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クロノニュートリション:体内時計に合わせた食事法で身体を整える

朝ごはんは必要?食事のタイミングと体内リズムの関係

「朝ごはんを食べたほうがいいかどうか」といった議論は、よく耳にします。でも、私たちの体は個々に異なるため、必ずしも「こうするべき」とは言い切れないことが多いんですよね。

ただ、最近の研究で、食事のタイミングが体内時計に大きく影響することが明らかになってきました。

食事のタイミングを体内リズムに合わせることで、代謝が促進され、血糖値が安定し、炎症が抑えられ、消化機能も改善される――その結果、さまざまな疾患を予防し、充実した健康を保つことが期待できるのです。

今回は読むのに5分ちょっとかかります。

クロノニュートリションとは?

「クロノニュートリション」という言葉を聞いたことがありますか?

これは、食事のタイミングと体内時計(サーカディアンリズム)の関係に注目した新しい研究分野です。

私たちの体は、24時間周期のリズムに従って、睡眠や覚醒、ホルモン分泌、代謝などが調整されています。

クロノニュートリションは、この体内時計に合わせて食事をとることで、健康をより良く維持しようとする考え方です。

例えば、夜遅くに食事をとると、体内時計が乱れてしまい、肥満や糖尿病、心血管疾患のリスクが高まるとされています。逆に、朝食をきちんととることで、体内リズムが整い、代謝が活発になるというわけです。

職業的に不規則になりやすい人は特に、体調管理に気を遣いますよね

クロノニュートリションはどんな人におすすめなの?

クロノニュートリションは、特に以下のような方々におすすめです。

1. 生活リズムが不規則になりやすい

2. ストレスを感じやすい

3. 消化不良や胃腸の不調を抱えている

4. 体重管理が難しい

5. 睡眠の質に問題がある

6. メタボかメタボ気味である

夜食のリスク

食事のタイミングがどのように体に影響を与えるのか、もう少し具体的に見ていきましょう。

夜遅くに食べることは、体にとって良くない影響があるとされています。特に、夜間はインスリン感受性が低下し、血糖値が上がりやすくなるため、夜遅くの食事が肥満や糖尿病のリスクを高める可能性があるのです。

また、夜遅くの食事は睡眠の質を低下させ、翌日のパフォーマンスにも悪影響を及ぼすことが報告されています。

また、夜遅くに食事をすると、胃での消化が開始してしまうため、身体は睡眠モードになりにくくなります。睡眠中、胃での消化が継続されると、翌日は胃もたれだけでなく、肌のたるみやむくみ等見た目にもお疲れ感がでることも。

実はデザートは単体で食べるより食後に食べたほうが血糖値的にはインパクトが少なかったりします

食事は体内時計をリセットする

一方、朝食は「体内時計をリセットするスイッチ」と言われています。朝食をとることで、体が「一日が始まった」と認識し、代謝が活発になります。また、朝食を抜くと、昼食や夕食で過食しがちになり、これが体内リズムを乱す原因になることもあります。

ただ、朝食を食べた方がいいかはどうかは個々の体質やライフスタイルによって異なります。ポイントは、このような身体の反応を上手に利用すれば、個人に最適な食事法を進めることができるということです。

インターミッテントファスティングと体内リズム

最近注目されている食事法の一つに、インターミッテントファスティング(断続的断食)があります。これは、一定の時間だけ食事をとり、それ以外の時間は断食するという方法です。

例えば、「16:8ファスティング」では、16時間断食し、8時間の間に食事をとります。また、「5:2ダイエット」と呼ばれる方法では、週に2日だけカロリー摂取を大幅に制限します。

インターミッテントファスティングが注目される理由の一つは、体内時計に与える影響です。断食時間中、体はエネルギーを節約し、細胞の修復を行います。これは「オートファジー」と呼ばれるプロセスで、老化や病気の予防に役立つとされています。

