次世代無線通信 5G 超低遅延通信の限界

docomoが2019年9月20日に5Gプレサービスを開始すると報道されましたね.元総理の声が強かったのか思ったより早いサービス展開です(プレだけど).ただし,5G対応のスマホはまだ発売されていないので,対応端末貸し出しての体験+映像系のデータ飛ばすのに使うようです.

掲題の超低遅延のお話ですが,5Gでは高信頼・低遅延通信(URLLC,Ultra-Reliable and Low Latency Communications)のユースケースを要件の一つとしています(ほかはeMBBとmMTC.こちらはまたの機会に。。。).

URLCCでは,以下の条件が求められています.
(1)32バイト以上のパケットデータ量の99.999%以上の送信成功率
(2)無線区間1ms(ミリ秒)以下の遅延

(2)の1msって爆速だと思いますよね?でも電波は電磁波の一種で光と同じ速度なので,本当に光速です.でも光速って遅いんですよ(この世界では最速かもしれないけど).

1秒間で地球7周半しかできないんですよ(はえーよ.ゴテンクスかよ).
1msで約300kmしか進まないんですよ(はえーよ.超サイヤ人かよ).
単純に無線区間で1ms以下の遅延に収めたいのなら(単一方向),約300kmの同心円状のエリアしか飛ばせないないんです(1つの基地局のセルラーカバレッジエリアはそんな広くないだろ!っていう突っ込みは勘弁してください).

さらにEnd-to-Endでみれば,この「無線区間の1ms」+「有線のバックホール」+「TCP/IP」+「アプリケーション」の遅延が増えるため,アプリによりますが思ったより遅延します(TCP/IPやめちまえよ.と思ったり).

したがって,超低遅延で「建機の遠隔操作が~」「人の遠隔手術が~」と声高に叫ぶのは誤解の恐れがあります.地球の裏側への遠隔操作で人の手術はキツイですよ.そもそも,東京ー北海道間でも東京ー沖縄間でも厳しいです(人を運んだ方が早い).

建機の場合は,多少の遅延は建機オペレータ(操縦者)の人間様が最適化してくれるから,結構上手くいくらしいです(手術に比べて応答速度の要求も少ないケースがあるため).

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