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好きな天皇賞春④~2017年キタサンブラック大レコードとダイヤの翳り~

はじめに

もう春天前日だ。
俺は運よく京都競馬場に現地観戦に行けることになったので、じっくり競馬場を堪能しつつ、レースを楽しもうと思う。

今回はキタサンブラックが勝利した2017年の天皇賞春(以下、春天)について書こうと思う。
それと同時に有馬記念に続く対決となったサトノダイヤモンドに関しても思うところがあるので書きたい。

※ちなみにウマ娘ではこの2人は親友兼ライバルという形で描かれている。
史実を知ってからはキタサンブラックはたくさんの名馬と戦ってきたという印象なので、実際は唯一無二のライバルというわけではないなと思った。
最近はコパノリッキーやシュヴァルグラン、サトノクラウンなどキタサンブラックと関係の深いウマ娘が実装されてきているので、アニメ化やさらなるキャラクターの追加が楽しみだ。

ウマ娘のキタサンブラック。まさに主人公という感じ。

キタサンブラックとサトノダイヤモンド

このレースを語るうえでキタサンブラックとサトノダイヤモンドの2頭は欠かせないだろう。
2016年の有馬記念ではキタサンブラックとサトノダイヤモンドが抜けた人気になり、クビ差でサトノダイヤモンドが勝利した。

これに続き、2017年の春天は2頭の再戦となり、またしてもこの2頭が抜けた人気となった。
キタサンブラックが単勝オッズ2.2倍の1番人気、サトノダイヤモンドが2.5倍の2番人気で、3番人気のシャケトラは9.9倍だったので、完全な"2強"と見られていたことがわかる。

他にも、シュヴァルグランやアドマイヤデウス、ディーマジェスティ、ゴールドアクター、アルバート、レインボーラインなど力のある馬がそろっていた。

今回は主にこの2頭を中心に書いていこうと思う。

レースについて

レースが始まると、ヤマカツライデンが後続を突き放し、馬群が2コーナーに差し掛かる頃には15馬身近く差をつけて逃げていた。

キタサンブラックは離れた2番手で進み、2周目の坂の下りあたりで垂れたヤマカツライデンを交わし、先頭に立った。

直線に入り、キタサンブラックのすぐ後ろにつけていたシュヴァルグラン、4コーナーで外から進出したサトノダイヤモンド、内を突いたアドマイヤデウスがキタサンブラックを捉えんと襲い掛かるがその差はなかなか縮まらず、そのままキタサンブラックが押し切って勝利した。

タイムは3分12秒5。
2006年にディープインパクトが記録した3分13秒4を1秒近く更新した。
鞍上は同じく武豊騎手であり、本当にこの方はもう、すごいよね…
逃げたヤマカツライデンが大逃げをかましたとはいえ、2番手からレコードを叩き出すのは怪物と言っていいだろう。

その後ろは2着シュヴァルグラン、3着サトノダイヤモンド、4着アドマイヤデウスという結果だった。

シュヴァルグランは善戦はしつつもまだG1には届かないといったところだったが、着実にその時は近づいていた。

そして、サトノダイヤモンドは上がり最速の35.0秒を繰り出したが、キタサンブラックどころかシュヴァルグランも交わせなかった。
思えば有馬記念では3歳だったので斤量の恩恵もあった。

また、「ディープ産駒は早熟」といった定説が少なからず当てはまっていたのではないかと思う。
ただ、それでも上がり最速と3着は確保しているので、全盛期の80%くらいの力は残っているといえるだろう。

それに加え、サトノダイヤモンドの池江泰寿調教師によると異常にテンションが高かったこと、この日の京都競馬場の芝が硬かったことで、"嫌な予感"はあったようだ。

落ち着き払っていた阪神大賞典の当時に比べ、装鞍所のサトノダイヤモンドは少し気負っているように池江には思えた。パドックを周回する頃にはだいぶ冷静さを取り戻したものの、本馬場入場の際には再びテンションが上昇。休み明けのレースではイレ込みが激しく、2戦目では大人しくなるこれまでとはなぜか逆のパターンだった。

 池江にはもうひとつ、気掛かりなことがあった。当日に何度か芝コースを歩いたとき、馬場がかなり固く感じられたのだ。鋭い末脚を武器とするサトノダイヤモンドにとって“速い時計が出やすいコンディション”は一見、歓迎材料とも思えるけれど、そう単純なものではない。地面に脚を叩きつけるような走法の馬は、初めて固い馬場を走るとき、戸惑ってしまうことがあるという。

https://number.bunshun.jp/articles/-/852845?page=2

2頭のその後

キタサンブラックとサトノダイヤモンドのその後も対称的で興味深い。

キタサンブラックは次走の宝塚記念はレコードの疲れもあったのか9着に敗れたが、秋の古馬三冠は天皇賞秋(不良馬場かつ出遅れがありながら)1着→ジャパンカップ3着→有馬記念1着とG1を7勝まで積み上げて引退した。
春古馬三冠、秋古馬三冠をしっかりと走りぬき、6戦4勝という結果は立派というほかない。

ここ数年の有力馬はこの中でも春天を避けたり、秋天→有馬記念、秋天→ジャパンカップなど年4戦ほどしか走らない馬も多い。
もちろん、だからといってその馬にケチをつけたりする気はないけど、年6戦しっかり走って結果も残したキタサンブラックの凄さを改めて思い知ったよね…

一方のサトノダイヤモンドはこの後凱旋門賞に挑戦するが結果は惨敗。
翌年の金鯱賞まで休養して立て直しを図ったが、その後はG1を勝つことはなかった。

結局、キタサンブラックを破った頃のダイヤモンドのような輝きは取り戻せないままだった。

もともと早熟で4歳時にはすでに衰え始めていたのに加えて、凱旋門賞の惨敗があった。
5歳時にも京都大賞典を勝っているので、馬の闘志がなくなったとは思えない。
ディープ産駒には合わないとされる重馬場の凱旋門賞を走って能力が削がれてしまったのだろうか…

この辺はウマ娘のアニメ3期ではどのように描かれるのか、非常に楽しみだ。

終わりに

とりあえず、4回分俺の好きな春天について書き連ねた。

本当はもう1年、俺の好きなレースはあるが、書いている最中に当日になってしまったので、今回は書かないことにした。
まあ俺が怠惰なのが悪いんだけど、また来年の今頃にでも書こうかな。

それに、またレースを振り返っていく中でこれまでは特に何とも思わなかったレースが面白く見えるようになることもあるかもしれない。

さあ、いよいよ2023年の天皇賞春だ。

勝つと思う馬はタイトルホルダー、勝ったら嬉しい馬はボルドグフーシュ、そして何が何でも勝ってほしい、勝ったら間違いなく泣いてしまいそうなのがディープボンド。

ディープボンドは久しぶりに外枠から逃れ、4枠7番というまあまあ良い枠に入った。
ただ、それよりも内にジャスティンパレス、タイトルホルダー、アスクビクターモアという有力馬がいるのは難しいところだ..

それでもボンドは俺が初めてリアルタイムで好きになった馬だからね。
去年一昨年と違って強い馬が揃っているが、彼を応援するだけだ。

和田騎手との深い深いキズナで悲願のG1を取ってほしい。

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