もののけ姫とテロリスト

スタジオジブリの「もののけ姫」に関して。

もののけ姫を見た多くの人は、ヒロインのサンに肩入れするのではないかと思う。(エボシさまだって極悪人というわけではないのだが)
しかし、冷静に見て欲しい。
ヒロインのサンはテロリストではあるまいか?

テロリズムの定義は種々あるそうだが、ウィキペディアによると、

例えば、アメリカ合衆国では、合衆国法典第22編第38章第2656f条において、テロリズムとは「準国家的集団又は秘密の代理人による、非戦闘員を標的とし、事前に計画された政治的な動機を持つ暴力をいう」と定義されている

とある。
サンはおそらく準国家的集団である「山犬」の一員で、エボシ様の部下である人夫(明確な描写はないがおそらく非戦闘員)を襲撃し、「人間を許せない」「森を守りたい」という政治的な動機を持っていた。

そんなわけで、サンはテロリストだと言えそうだ。
もののけ姫は、意地悪な見方をすればテロリストを描いた作品だったのである。

単純に「強者に虐げられた善良な弱者の物語」と見るべきではないであろう。

そんならどう見るべきかと問われると自分の力量を越えているのだが。

どんな争いに関しても、公平な立場でものを見るようにしたい。
一言で言うとエゴイズムと正義を混同するな、ということだ。

強者のエゴイズムが悪だというのなら弱者のエゴイズムもまた悪なのだし、弱者のエゴイズムが善なら強者のエゴイズムもまた善だとして認めねばならぬのである。

そこをいかにして調整するか。
僕の一つの案は生存権の絶対保障なのだけれど。(ともかくこれは認めましょう、という最低ラインとして)
このあたりについて論じた本をご存知でしたら教えて欲しい。

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