第2回逆噴射小説大賞を前に懺悔する

 逆噴射小説大賞、始まっていますね。初日から、というより初日以前から精力的に800文字の熱いパルプ作品が発表されており、今年も10月は熱い月になりそうな予感が漂っています。

 で、私も良さそうなものを2、3思いついてはいるんですが、その前に自分の中で懺悔を済ませるべきことがある、ということでタイトル通りの記事です。
 一応自分の中ではこの場に書き出しておくことに意味があると感じていることではありますが、とはいえ内容は完全な内省でチラ裏内容なので、そのあたりご了承の上お付き合い頂くか、あるいはここらで戻っていただければ。


 で、この楽しい祭りを前にしてお前は何を懺悔するのかということですが、それはこれです。

 私の去年の逆噴射小説大賞参加作1作目にして、調子づいて連載化にチャレンジした作品。連載化した後7話まで行って、その投稿日は12/17で、そして7話の段階で話は全く終わっていない。いわゆるエターです。こいつにトドメを刺さないことには私は今年分に参加できません。

 思えば去年の12月あたりに苦しみながら6話とか7話を書き、そしていよいよ続きを書けなくなって以降、時間が経てば経つほどに、noteを見るだけでも「自分がこの作品の続きを書いていない」という事実を繰り返し突きつけられる感じがして息苦しくなるようなところがあり、小説とは無関係に遊んだ作品の感想とか雑記を書きたいと思っても、いや連載中の小説終わらせずに別の文章書くのはどうなんだよという引っかかりが生じ、結果としてもう根本的にnoteのエディタに向き合うのが気持ちの上でしんどい、みたいなメンタルに陥っていました。

 そういうわけでnoteに何も書かず半年を過ごし、時間の経過がある程度罪の意識を薄めてくれたところで、逆噴射小説大賞の2回目が始まるとの報。ここで明確にケリをつけておいて、その上で今年の大賞を楽しもう、と決心した次第。

 「そういうわけで未完で終わったこの作品をこの機にラストまで書いたので、ここに一気に投稿して気持ちよく今年の大賞に参加します!」と言えれば格好良かったんですが、残念ながらそんなテキストは手元に一切存在しません。つまるところ、この記事でもって、「『平成最後の強盗バトル』についてはもう続きは書かず、未完で終わらせる」と宣言します。あまりにも情けない宣言ですが、今の自分にはこうする以外ない。


 で、どうしてそうなったのか、ということです。これはひとえに私が「ナメていた」という一言に尽きる。長い文章を作る上で必要となる労力とそれに耐える精神力、計画性、設定の作り込み、文章力、その他諸々。そういったものの現在値を冷静に勘案することなく、「逆噴射小説大賞で結構頑張れたし、この勢いがあれば行けるだろ!」と熱に浮かされたまま全裸で地図も武器も持たずにメキシコに飛び出し、案の定息切れして死んだ

 思えばこれまで生きてきて、文章に限らず色々作ろうと試みたことは多々ありましたが、そのうち「完成」まで持ち込めたものの割合は数%にも満たない。
 根本的に私はそれなりの長さのものを作り切るという経験値が足りていなくて、そういう自分を客観視もせず「こんなの作れたら良いなあ」の段階で適当に手を動かして、完成させず公開もせずに力尽きて飽きる、というのをずっと繰り返している

 私が去年の逆噴射小説大賞でそれなりに頑張れた(というか3作も2次選考を通ったというのは、冷静に考えてかなりの大金星と言っても過言ではない)のは、今にして思えばまさにレギュレーションの「冒頭400文字」というところで、それはまさに自分がこれまで(表に出さずに)それなりに経験を積んできた分野だったから、創作経験が薄い中でも十分に戦うことが出来た、というだけのことだったんですよね。

 そういうわけで、今の自分に必要なのは、まず短く簡単なところから、とにかく完結させる経験を積むこと。これはまさに逆噴射センセイのプラクティス5-1の内容。そしてそこから「一定のボリュームの物を作るにあたって、何をどれだけ準備して、どれだけ消費する必要があるのか」を事前にちゃんと見積って、その見積もりを元にして無理ない範囲で好きなものを作れるようになれれば良いなあ、と思います。

 これまでさんざん未完作をローカルに作っては放置を繰り返してきましたが、どこにも出せない完成もしていない残骸が積み上がっていくのは自分でも虚しいし、完成させたい、出来ることなら公開してみたいという気持ちはやはりあるんですよね。それは去年の大賞に参加した時に、ツイートやコメントで反応がもらえたり、noteのスキがもらえる度に本当に嬉しい気持ちになったことで十分自覚させられた。

 そういう意味では「今回の逆噴射小説大賞は全部短く完結する作品の冒頭を作って全部実際に終わらせます!」とでも宣言できればやはり格好良いんですが、こういうようなことを義務として宣言すると、書く上でも変な気負いが生じそうだし、いざやらかした場合にまた罪の意識で年単位の暗黒期を過ごすことになりそうなのでやりません。そういう短い作品はそれはそれで別で作る……作りたい。


 なんとも煮え切らない、情けない結論での締めですが、ともかくこれが自分の現在位置だということで。色々悩みながら書いていたら平日なのに随分な時間になってしまいましたが、まあ大賞のスタート日というタイミングで色々とスッキリした気持ちになれたので、自分としては満足しています。

 そういうわけで、今年の逆噴射小説大賞も楽しみましょう。よろしくお願いします。

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