作曲の方法論72
昨日書いた通り、最後にまとめとして、これまで自分が書いてきた方法に対し、どのように捉えているかを書きたいと思います。
好ましいと思っていない順番で書いていきます。
①「頭の中にないもの」から「ループ素材」中心で制作された「コード先」
②「頭の中にあるもの」を具現化した「メロ先」
②「頭の中にないもの」から創作した「メロ先」
③「頭の中にあるもの」を具現化した「コード先」
④詩先
⑤「頭の中にないもの」から創作した「コード先」
⑥「頭の中にないもの」から創作した「オケ先」
⑦「頭の中にあるもの」から創作した「オケ先」
⑥と⑦は書き間違いではありません(笑)。
でこれから解説が始まる訳ですが、あまり長くしないように気を付けます。
ああだこうだ書くと「まとめ」になりませんから。
まず①はそもそもこんな作り方をしていれば、いずれAIの方が上回るので、人間である自分としては不可です。
②・③で「メロ先」を持って来ているのは、もちろんいい曲もありますが、天才でない限り「持続性」のない方法だからです。
一曲だけなら書けるだろうけど、書いた曲の数が増えるだけ、似たような曲が増えていくはずです。
「頭の中」をより好ましくない、と考えるのはやはり無意識の内に「既存の定番型のコード進行」を内包した、しかも単純なパターンのコード進行を作品になる可能性が高いからです。
次に「頭の中」と「コード先」の組み合わせを持ってきているのは、「コード頼り」でそこそこの曲を書くことに慣れてしまう危険性を感じるからです。やはり方法としては「安易」なんですよ。
詩先を④に持ってきたのは正直悩んだのですが、やはり「詩」の出来具合に左右される、という弱点を抱えているから真ん中あたりにもってきた、といった感じでしょうか(笑)。
5番目に「頭の外」にない「コード先」を持ってきたのは、ポピュラーに関して言えば、「オリジナリティ」の高い曲を作る場合に最もバランスのいい方法だと考えるからです。
「ありがちな曲」との距離感を意識しながら組み立てられるので、「オリジナリティ」と「ポップさ」のバランスが取りやすいと感じています。
「オケ先」って意外と「俯瞰的」な目線で作りにくいんですよ。もちろん曲の内部構造からすれば、一番「俯瞰的」と言えるのですが、意識が「曲の外部」に向かいにくい傾向があると思っています。
どちらかというと、「自己完結的」になりやすい、という側面があるので、いわゆる「大作」を作るのには向いていても、他の曲との関係性を意識する必要があるポピュラーの場合はこちらの方が向いていると思います。
6番目が「頭の中」になくかつ「ループ素材」不使用の「オケ先」です。これは何かのきっかけに出てきた「モチーフ」なり「主題」から作る、という方法ですが、やはり最終的な仕上がりを考えながらやらなければならない方法なので、手間はかかりますが作品としてのまとまりがつきやすい方法です。
でラストが「頭の中でオケ先で作る」方法だと思います。これが出来る方は極めて限られているとは思いますが、これでオリジナリティのある曲が書けるようであれば、いくらでも交響曲が書けるでしょうね。
「オリジナリティ」という概念を音楽に持ち込んだのはおそらくベートーヴェンですが、やはりあの数しか書けないんですよ。
ベートーヴェンがこのやり方かどうか、というと違うとは感じています。おそらく6番目の方法かと。
モーツァルトはこの最後の方法のような感じかもしれません。個人的にはベートーヴェンの方が好きですが、純粋に「才能」という観点からすれば、モーツァルトの方が優れているように感じています。もちろん異論をお持ちの方もいらっしゃるでしょうが。
まあ才能で音楽を作る訳ではないので、才能なんてどうでもいいんですが。
「音楽の才能」ってないよりあるに越した方がいいのですが、才能があるから人の心に残る作品が作られる訳ではない、と考えています。その才能をどう使うか、の方が大切で、才能の有無より大切なことは「その使い方」で、そこをきちんとおさえていれば、良い作品を作ることは出来るのではないでしょうか。
実際にモーツァルトもベートーヴェンも有名ですが、皆さんの印象にどちらの書いた曲の印象が強いか、と言ったらベートーヴェンの方が多数派になると思います。
作曲をするにあたって最終的に辿り着くのは、結局この問題なのかと思います。
思いもよらない形で記事が終わることになりましが、この記事を続けるにあたり、自分自身でも色々と考えるきっかけになったし、まあ良し、ということにしておきましょう(笑)。
また何かのきっかけで続編がスタートするかもしれませんが、その時はもっと深い考察が出来るでしょう。
では、この話題は終わらせていただこうと思います。
ほぼ書きたいことを書いていて、読んでいただけることも期待していませんが、もし波長が合えばサポートいただけると嬉しいです!。