作曲の方法論68

混合パターンを除けば、最後に来るのが「頭の中にないもの」を「オケ先」で作るという方法です。

いきなりこの記事を読んだら、この人何言ってるの?、と思われるかもしれません。

実際これまでのツールで、このような方法で作品を作っていくのは根気のいる作業ですし、実際自分が「Reminiscenes」を作った時も、曲が長い割に、実質的には短い曲ですが、それなりに時間を要しました。

コツコツと各パートをモチーフなり主題から制作していくので、やはり時間が異常なまでにかかる作業です。

そうは言っても、皆さんが考えているよりは「簡単」だと思います。特に調性音楽で楽理に基づいて制作する場合、禁則もそれなりにあるため、意外に自由には作れないものです。こういう動きをしてはいけない、とかそういうものが沢山あればあるほど、選択肢は狭められます。

もちろん禁則は使ってはいけない、というものではありませんが、それなりに「禁則」が禁則である理由はあり、やはり感度を高めた上で使わなければならないので、「禁則」を守った方が「楽」なんですよ。

まあそれでもそれなりの工数はかかります。新垣隆さんがゴーストライターとして書いていたことの弁明の中に「現代音楽の勉強をしている者であれば、あの程度の曲は誰でも出来る」というような主旨のことを語っていたように記憶していますが、新垣さんがゴーストライターとして書いた作品の大半とポピュラーを比較した場合、ポピュラーのアレンジまで含めてもポピュラーより絶対的に時間がかかります。

大体曲が長いし(笑)。

ポピュラーだとほぼほぼ4つの部分(Aメロとかサビとか)から出来ている訳で、新垣さんの曲よりも構造が単純なので、工数は圧倒的に違います。

これは能力の問題ではありません。あくまでも工数が多いか少ないか、という問題です。

ただ、ここで出てくるのが「ループ素材」です。昔はこんなものは無かったのでしょうが、現実問題として存在している訳ですし、実際そうやって作られている曲が多い以上、触れざるをえないと思います。

でこれまでの「オケ先」と違って圧倒的に工数が少ないという、大きな違いがあります。

まあ、それが全てだ、というのは強弁に過ぎる、とは思いますが、圧倒的に「ループ素材」の使用率が高くなったのは紛れもない事実かと。

なのでこの方法について記事を書くのであれば、もはや「ループ素材」の使用を無視して考えることは出来ません。

とは言っても長所なり短所は全く異なるものなので、「ループ素材」の使用・不使用については分けて考えたいと思います。

「方法」として違いがないものだとしても、その「性格」は全く異なるものですから。

明日はとりあえず、従来からある「ループ素材」に頼らない方法について書きたいと思います。

ほぼ書きたいことを書いていて、読んでいただけることも期待していませんが、もし波長が合えばサポートいただけると嬉しいです!。