虚無感に駆られる日々 第七章〜第八章

第七章  気まずさの解消は唐突に

授業も本格的に始まり 時は少し流れて5月下旬頃
私は学校を終えて、いつもの電車に乗り込んだ。

 席に座り、ボーッとしていると 横から誰かが話しかけてきた。

「久しぶり〜」 顔を見上げると 喋りかけてきたのは温厚さんだった。 

私は3月の春休み以降 彼女に対して気まずさを感じていたので リアクションに困り 思わず狼狽える
「えっぁあっぁぁ……うん 久しぶり」
しかしながら向こうは何も気にしてない様子

私は すぐさま 春休みに迷惑をかけたことを謝罪する
「あの……春休みは情緒不安定になり、多大な迷惑をかけて申し訳ありませんでした」

温厚さんは 笑顔で返す「いいよいいよ もう気にしてないから(笑) 正直あの時は 『死にたい』みたいなこと言い出すから 反応に困っちゃってね…… 私も器用じゃないから 放置しちゃってごめん 」

私は 彼女の笑顔に救われる「えっ……許してくれるのか……ありがとう」

温厚さんはキョトンとする 「許すとか許さないじゃなくて、気にしないって話だよ〜 まぁもうこの話はこれでいいんじゃないかな」

私は 「ありがとう…ありがとう…」と何度も呟き  

温厚さんはそれに 半ば呆れながら こう続けた。「それより、最近どう?高校は?」
そしてお互いに 近況報告をしながら雑談を続けた。


その会話は前の春休みとは違い、お互い楽しく話せていたと確信できるものだった。
私は電車の揺れに身を任せながら、私は改めて温厚さんの存在と人格に感謝し、前向きになったかもと思い始めた。

第八章 笑顔に癒されて

次の日になった。

私は嬉しそうに下駄箱で靴を履き替えていると、突然後ろから声がかかった。「昨日、温厚ちゃんに会ったみたいだね〜(笑)」

声をかけてきたのは愛嬌さんだった。

私は驚いて、「えっ、本人から聞いたの?」
と返す。

愛嬌さんは笑いながら、「うん、なんかすごいよそよそしい感じだった〜って聞いて笑っちゃった。何かあったの?」と尋ねてきた。

私はその質問にドキッとしつつ「そりゃまぁ、春休みに色々あったからね…。私も遠慮してるよ 女性って怖いし、裏があるかもしれないし…」と答えた。

愛嬌さんは朗らかな表情で、「えー、気にし過ぎだよ少なくとも愛嬌、美人、温厚、この三人は大丈夫(笑) 裏の顔を使い分けるなんて器用なこと、できないからwww」と言った。

私も素直に頷く「たしかに、三人とも優しいからな」

愛嬌さんは自信満々に続ける
「だから気にしなくて大丈夫!あ、でも 私は優しいんじゃなくて、嘘をつくのが下手なだけ(笑)」

私は即座に、「いや、優しいよ。君のおかげでこうやって気持ちが楽になれたし」と返した。

それに対して愛嬌さんは「私は何もしてないよ。でも、役に立てたなら良かったかな〜(笑)。私でよければいつでも話してよ(笑)」と言った。

その発言を聞いて、私は改めて彼女の素直で可愛らしい笑顔が素敵だと感じ「ありがとう。君と話すだけで癒されるよ」と思わず口走ってしまい、恥ずかしくなったが、愛嬌さんは気にせず、「ありがとう〜」と返してくれた。そのままお互いに最寄り駅に着くまで帰宅した。

この記事の時点での時系列 高校1年 春 絶縁してから約1ヶ月〜2ヶ月


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