18時のモーニング・コール
深い緑の杉か、あれは。今日は風が強いからあのせせらぎのような音はきっと目の前の湖からではないのだろう。開けきった目の前に浮かぶ雲の端がまるでヒマラヤの山脈がそびえ立つようで僕は躁になってきた。シルク・ロードを歩く旅人がいた古代が本当に存在しただなんて信じられそうにもなかった。平安貴族がいたことも、バビロニアが栄えたことも、ナチス・ドイツがあったことも、何も信じられない。本を読みたい、自分を読むのはもう疲れた。家の中にいても外にいても結局自分とは離れられない。たまには誰かと遊ん