中心軸システムとは

で、今日こそ「中心軸システム」の話です。

意外とこの理論、ご存知の方、多いんですよね。

あまり使いこなしている、という例は聞きませんが(笑)。

正直誰が作ったかも覚えてないのですが、ある方がバルトークの作品を分析して辿り着いた、という話ですが、多分バルトークはそんなことは考えていなかったことでしょう。

ある音を基準とした場合、完全5度上の音を隣にもってくると平均律12音が網羅され、最後に元の音に戻る、これを円にして中心から並べ、中心からその12音に線を引くと円の中心から周縁に向かって12の線が引かれることになります。

で、中心軸システムとは、中心から0度、90度、180度、270度の順に並んだ音を根音とした和声の機能は同じ、というものです。

図に書かないと分かりにくいのですが、円が12等分されている訳ですから、残りは30度の地点から90度づつプラス、60度の地点から90度づつプラスとなるので、4×3=12で全ての音が網羅されます。そしてこの理論では0度、30度、60度から並ぶ4つの音を根音とする和声はが同じ機能を持ち、0度がトニック、30度がドミナント、60度がサブドミナントになります。

円の中心から引いた線が十字の形になっているものの機能は同じ、というものです。

しかも根音の設定により機能が左右されるので、その上に何が乗っても機能は同じ(笑)。

これでいくとハ長調だとドがトニック、ソがドミナント、レがサブドミナント、ラがドミナント、でミ(=Ⅲ)はドミナント、ということになります。

まあこの理論が正しいかどうかは分かりませんが、5度圏で音を回しているので、何となく腑に落ちる感じです。5度圏というのは和声において重要な要素ですから。

この理論自体は色々なところで紹介されますが、実際にこの理論に基づき曲が作られたというのはあまり聴きませんが、理論というのは作品の後から出てくるものなので、まあそれでもいいのかと。

実際にJohn Coltraneの曲で、この理論を使うと和声の機能が明確に説明が付く曲もありますから、分析手法としての一つとしては使えると思います。

で、この理論が大胆だ、というのは、全てのコードを単一の調性で説明できる、というところにあるのだと思います。

何だかこのまっさら感がたまらなく好きなんですよね。調性といいながら実質には12音が同等な訳で(機能がある以上、完全に同等とは言えませんが、その中に3つの色がある、という感覚でしょうか)、目から鱗的な発想です。

しかし音楽理論の話を真面目にすると疲れますね...。

という訳でこの辺の話はこれにて終わりにして、次からはもう少し軽めの話にしたいと思います。



ほぼ書きたいことを書いていて、読んでいただけることも期待していませんが、もし波長が合えばサポートいただけると嬉しいです!。