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SONY MDR-CD900STのDIY修理&MOD

私がDTMでモニター用に使用しているヘッドフォンは、かれこれ20年以上使用しているSONYのMDR-CD900STですが、今年のはじめ頃に故障したため、DIYで修理と合わせて改造をしましたので書いてみます。
改造は、アンブレラカンパニーさんの記事を参考にさせていただきました。

MDR-CD900STは、長年使用しているのでウレタンリングやイヤーパッドは数回交換していたのですが、今年の初めころいきなり右側から音がしなくなりました。

これは断線かな…とりあえずサブで使用していたShureのSRH840を一時的にメインに昇格させていました。

その後3か月くらい放置していましたが、さすがに、そろそろ修理しなければと思い立ち、重い腰をあげたのです。

通常ヘッドフォンの配線は
プラグ→ケーブル→左ドライバー→渡線→右ドライバー
となっているので、右から音が出ないということは、大体は左ドライバーから右ドライバーを繋ぐ渡線が断線していることがほとんどらしいです。

実際にテスターで配線のチェックをしましたが、ジャックから左ドライバーまでは断線しておらず、99パーセント渡線の断線と診断しました。

ところで、このSONY MDR-CD900STは原音に忠実と言われ、プロの現場でも録音時のモニターに使用しているようです。
そう、あの赤い帯が入ったヘッドフォンです。

ただ、このヘッドフォンは、録音時のモニター用としては優れているのでしょうが、MIX時のモニターヘッドホンになるかと言えば、????となります。

それは、低音や音の分離感、立体感が甘く、音楽的には私がサブで使っているShureのヘッドホンよりも感じられないのです。
これは、あくまでも私の個人的な感想であり、もしかしたら聴く人が聞いたらちゃんと聞こえる可能性があります。

そこで、一部マニアの間では、この欠点を解消するために、左右のシグナルを完全に分離する改造が図られています。

具体的には、オリジナルのジャックから左ドライバーまでのケーブルの3芯ケーブルを4芯ケーブルに替え、共用されているGNDを左右それぞれの線でとり、左右のシグナルを完全に分離する改造をすることでした。

それで、どうせ修理するためにバラすんだったら改造も一緒にやってやろう!となりました。

部品ですが、メインケーブルはこの改造の記事を書いているアンブレラカンパニーさんのサイトで販売している900QUATTRO
に、渡線は、オヤイデ電気さんのHPC-28-2U V2
をチョイスし、ついでにプラグもオヤイデ電気さんのステレオフォンプラグを注文しました。

さて、ケーブルとプラグが届いたので、さっそく修理に入ります。

左から渡り線、メインケーブル、プラグ

まずは、ヘッドホンからイヤーパッドをはずしてドライバー部分を露出させます。

左側のドライバー
右側のドライバー

次に古い配線を取り除き新しい配線にはんだ付けをしました。

渡線は、ヘッドバンドの中を通っており、右のドライバーから渡線を外し、その配線に新しい配線をはんだ付けして、左側からゆっくり古い渡線を引き出すとはんだ付けされた新しい渡線も出てくるという方法です。

無事、メインケーブル、渡線、プラグの配線が終了し、どれだけいい音に変わったかな~と意気揚々で音を聞くと、あれ????????…
ちゃんと配線したのに修理前と同じように右から音がでない…
テスターでチェックしても配線はちゃんと繋がっていました。

なぜだろう…もしかして…ドライバーか…
ということで、右ドライバーをテスターでチェックしたところ、予想どおりドライバーが死んでる( ;∀;)

しかたなく、故障している右ドライバーの配線を外したあと、直ぐに音家さんにドライバーを注文しました。

後日、ドライバーが届き確認すると最近のドライバーは配線箇所が変わっていました。
ちなみにドライバーは右左の区別はなく両用となってます。

左が古いドライバーで右が新しいドライバー

黄色い接着剤の横に色のついた端子がありますが、そこが+端子になっています。
見事に接着剤を中心に反対に配置されています。

ひと悶着ありましたが、右ドライバーの配線も無事終了し、イヤーパッドを取り付けサウンドチェックすると無事左右から音が出ました。

さて、肝心の音質ですが、噂通り、これが今まで聴いていたSONY MDR-CD900ST音?、と思うくらい、ワンランク上のヘッドフォンを聴いているようです。
低音もしっかりと出て、とにかく音の分離がすばらしいです。
奥行も感じられ、いままで聞こえなかった音が聞こえているように感じます。

こんなことなら、もっと早くやればよかったです。
とにかく素晴らしいモニターヘッドホンに生まれ変わりました。

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