ニュートン力学が成立しているとはどういうことか?
私は今まで、学校のテストで物理の点数をとれても、目の前の実験とどうしてもつながらなかった。実験と理論の関係がどうしてもよく分からず悶々としていた。そしてこんな状態でものづくりの仕事なりなんなりに関わっていくのか、と不安を抱いていた。
が、最近ようやく実験と理論の関係が言語化できるようになってきた。この話をするのに最新の物理学を使う必要はない。ニュートン力学の成立を確かめる実験の範囲で十分だ。
今目の前にある事象についてニュートン力学が成立しているかどうか。それはその都度実験的に確かめらるべき問題である。このボールの落下についてニュートン力学が成立しているかどうかは、実際にニュートン力学の成立を仮定して計算をし、その計算結果が目の前の椅子に関する実験結果と一致しているかどうかをその都度確認して決定するべき問題である。もしかしたら量子力学的効果があるかもしれない。未知の効果があるかもしれない。そのような可能性が排除されうるかどうかは、実際にニュートン力学に基づいて計算をし、その計算結果(理論値)と実験結果が一致しているかどうかを確かめることで得られる。
目の前のボールが落下する。
これを「ニュートン力学が成立しているから落ちた」と表現するのは不正確である。そうではなく、実際に目の前のこのボールがニュートン力学の予言通りに落下したという事実をもって、「眼前のこのボールにもニュートン力学が成立している」ということが実験的に確かめられた、と表現すべきなのである。
既存の理論が成立しているかどうかさえ、究極的には現に目の前の事象を説明できているかどうかで確認され、確認のたびにその確からしさが高められていくという構造になっているのだ。
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