また、断食によってインスリン感受性が向上し、血糖値の安定化が期待できます。これにより、体内時計が整い、全体的な健康が改善される可能性が高まるのです。

インターミッテントファスティングは、特に消化器系が疲れていると感じる方にもおすすめです。

ファスティング成功のカギは3つ、①食べない時間との向き合い方、②自分の目標をしっかり理解し受け入れること、③食事以外での自律神経のマネジメント、です。

誰かと楽しくゆっくり食べるのも大事ですよね

ナチュロパシー的アプローチで自分に合った食事法を見つけるポイント4つ

ナチュロパシーでは、個々の体質や生活スタイルに合わせて食事法を調整しますが、その時のポイントを4つご紹介します。

まずは、自分の体内リズムを知ることが大切です。
おすすめなのは、食行動日記をつけることです。
ノートでもアプリでもOK。

まずは2週間、何を食べたか、どんな体調だったかを記録してみてください。

消化器系と自律神経系は相互に連動して機能するので、日記をつけることで関連が見えてくるでしょう。その時、以下4つのポイントを押さえて記録してみて下さい。

①自分の体内リズムを知る:

朝型か夜型か、自分の体内リズムを観察しましょう。朝型の方は、朝食をしっかりとることで一日を活発に過ごせますが、夜型の方は、朝食を軽めにして、昼食や夕食に重点を置くと良いでしょう。また、運動をしている方は、そのタイミングや量も一緒に記録すると、さらに効果的です。

②食事と体調の記録をつける:

何を、いつ、どれくらい食べたか、そしてその後の体調や気分を記録することで、自分に合った食事のタイミングや内容が見えてきます。その日の天気や体調、腸からの排出の量・色・匂い、疲労感、頭痛やむくみ、カフェイン、肌のトラブルなども一緒に記録すると、より的確な調整ができます。

③食材の質にこだわる:

体内時計に悪影響を与える可能性のある添加物や化学物質を避けるためにも、全粒穀物や地元の新鮮な食材を選びましょう。食事は、私たちと自然を結びつける大切な接点です。生き物を食すことで得るエネルギーをしっかり感じ取ることができると、自分の体内リズムも戻りやすくなります。外食や加工食品はわかるように印をつけるといいですね。

④柔軟に試行錯誤する:

体内リズムや食事のニーズは、年齢や生活環境、体調によって変わります。ですから、一度決めた食事法に固執せず、定期的に見直して柔軟に調整することが大切です。また、食行動日記をつけていると、最初の1週間で不調の原因がわかって嫌になることもあると思いますが、食行動を改善してからの体調変化を感じることができるまで諦めずやってみて!

身体の声を正確に聞くために

いかがでしたか?

クロノニュートリションという新しい視点を取り入れることで、食事が単なる栄養補給にとどまらず、体内リズムを整える大切な要素であることが見えてきたのではないでしょうか。

身体の声に耳を傾けることは、時にトリッキーです。なぜなら、身体の声のように聞こえるものが、実は感情のバイアスによって歪められていることが少なくないからです。

だからこそ、食べ方を意識的に変えることで、身体の代謝を物理的に変え機能させるクロノニュートリションは、面白いアプローチだと思うんです。

食べ物が美味しい季節になりつつあります。

お互い身体をしっかりサポートしながら、美味しいものを思う存分楽しみましょう!

このnoteでは、どなたにも日々役立てていただける食と健康に関する情報を提供していますが、医療専門家のアドバイスに代わるものではないことをご確認ください。効果や結果は個人差があるため、特定の健康問題については医師や専門家にご相談ください。情報は最新を心がけていますが、変更される場合もありますので、自己責任でご利用ください。

また、私のブログ記事を参考にしていただく際は、ぜひ出典を明記していただき、内容はそのまま正確にご使用ください。転載や複製をご希望の場合はご一報ください。どうぞよろしくお願いします。

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