音楽作品制作方法⑫

Vari Audioの機能のもう一つ重要な点は音程の揺らぎの補正です。当たり前ですが、人間の声というのはピッチに揺らぎがあるのが自然です。

自分自身はボカロに違和感はありませんが、ボカロに違和感を抱く方がいらっしゃるのは加工しない限り、ピッチが正確だからです。

それこそが人間の声、というより自然界の音の音程には必ず「揺らぎ」がありますが、揺らぎ過ぎると音程がふらついて聴こえます。

そこで使うのが「ピッチの平坦化」という機能です。Vari Audioの処理を行うと同時に各セグメントに対して、ピッチの平坦化が可能になります。

Vari Audioを使うとピッチが可視化されるのですが、自分の声ってヴィブラートが強いので(下手と言う方が正確かもしれませんが)、大きな波に見えるんですよ。

で、何だか気持ち悪いので、昔はかけまくっていました。

ただやはりボカロだとか、やりすぎだという声もあったので、どうしたらいいものか悩んでいた所に関ジャムの竹内まりやさん特集を見て、あ、自分って自分の歌を分かっていなかったんだ、ということに気付き、処理の方法が変わってきました。

昔は極限までセグメントを切り刻んでいましたが、今はまず最初は自動解析のままの粗いセグメントのままピッチ補正を行い、上手くいかないところだけセグメントを分割するようになりました。

でピッチの平坦化も軽めに行うようにしています。ピッチの揺らぎで気になるのはやはりロングトーンですが、フェードアウトして不自然でない音はピッチの平坦化は行わず、フェードアウトさせた方が自然ですから、極力使用しないようにしています。

でこれも関ジャムのおかげなのですが、無理に正確に歌おう、ということを意識しなくなりました。

人の歌ってずれている方が自然なんですよ。

まあここまで辿り着くのに何年かけてるんだよ、って感じですが(笑)。

敢えて名前は出しませんが、有名なシンガーソングライターの方でピッチどうなの?と思えるような方がいらっしゃいますが、ソングライティングが優れているのと、アレンジャーの方のセンスが優れているので、作品のレベルは高いし、皆さんピッチなど気にせずに、いい曲だなあ、と思って聴いていると思います。

自分的にはちょっとあれはどうなんだろ、という感じはありますが、それは個人の感覚の差であって、皆さんが聴いていいなと思うのであれば、やはりそれは素直に認めるべきだろうと。

おかげさまで、この辺の処理は随分楽になりました。またしても本題から離れてしまいましたが(笑)。

でボーカルトラックが出来たところで、次の作業に入ります。





ほぼ書きたいことを書いていて、読んでいただけることも期待していませんが、もし波長が合えばサポートいただけると嬉しいです!。