自分を壊してみたら
自分の素の部分を出す、というのが、昔からとても苦手です。いつでもどこでも、お姉さんであったり、サポートする人であったり、何かしらの役割を演じて冷静で客観的な私がいます。
それは、もしかしたら、長い間そうでなければいけない環境にいたからかも知れません。そして、私にとってはそれが普通で、それに慣れているのでしょう。
そして、私の周りにいる人達も、それが私の素だと思っていたはずです。
私でさえ、それが自分だと思っていたぐらいですから。
けれども、あるとき、そのことに疲れているのだと気付いてしまいました。
では、だとしたら、私はどんな人間?
それが分からなくなり、頭の中に浮かんだことをすべてノート(紙)に書き出すことを始めました。
誰にも見せないノートであるにも関わらず、はじめは差し障りのない事しか書けませんでした。
それを敢えて振り切るように、自分の嫌な部分をどんどん書き綴っていきました。もしかしたら、本心では思っていなかったことすら、頭で考えて書いていたかも知れません。
そうやって私は自分を壊してみたのです。
自分を知るために。
壊した後、何が残るのだろう、と思いながら。
それは秘密のノートでした。
でも、私の知らないところで、たくさんの人達がそれを見ていた。
厳重に管理していたはずなのに、筒抜けだったようです。
私は、自分を壊して再生するつもりが、私の周りすらも壊していたようでした。
みんな、びっくりしたことでしょう。
私も、ものすごくびっくりしました。
そして、たくさんのものを壊した今、私の中に残っているのは、
それでもやっぱり私は
人が好きなのだろう
ということ。
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