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脳内麻薬を出そうと奮闘した話【瞑想編】

健全な大学院生活を送るのに必要なもの…そう、快楽ですね!とはいえ快楽を得るのも中々容易ではありません。というのも快楽を感じるには、一般に下記のようなプロセスを経る必要があります。  

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そうじゃないんです…僕がやりたいのは  

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これがやりたいんです!

脳の権限を解除して最高の快楽を直接貪る…そう、sudo 快楽 したいのです!sudo 快楽を目指して色々試してみました!

先行研究の紹介

まず真っ先に思い浮かぶのは薬物ですね!とはいえこれは違法だったり、入手困難だったり、廃人になったりしそうなので中々手が出せません。

一般的なところを述べると「ランナーズハイ」なんかはイメージが近い気がします。しかし莫大な時間と体力を消耗するこのアプローチは、大学院生にはちょっと手が出しづらい…。そもそも脳内麻薬が出るまで何十キロも走り続たら理系院生はの7割は死んでしまいます(3割は研究室に配属されてから妙に鍛え始める層)。

色々調べた結果、以下の3つが僕には合ってるように思えました。
・瞑想
・サウナ
・催眠
どれも何とも言えない不穏さが滲み出てます。。。しかし研究室を去る時、皆に「楽しい方へ一歩を踏み出す勇気を!」等とのたまった手前、引き返すわけにはいきません。「最悪死んでもいっか」の精神で、まずは瞑想に挑戦しました!

過去の瞑想歴

そもそも瞑想については高校生の頃から興味がありました。とあるサイトで、「ヴィッパサナー瞑想」という歩きながらでもできる瞑想が紹介されており、試してみたら異様に心が穏やかになり、動作がゆっくりになったのは今でも不思議な思い出です。

閑話休題、大学に入ってからも座禅部で体験入部したりしてたのですが、座禅会の時刻が朝7:30であり、あまりの早起きに耐えかねて結局行かなくなってしまいました。また、そもそもさっぱり成功しないため、いつの日か情熱を失ってしまったのです。

一方の博士課程では
・ラボの一部で瞑想が流行った
・座禅部に所属している後輩がいて、アドバイスを仰げた
意味不明な幸運に恵まれ、再度瞑想に手を出すに至ったのでした。

何故かラボの一部で瞑想が流行る

話は2年ほど遡ります。彼女がいない人達を集めた「ジェンダー研究会」なるグループが研究室で発足し、出会い系を始める等の動きがありました。その中で「モテるためには落ち着いた精神が必要 → 瞑想をすれば良い!」という謎の論理で,ラボで瞑想をし始める民が現れたのです。

その際、バイブルとなったのはこの本です。「Googleの人が言うのだから間違いない」と祭り上げられたのですが、Google Japanに勤める友人には「そんな話は全く知らない」と一蹴されてしまいました。

さて瞑想のやり方ですが、とっても簡単です。

1. 足を組んで座り、半目になる
2. 呼吸を数える
3. 浮かんできた雑念を観察しながら心を無にする
4. 最高になる

(詳しくは前述の本かこの辺を読むと良いでしょう)

これを毎日30分続けるだけで脳からは快楽が迸り何事にも動じないメンタルが手に入り彼女までできるというのだから笑いが止まりません。僕達は飛びつきました。

後輩に話を聞く

が、ダメっ…!

とりあえずやってみよう!の精神で坐ること3ヶ月、一向にキマる気配はありません。余談ですが一緒に瞑想を始めた仲間達は一瞬で飽きて瞑想をやめてしまいました♨️

そもそも座って呼吸を数えてるだけで快楽が出てくるとか意味が分かりません。例えば友人に「呼吸をするだけで最高に気持ち良くなれるし、彼女もできるんだぜ!?一緒にやらない?」と言われたら、そっと縁を切りますよね。それと彼女が欲しいならマッチングアプリとかやればいいんじゃないかな…?

こんなのに騙されるから「東大生は勉強しかできない」とか言われるんだ…やはり受験勉強なんて無意味だった…と泣きながらこの国の杜撰な教育制度を呪っていた時、後輩が座禅部に所属していたことをふと思い出しました。

経緯を話した所、ひとまず「座禅をやろうというのに煩悩がすごいですね(意訳)」と言われました。めげずに「なぜお前は座禅なんてつまらないことを続けてるんだ」「お前は騙されている」と問い詰めた所、「あぁ、脳内麻薬が出て気持ちいいからですよ」とのこと。その日、僕は瞑想を再開することに決めました


ストレスのあまりアメリカで瞑想し続ける

後輩からアドバイスを受けた頃、僕はアメリカでのインターンを控えており、結構なストレスがかかっていました。メンタル安定の意味も込めて、この時期から瞑想の記録を取る様になりました。こんな感じですね。

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11月頃から大体毎日30分くらいは取り組むようにしていたのですが、ズボラな性格をしているせいか結構データに抜けがありますね…。

sudo 快楽へ

孤独に耐えるため、アメリカに渡ってからも座禅は続けていました。研究所には、火星を模したローバーの実験用の庭があり、お昼はそこで座禅を組む習慣がつきました。ハタからみると火星で毎日座禅を組むやべぇアジア人ですが、まぁ気にしない♨️

気持ち良くもないのに3ヶ月も座禅を続けられるのは狂っている」と、件の後輩に逆に煽られながらも続けること更に1ヶ月、段々と無でいられる時間が増えてきました。  

1/19-22の4連休を活かし、毎日60分近く瞑想を続けていたところ、ついにその瞬間は訪れました。

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1月22日、僕は90分間微動だにせず坐り続けていました。すごく気持ちがいい… 。この時感じた快楽を記述するのはなかなか難しいのですが,「異様に心が穏やかになりストレスが消え,外界からの刺激に驚くほど動じなくなる」という性質のものでした。

心を液体に例えると、普段は外界の刺激やストレスで簡単に波打つ僕の心が、片栗粉でも入れたように穏やかで動じなくなる感じです。とにかく穏やかで、ストレスから解き放たれた時間が流れました。

その後

それ以降も瞑想は続けていたのですが、あの感覚ほどキマれることは終ぞなく、快楽の感覚も日を追うごとに消えていきました…どうして…。また、キマれるにしても100回に1回という打率が悲しくて、瞑想はいつの日かやらなくなってしまったのでした♨️

sudo 快楽への期待はサウナへと移っていきます。

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