一日がかりでゴールデンカムイ読んだ(21/08/28)

今日あったこと

・ゴールデンカムイ読むか飯食うかしかしていなかった。

本文

・表題通り一日がかりで現行288話まで読みました。いやめちゃくちゃ面白い。無料公開中らしいという情報だけうっすら目にしてはいたんですが、まあ読んでみるかと手を出したら止まらなくなってしまった。

・実際に読むまでの間、どうしてもTwitterなどで受動喫煙するシーンがラッコ鍋はじめ「ちょけてる」感じのシーンばっかりだったので、どうしても作品の印象がそっちに引っ張られていたんですが、フルコース料理の一品だけを見ていたようなものだと気付かされた。
・謀略戦、格闘バトル、ロードムービー、歴史ドラマ、自然、文化、狂人ギャグ……と、ものすごく広汎な題材を載せられるだけ載せまくって、骨太なキャラクターとストーリーを推進力にしてぐんぐん加速する大型トラックみたいな漫画。

・ストーリーとキャラクターに関してはさすがこれだけ人気の作品だけはあるなという感じで、愛憎と運命が激しく交差し、敵味方関係や舞台が次々に入れ替わっていく大河ドラマ的な進行は間違いなく面白く、とにかく集中の切らせるタイミングがない。
・キャラクターも凄くいい味が出ていて、とにかく全員どこかしら狂った偏愛的な性質があって危ない魅力を放っているのが良い。尾形と谷垣が好み。

・何と言っても近世モノだというのが自分にすごく刺さったポイントで、「20世紀初頭の辺境」という題材設定を活かしたアイテムやイベントが次々登場するのが素晴らしかった。まさに「大量殺戮の完成」前夜!
・公式の煽り文でも書かれていますが、すごく西部劇のテイストがある。幕末~日露あたりと南北戦争~西部劇の時代って結構同時進行しているんですよね。
・現代の文明的・工業的で統制された世界と、未開拓で暴力と呪術が横行する世界が混ざり合う境界面的な時代・地域の怪しさと面白さがふんだんに匂い立っている。この時代の北海道なら超人バトル西部劇をやってもいいのか……という。
・また登場する銃や生物などの表現が非常に丁寧で真実味があるものなのが素晴らしい。アイヌ文化や北海道史などに関しては正誤や創作ポイントを判定できるほど詳しくないですが、相当な資料の読み込みの上で巧妙に物語へ落とし込まれている印象。

・お話のトーンコントロールが凄く上手で、要所要所で執拗に異様なギャグを入れて暗すぎず真面目すぎずのトーンに収めようとしているのが印象的。ちょっと進撃の巨人に近い感じもする。
・能力・人格ともに超人としか言いようがないぶっ飛んだ登場人物たちの存在がこのギャグっぽさのおかげで受け入れられている感じもするので、バランス感覚としてはまさに完璧。

・昔釣りキチ三平が数巻分だけ実家にあって、それがたまたまイトウや阿仁マタギの出てくるエピソードですごく印象に残っているんですが、向こうと色々オーバーラップする面があるのが個人的に感慨深い。村田銃を使うマタギというのはリスペクトなのか何か共通の資料や歴史的事実があるのか。
・確か逆シャアのラストに関して富野監督が「子供が生まれるのは必殺兵器」みたいなことを言っていたと思うんですが、とあるシーンはまさにそういう感じでよかった。なるほど必殺技だなと……

・今公開されている範囲はまさにクライマックスのクライマックスという感じで終わっているので、こうなると是が非でも続きが読みたくなってしまう。現行分以降の単行本出たら買いたいぐらいには思うので見事に宣伝戦略にやられたなというところ。
・とは言え無料公開で見ていなかったら先述の通りの誤解というか偏見に囚われっぱなしだったことは間違いないので、そういう意味では本当にありがたい取り組みでした。

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