旋法⑮
で、最後に残った教会旋法であるロクリア旋法について触れたいと思います。
とは言っても「触れるだけ」です。
というのも実際に使われる頻度は低いからです。
おそらくロクリア旋法を使用するのは、モードジャズの世界もしくはロクリア旋法で作ることを「狙った」曲だけだと思います。
それくらい主音に対して完全5度の音を持たない、というのはきついんですよ。
一時的に完全5度の音がフラットしただけではロクリア旋法にはなりませんからね。
あくまでも、一定以上の長さでこの旋法を使い続けなければ、ロクリア旋法とは言えません。
旋法とはそういうものですから。この点がいわゆる「スケール」とは違う点なのですが、この辺は改めて書きたいと思います。
完全5度というのはある意味、西洋音楽の基本でもあり、不協和音が好んで使われるようになったのはごく最近の話です(とは言ってもロマン派辺りからなので、まあそれなりに時間は経っていますが(笑))。
で、その不協和音が使われるのも、一部の音楽を除けば、どちらかと言うとスパイス的な使われ方しかしない場合が大半です。
で一般的には次の和音で解決しようとすることが大半です。パッシングディミニッシュなんていい例だと思います。
それ位「完全5度」の世界に浸りきっている中では、やはりロクリア旋法はきついんでしょうね。
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