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自然派的にお金を管理してみる

このところのグローバルな社会経済問題は、新年明けてからも引き続き落ち着かない様子が続いていますね。

オーストラリアは、ワクチンの接種こそはまだ開始されていないものの、国内コロナ感染に関しては、政府の対策は功を成している様子で、今週に入って集合できる人数など、いくつかの規制は緩和されました。

今年は一般へのワクチン接種と経済回復の兆しが、相関性を持ちながら一緒に上昇してゆくような気がいたします。

日本の様子も気にしつつ、今回は自分なりの自然派的なお金の在り方についてちょっと書いてみました。

小さくでるか、大きくでるか

去年5月から開始した、わたしの自然派暮らしですが、引っ越しを目前に控えて、家探しとともに、これからの支出にも頭を悩ませています。

脱プラスチックの工夫や生活ゴミの縮小化と堆肥作り、オーガニックガーデニング、アップサイクルやリユースの実践などは、比較的にかける金額も少なくてできる、いわば小さく始められる自然派暮らしです。

カーボンフットプリントを大きく変えることはできないかもしれないけれど、着実に日々の暮らしに根付く小さな変化の積み重ねは、時間とともに自分にもコミュニティーにも影響が見えてくるはず。

これに対し、大きくでる自然派暮らしは、変化を起こすのにある程度元手が必要になります。

例えば、ソーラーパネルを設置して自家発電と蓄電もして余ったら電力会社に売るとか、レインウォータータンクと浄水設備の設置する、電気自動車を購入するなどは、ある程度のファイナンシャルプランがないと達成しにくい(すでにお金持ちなら別ですよ)。

それ以前に自分の家と土地がないと、こういう出方はできません。

でも、変化のボリュームも大きいので、カーボンフットプリントはかなり縮まるのは確か。

なんとか今年は、自然派として大きくでたいところなのですが。。。。

オーストラリアの年金システム

日本のように終身雇用の観念がなく、正規雇用よりも契約や自営業・個人事業主が圧倒的に多いオーストラリア。

自分も含め、みんなその日暮らしで生きているように見えてしまいます。

実際そういう人もいっぱいいるみたいで、いざリタイヤをする段階になって貯金が一銭もなく年金だけが頼り、という人口が増えないように、現在のオーストラリアの年金システムは2本立てになっています。

ひとつは日本と同じ通常の老齢年金で、政府が一定額を一定の年齢に達したら国民全員に国の財源から給付するものです(雀の涙なのも日本と同じです)。

もうひとつはスーパーアニュエーションといってオーストラリア独自の確定拠出年金制度です。

サクッというと、給料の一部を自分専用の年金として投資信託口座に積み立てて、資金を長期運用するシステムです。

基本的に年金なので、給与天引きされた後は一定の年齢になるまで原則的に口座からの引き落としはできません。

雇用主が給与の9.5%を上乗せした額を天引きしてよけておいて、四半期ごとにまとめて各自のスーパーアニュエーション口座へ振り込みするので、ドルコスト平均法での積み立てと同じと考えるとわかりやすいですね。

年金受給の年齢になるまで、現金にタッチはできないものの、どのように資金を運用するかポートフォリオは自分で決めることができますし、面倒だったらファンドマネジャーに丸投げもできます。

コロナ規制でいちばん打撃を受けている飲食と観光セクターは、自営業者の多いセクターで、申請して受理されれば自分のスーパーアニュエーション口座から早期引き落としができる特別処置がとられました。

この政策がいいかどうかはともかく、この資金で急場を凌げた人も多くいたと思うので、エマージェンシーファンドとしての役割はあるといえます。

オーストラリアの二本立ての年金システムは、その日暮らしのオーストラリア人には給与天引きはあっているシステムだし、個人的にすごく良くできているなと思います。

さて、回り回って、自然派としての投資は

自分のポートフォリオは、持続可能で健康な社会経済の発展に貢献する(であろう)事業にのみ投資するよう設定してあります。

例えば、自分が知らない間に、何に使われるか分からない特殊ミネラルの採掘事業に投資して、後で武器の生産に使われていたとか分かったら、倫理性という部分でそれってどうなの?って感じてしまうと思うんです。

さらに、そのミネラル処理に、化石火力燃料が湯水のようにジャンジャン使われていたりしたら、自然派もなにもなくなってしまいそうです。

それでいいという人はいいと思うけど、自分的にはいろんな立場の人たちがすごく助かったり、教育が受けられたり、人間的な気持ちになれたり、基本的な生存が保証されたりする事業に自分のお金は役立って欲しい。

自分にとっての健康なお金、お金の健康って重要な気がするのです。

そういうわけで、個人のポートフォリオにだけでなく会社全体として、環境・人権・社会・ガバナンスの問題への配慮を投資決定に明示し、責任のある投資と運用をすることを明言しているスーパーアニュエーション会社を選びました。

生態系への不配慮、不公正取引、奴隷労働や悪辣な労働環境などに引っかかりそうな事業にうっかり投資しないよう、自然派としては今後も目を光らせておきたいところです。

健康もお金もケアがいる

今やオーストラリアもゼロ金利政策に入り、銀行にお金を預ける意味も(ほぼ)無くなりました。

老後の預貯金ならスーパーアニュエーションの資金を運用した方が、長期での利回りも良いだけでなく税の優遇処置もあるので、リスクゼロではないにせよ、ほぼ確実に増えます。

お恥ずかしながら、私の前の配偶者は会計士で、別れるまで確定申告も家計もほぼ彼に丸投げして生きてきました。

が、今頃になってそれは大間違いだったと実感しています。

もっと習ってお金のリテラシーをあげておけば良かったなーと。

自分の健康だって、他人に丸投げして得られることなど決してない。

お金の健康も同じで、すべては自分の責任のもとにケアされるべきものなんですよね。

健やかな自然派暮らしを今後も継続してゆくために、自分の健康もさることながら、健康なお金の回し方も初心者として、今後ますます学んでゆかねばならないなあと、今年は頑張って勉強しようと思っています。

文: 前田アンヌ

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