カバー⑩

最近カバーって多いですよね。あまり音楽にとっていい傾向だとは思えませんが。

というのも過去の遺産に頼る部分がどうしても大きくなってしまい、新しいいものが生まれにくくなるからです。

やはり音楽をやっている以上、前に進みたいものです。

もちろんカバーにはカバーの良さがあると思いますが、これだけカバー作品が多くなると、やはりオリジナルは厳しくなってくると思います。

特に「昭和の名曲カバー」となると、ある程度時代の波に揉まれてきた作品が多いので、そういう部分が強く出やすい、と考えています。

誰もかれもカバーばかりやるようになってはダメだろう、というのが自分の考えです。

そういう話も含めて、今日は橋本愛さんの「木綿のハンカチーフ」を取り上げたいと思います。

THE FIRST TAKEの方ではそこそこ評判はいいようですが、Mステでは炎上しましたね。まあ音楽番組に出るなら、ライブでもきちんと歌えないようではダメだとは思いますが。

さすがにこの曲のオリジナルを知らない方はほとんどいないでしょうが、もちろん太田裕美さんの作品です。

で、このカバーのアレンジをしているのは武部聡志さんです。

ただ正直このアレンジはどうなんだろう、と考えさせられてしまいます。確かにこの曲だと、バラード的なアレンジになりやすいと思います。

確かにバラード的なアレンジが似合う曲調ではあるので、テンポを遅くして、「聴かせる」曲にしたい、というのは良く分かるんですよ。

もちろんオリジナルはいかにも古いアレンジだし、このままでは今ではきついとは思いますので、アレンジし直すのは必須です。

ただこの作品のオリジナルの良さって、ある種の「軽さ」にあるんだと感じています。というのも、この曲の歌詞が結構重いからです。

おそらくその辺を中和するために、オリジナルではこの手の曲にしてはテンポも速めにして、あえてカラッとしたアレンジにしていると思うんですよね。

で、このカバー作の場合、そういった要素がないから「重い曲」になっているんだと思います。

やはりこの曲の歌詞の最後の部分を活かすには、あまり重くない方がいい。というのが自分の考えです。

未練がましくないところが、この曲の歌詞の持ち味だと思いますから。

ほぼ書きたいことを書いていて、読んでいただけることも期待していませんが、もし波長が合えばサポートいただけると嬉しいです!。