カバー⑪

カバーをする場合、歌の上手い方がカバーをする場合ということがやはり多いですよね。

ただ演歌歌手のやっているようなカバーは正直どうなのかなあ、と思います。

あれって、「自分はこういう曲も歌えますから」という自己主張以外の何物でもないでしょう。カバーで曲の新しい魅力を引き出そう、とかいったような生産的要素が全く感じられません。

まあこういうのは論外だと思いますが、歌の上手さとカバーの出来栄えを考えると、そこに関係がないとは言わないまでも、それなりの相関関係しかないと考えています。

そういう意味からすると、牧瀬里穂さんの「ミラクル・ラブ」はいい例だと思います。

作詞・作曲は竹内まりやさんで、いつものようにセルフカバーしています。

で牧瀬里穂さん、正直かなり歌的には厳しいです。無理矢理歌わさせれたんでしょうね...。

でも竹内まりやさんのセルフカバーより、聴いていて訴えかけてくるものがあるんですよ。

割と俳優さんの歌って、そういう要素がある場合が多いのですが、牧瀬里穂さんの場合、相当余裕が無さそうなので、多分そこまでたどり着いていないように思えます。

では何が優れているかというと、小林武史さんのアレンジです。その部分まで計算に入れてアレンジしているんですよ。

まあ牧瀬里穂さんのアレンジも今聴けばやはり「古い」ですが、歌をマスキングするために、音数は比較的多めにして、かつ「初々しさ」とかそういう要素を上手く引きだすために、コーラスを多用していて、竹内まりやさんの作品にはない、牧瀬里穂さんの良さを引き出しているんだと思います。

比較して聴くと、もちろん竹内まりやさんの方がずっと歌は上手いです。

ただ歌ってそういうものじゃないんだなあ、と実感させれる作品です。

明日はまた別の角度から、このような例を語っていきたいと思います。

ほぼ書きたいことを書いていて、読んでいただけることも期待していませんが、もし波長が合えばサポートいただけると嬉しいです!。