青い金糸雀

イラスト・配信・声劇にて活動中 Twitter: Blue_Canary2020

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最近の記事

🚨声劇台本利用にあたってのご注意🚨

当方はラジオ配信アプリSPOONにて配信及び声劇活動をしております。当方プロジェクト「あけの月」にて使用した台本をいくつかこちらに公開していこうかと考えております。無料記事・有料記事混在する予定です。私的利用・一部の商用(配信等)でのご利用が可能です。著作権は当方が保持しておりますので、自作発言・改訂等は不可です。利用に際してのご報告は不要です。その他ルールが必要な場合は、都度追記してまいります。

    • 声劇台本「君を、護るよ」

      周りの音が聞こえなくなっていくのに、耳の奥でズキズキと音がする。胸のあたりがひどく熱くて痛むのに、身体からは体温が逃げていく気がしている。ああそうか、僕は弾丸(たま)よけになったんだった。遠くで君の声がする。泣かないで、はやくドアを閉めて。もしも僕のために泣いてくれているのだとしたら、涙をこぼしたりしないで、悲しまないで。これが僕の仕事なのだから。君のお父さんを護ることでしか、僕は君の笑顔を守れない。「パパを守ってね」そういった君に、あの日僕は約束した。君のお父さんを護るから

      • 声劇台本「まだ大人になりきらない君へ」

        朝練で登校した君が、いつものように僕を見つけて挨拶してくれる。その笑顔に教師への尊敬と、僕個人に対する憧れが見え隠れするのを知っている。高校2年生の君は、すっかり学校生活にも慣れて、受験戦線まではまだほんの少し余裕があって、周りのことあれこれに気がいく季節だろう。今年赴任してきたばかりで年の近い僕に興味が向くのもわかるし、僕だって悪い気はしない。君は正直でその淡い感情を隠そうとはしないけれど、互いの立場が側からどう見えるか理解できる程には思慮深い。もしも君が考えなしにその想い

        • 声劇台本「狂い咲き」

          この店で生まれ、この店で育った。母親はおらず、街の門より外へ出たことはなく。いずれ枯れて朽ちるのが運命と思って、喜びも悲しみもなくただ日々を過ごしてきた。初めてお客を取らされた晩も、涙ひとつこぼすことはなく。乾涸びたこの心は石のように固く、気分任せに口説いてくる殿方の言葉が染み入る余地さえないようだったのに。ああ、どうして、あなたに出会ってしまったのだろう。睦言に意味などないと知っているのに、「愛している」「いつか一緒に」そんな言葉に心は揺れて。小指を切り落としてもいいと思え

        🚨声劇台本利用にあたってのご注意🚨