見出し画像

2024年3月6日

2024/03/06 07:09

中学、高校と自転車通学だった。
ある冬の日の帰り道での話。
部活動が終わり数人で住宅街を自転車に乗って帰っている。
暗い住宅街に頼りない街灯がポツポツと、一緒に帰っている友人との
会話もそれにつられてポツポツと。
背後から車のクラクションが鳴った。
狭い住宅街の道路を我々自転車一行が塞いでいて通行の妨げになっていたようだ。
蜘蛛の子を散らすように急いで各々が端による。
悪いことをしたな、なんて思ったが同時にもう一つ思うことがあった。

今の車、音がしなかった。

ハイブリッドカーはエンジンとバッテリーを併用して動く。バッテリーのみで走る時は殆ど音がしない、つまり静かだ。
車と言えばエンジンが動きマフラーから排気が出る音がするのが普通でそれなりに音が出る物だから当時それは画期的だった。
が、いいことばかりでは無いのが世の常。
静かすぎて通行人が車の接近に気がつかないことがある。今回のこの場合のように。

そこで取られた対策として、バッテリーのみで走る時は独特な未来的な音を車の周囲に出すこと。
「フワァーン」とか、「フォーン」とか、文字にするのは難しいがあの音だ。

この音も、どうやら進化しているらしい。
昨日の夕方、私の車の隣に最新型のハイブリッドカーが停車していた。
動き出す際の未来的な音が、まるでオーケストラのチューニングみたいな美しい音だった。
これは目をつむっていたら車が動き出す際の音だとは気がつかないかもしれない。

クラクションを鳴らされたあの頃から約14年。ここまで進化したのか、未来的な音。
次の未来ではどんな音になっているのか。
そもそも、車はもう地面を走っていないかもしれないが。

2024/03/06 07:24

今日はこれでおしまい。これから朝ご飯。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?