れない。「パパを守ってね」そういった君に、あの日僕は約束した。君のお父さんを護るから