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【人怖話】他人にクレームを入れさせた者の末路

最近天からの指令で人怖話を書くようにというメッセージというかイメージのようなものを受け取っていたのだが、体調不良、表現方法で悩む、他にもやりたいことがあったために、noteに書くことが出来ないでいた。

だが、天はそんな私の心の中はお構いなしに催促をしてきた。


第1のウェーブ→駐車場でのお客さん同士のトラブルがあり、苦情の電話を受けた

第2のウェーブ→セルフレジにて支払いを済ませずに商品を持ち去ろうとした男性を発見、未払いであることを伝えるとぶつぶつ文句を言われた

第3のウェーブ→未精算で開封された商品が、従業員がなかなか見つけられない位置に放置されていた、外装フィルムが少し破けており、中身も少し痛んでいた

第4のウェーブ→割り込みを平気で行う年配の男性、順番があることを伝えるとキレられた

※問題を起こす人はもはやお客さんではない


第4のウェーブに飲まれた時点で指令を無視したことが原因だと気付いたのだが、その際に「人怖話を書かないからだ」というメッセージが頭に湧いてしまった。
おそらく、書かない限りは面倒な出来事に遭遇させられるであろう、だから気を取り直して書いてみることにする。
もちろん、現在の勤務先での話ではない。
10年以上前に勤めていたコンビニ勤務時代に遡る。


ここからはそのコンビニで働いていた時に遭遇したとんでもないクレーム話についてになる。

そのお店で働くことに慣れてきた頃だった。
他の従業員の様子がおかしいのだが、誰も私に何も言ってこない。
どうしたものかと思って、一番会話するKさん(年配の男性バイト)にそれとなく聞いてみたのだが、おしゃべりなKさんですら言葉を濁す。

何とも言い難い嫌な雰囲気が漂うお店で働くのはとても辛かったのだが、その流れを変えてくれたのがマネージャーだった。

ある日、マネージャーとKさんがこそこそと噂話をしており、私がその場に出勤する形となった。
その際に会話の一部分が聞こえてしまったことで、何が起きたのか少しだけではあるが把握出来た。

何日か前に私へのクレームの電話がかかってきたのだ。
電話を取った従業員は作業中の店長にクレーム内容を伝えたのだが、店長はすぐに「これはおかしい」と気付いたという。

では、何がおかしかったのか。
クレームの内容である。

従業員の間でしか知らない従業員同士のトラブルについて、なぜお客さんからクレームが入ったのか。
そもそも、従業員同士のトラブルなんてお客さんにとっては無関係である。
もし、バックルームの会話が聞こえたとしても、それがどの従業員のことなのか分からないはずだが。

クレームの内容があまりにも詳細まで語られたことだったので、店長はお店の内情を外に漏らす者が居たことに気付いたのだ。
犯人はすぐに発覚した。

私のことを毛嫌いしていた先輩バイトだった。

どうやら、先輩バイトは知り合いを使って私宛へのクレームを入れさせたようだった。
だが、先輩バイトに頼まれた人物が詳細を語りすぎたことが失敗に繋がったのである。

先輩バイトは他の従業員に対して「みんな知ってるし、私の友達だって知ってる」みたいに私への不満を口にしていたようだが、クレームの内容というのが「掃除に時間がかかりすぎ」というものだった。

先輩バイトはかつて私にバックルームにあるフィルター掃除を命じたのだが、時間がかかりすぎということでガミガミ怒られてしまった。
そんなクレームを店外の人から入れられれば、誰が聞いてもおかしいとなる。
ましてや、掃除に時間がかかったことくらいでお客さんに迷惑がかかるのだろうか?
店内での作業ならまだ分かるが、お客さんが立ち入らない裏での作業だった。

・・・これ、お客さんがクレーム入れたくなる要素が見当たらないんだけど。

掃除に時間がかかったことを知っているのは従業員だけ。
店長やマネージャーは「多少時間かかってもいいから、丁寧にやってね」と言っていたので、時間がかかったことは問題ではない。

だが、先輩バイトは私が店長やマネージャーにフォローされていることが気に入らない様子だった。
そこで、クレームが入れば印象が悪くなると考えたのだろう。

クレームを入れてもらい「ざまあみろ」と思ったのも束の間の話だった。
クレーム作戦が失敗したどころか、お店の内情を外に漏らしたという失態までやらかしたのだ。

先輩バイトも愚かだが、クレームを入れた人物も愚かである。
クレームを入れるならば、もっと疑いを持たれないようにするべきだったのに、すぐに出所がバレるような話を得意げに電話したことは浅はかとしか言いようがない。

こういうことを1度でもやってしまえば、信用というものはなくなる。
先輩バイトは影で「さもしいおばさん」と罵られるようになった。
どう考えても自業自得であり、他のバイトから馬鹿にされても仕方ないことである。
これを機に反省すればよかったものの、反省どころか私への不満を他の従業員に毎日のように言いふらすことで、さらに信頼は失われていくことになった。

それから1年ほど経ち、コンビニが閉店することになった。
私は「やっと解放される」と意気揚々で新しい勤め先を見つけてそこに移動したのだが、先輩バイトの悪行は近場のコンビニの従業員の間でも噂になってしまったことで、次の働き先を探すのに苦労したようだが、マネージャーに頼み込んで何とか見つけたらしい。
とはいえど、新しい場所では肩身の狭い思いをしているそうだ。

自分で蒔いた種は自分で刈り取らねばならない。
妬みから足を引っ張るようなことをするから、それ相応の結果になったわけだし。

こういう噂話というのは尾ひれがつくものであり、その人がやらかした以上の悪い話が追加されていくこともある。
どこまで膨れ上がったのかは知らないが、以前〇〇にあった△△ってお店の××って名前の店員がバイト仲間をいじめたという話は隣の市のコンビニにまで広まったのは言うまでもない。

もちろん、私は家族以外には誰にも話していない。
他の従業員がうっかり喋った可能性はありそうだが、特にKさん。
あの人は噂話が大好きだし、何よりも複数のコンビニを掛け持ちして働いていた人だったから、行く先々で喋っていたのだろう。
もう存在しないお店の話なのだから、おもしろおかしく時には大げさに・・・。


◆関連のある話その1◆

※生霊を飛ばしてきた相手が先輩バイト


◆関連のある話その2◆

※後に窮地に陥った人物が先輩バイト


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