アレンジの時代性⑬

これまでは、どちらかというと今のJ-POPのアレンジがどのような過程で形成されてきたか、を中心に書いてきたのですが、ではその前の日本のポピュラーはどうだったか、について簡単に書いていきたいと思います。

まずは70年代から。正直それほどこの時代の曲に明るくはありませんが、一応自分の持っているイメージについて書きたいと思います。

70年代は完全に「古い」印象ですね。この頃いわゆる「ニューミュージック」という形態の音楽が出てきたのでしょうが、いわゆるそれまでの「歌謡曲」との「差別化」を図ったという印象が強いです。あまり本質的な違いはなく、基本的に「いわゆるフォーク」的な要素を引きずっているような音楽に聴こえます。アレンジ的に言っても、やや大人しい印象はありますが、大半がこれまでの「歌謡曲」の延長線上にあるようなイメージです。

もちろんその中にもいいと思う曲はあります。あくまでもこれは「アレンジ」についての話ですから。

ただ何もない訳ではなく、この位の時代から、新しい音楽を生み出そうという動きもあったと思います。

例えば荒井由実さんの「あの日に帰りたい」、この曲は今では完全に古いアレンジですが、当時の他の作品とは全く違うアレンジですよね。

この位の時期から「新しい試み」が試行錯誤され始めた、という感じでしょうか。

ニューミュージックでもなく、フォークでもなく、歌謡曲でもない音楽がこの辺から生まれてきたように思えます。

音楽における「自意識」の萌芽が生まれつつあるようなイメージです。ただやはりどちらかというと洋楽に対する意識が強く、まだ消化しきれていない印象です。

で次は80年代に行きたいと思います。

ほぼ書きたいことを書いていて、読んでいただけることも期待していませんが、もし波長が合えばサポートいただけると嬉しいです!。