見出し画像

Wilco@Beacon Theatre

これから始まる仕事の繁忙期を前にして、モチベーションも下降気味。

やらなければいけない事もあるけれど、なかなか手につかず。

こういう時は、やる気が出るまで、他にやりたい事をやるしかない。

という事で、ウィルコのツアー、ニューヨークでの3日間の公演の初日に行って来た。

相変わらずかわいいデザイン。
公演ごとにポスターが制作され、グッズとしても販売される。

この日の会場はマンハッタンのアッパーウエストサイドにあるBeacon Theatre。

夏のニューヨークは、夜の8時前でも、まだ明るい。子供も大人も、1年で最も過ごしやすいこの短い季節を楽しむ。

1929年から、経営権も形態も変わりながらも存続する歴史のあるべニュー。
中央のシャンデリアや、壁に装飾される中東風のデザインが美しい素敵なAuditorium。
ここでは、Roling StonesやGrateful Dead、Miles DavisやBob Dylanなども演奏して来た。


元々が劇場で、今でもトニー賞の授賞式にも使われる会場だけあって、客席からステージを見下ろすような構造。


2023年秋に発売されたアルバムCousinからのビデオ。

ジェフの歌声。
Uncle Tupeloの頃の野生味溢れるヴォーカルも好きだけど、近年はジェフ・トゥイーディーとしてのソロでもしかり、穏やかで包み込まれるような低音から、高音パートの繊細で柔らかい部分も表現されているように感じる。

この日の個人的ハイライトは、The Late Grates。

この曲が収録されるアルバム、A Ghost is Bornのリリースからちょうど20年。アルバムはBest Alternative Music Albumとしてグラミーを授賞している。

20年前から、これだけのメンバーが変わらず、活動を続けている事に改めて驚く。


Wilcoの音楽の魅力を一言で表現するのはとても難しい。
根っこはポップ。批判性や実験性もあるから、歪でとても危ういのだけど、真っ直ぐでシンプルでとても力強い。になるのか。
(自分でも、ちょっと何言ってるか分からないですね)

音楽は、決して難解である必要は無いと思っている。
けれども、たぶん寄り道をした分だけ、何層にも込められている味が分かることがある。
自分もまだまだその道の途上だけど、そういう瞬間があると、とても豊かな気持ちになれる。

大人になれば、仕事もプライベートでのライフイベントもある。それでも簡単には離れないスティッキネス(粘着性)の高いファンがいる、と人種も年齢も異なる観客と演奏を楽しみながらふと思った。

分かる人には分かる。
見てくれる人はきっとどこかにいる。

それは、決して傲慢な思い込みではなくて、自分が出来る事にフォーカスした結果の潔さなのかなと思う。自分への戒めとしても。

そんな事を思いながら、当日演奏されたThe Late Gratesの歌詞を聴いていた。

The greatest lost track of all time
The Late Greats' "Turpentine"
You can't hear it on the radio
You can't hear it anywhere you go

The best band will never get signed
K-Settes starring Butcher's Blind
Are so good, you won't ever know
They never even played a show
You can't hear 'em on the radio

The greatest singer in rock and roll
Would have to be Romeo
His vocal chords are made of gold
He just looks a little too old

The best song will never get sung
The best life never leaves your lungs
So good, you won't ever know
I never hear it on the radio
Can't hear it on the radio


最高の曲は必ずしもラジオからは流れない。

これからも足で稼いで、汗をかいて、自分なりの道を楽しみたいですね。


マーチャンダイズでは水色のTシャツを購入。
これらは全て再利用された綿を使用とのこと。
この夏、ヘビーユースしていく。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?