見出し画像

インソムニアな朝

皆が起きて、外へ出かけて行くのを見送る
そう紛うことなき私は社会不適合者だ

朝に寝て夜に起きる。昼夜逆転生活はもう3年以上、治る気配も無ければ直す気もさほど起こっていない。
陽の光は好きだった。木漏れ日も、青空も何もかも澄んだ空気が、暖かい日中が好きだった。
怖くなったのはいつ頃からか
鬱になった時だろうか。初めて自殺を考えた時だろうか、眠ること以外何も出来なくなった時だろうか。
気がつけばこうなっていた。
今でも木漏れ日が好きだ。
でもそこに私の居場所は無いと思う。
お天道様に顔向け出来ないような事をするなと言うよね。
犯罪は犯したことない、正確に言うならばお天道様の下を歩けない人間では無い。
だけどそこは私の道じゃない。
私には陽の光が似合わない。
暖かな場所に私は居られない。
人より体温の低い私は、きっとその場を冷やしてしまうから。
暖かい場所をそっと見つめる。いいなぁと思いながら、幸せでいてねと少し嫉妬混じりの祈りを抱いて。
ただそっと願う、願わくば大切な人達の歩く道が陽の光の当たる場所でありますように
暖かく心地のいい、優しい場所でありますように

それを恋しく思うのだけは許して欲しい
その場所は望まないから
少しだけ、画面が滲むのは見逃して欲しい
貴方の背中は濡らさないから

少しだけ、今日は少しだけ
羨ましいなと思う私を見ないふりしてほしい

私だって寂しくなることもあるんだと
空いた穴がずっと埋まらないことに胸が痛むこともあるんだと

元々弱い人間だから、 だけど弱いままでは居られないから
強がりながら背中を押して
笑顔で手を振る私だけ見てて

どうか振り返らないで、見せられる顔はしてないから


大丈夫、君なら大丈夫だよ、
今日も生きててえらいよ
素敵なところが沢山あるよ
笑顔になれなくてもいいよ
大丈夫、君なら大丈夫
陽の当たる場所であったまっておいで


それじゃあばいばい

また会うなら、眠れない夜に会おうね


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?