作曲の方法論67

今日は「頭の中にないもの」を定番的なコード進行を使わずに、「コード先」で作っていく方法について書きたいと思います。

ただ最初に断っておきますが、「定番的なコード進行」を全く使わずに「コード」先で作る、ということを意味している訳ではありません。

それはポピュラーの世界ではほぼ無理かと思います。

前衛的な音楽を制作しいているのであれば、例えば自分が使用しているDAWのCubaseに「コード提案機能」というのがあり、次に来るコードの距離感が表示されるのですが、一番遠いところを選ぶように作ることは可能です。

ただそれが聴いていて「いい音楽」と感じるかどうかは全く別の問題です。ただ単に「オリジナリティ」があればいい、というものでも無くて、やはり人はこれまでの「文脈」に従って音楽作品を聴いている以上、やはり聴いていて「何これ?」になっては、少なくともポピュラーで適切な方法とは言えないでしょう。

やはり「聴いていて不快感を起こさない」ためには、「定番的進行」はどこかしら、部分的には使う必要があるでしょう。

もちろんこの辺が「塩梅」なんだと思います。例えばその「回避」のための、代理和音であるとか、セカンダリードミナントのようなノンダイアトニックコードの使用は有効な訳です。

でやはり話が逸れだしたので、元に戻してまずこの長所から。

・「定番的コード進行」から距離を取った作品の制作が可能       =自由度の高い作品作りが可能

・その距離の取り方も任意で決められる

・結果として「オリジナリティ」は高くなりやすい

短所は

・意識していないと無意識のうちにコード進行が「定番的なコード進行」化してしまう

・制作に時間がかかる

・かかる時間の割に「定番的なコード進行」の方が良かったりする(笑)

と言ったところでしょうか。ただ個人的にはお勧め、というより「詩先」以外の場合、自分はほとんどこのパターンで作るので、「依怙贔屓だ!」と言われれば、返す言葉もありません。

ただ「オリジナリティ」を追求するのであれば、やはりこの方法が一番だと感じています。常に「定番的コード進行」と距離を取りながら制作していかざるを得ないので、時間はかかりますが。

もちろん「定番的コード進行」を知っていないと出来ませんし、そういう意味では一定レベルの知識は必要になってくる訳で、そうでない方にはお勧め出来ないかもしれません。

感覚的に作っていくと、この方法だと知らず知らずのうちに「定番的コード進行」、しかもその中でも単純なタイプのコード進行になってしまう危険が高いと思います。

どっちなんだよ!、と言われるかもしれませんが、音楽ってそういうものなんです(笑)。

ほぼ書きたいことを書いていて、読んでいただけることも期待していませんが、もし波長が合えばサポートいただけると嬉しいです!。