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【ゼノブレイド3】評価・感想

約80時間ほどでクリア。
サブクエはほどほどヒーロー全開放。
ゼノシリーズは全てプレイ済み。

ゲームとして個人の評価・感想です。
プレイ中の人は読まない方が無難です。

というかかなり酷評なので
そういうの嫌だという人も読んではいけません。




◆ストーリー

● メインシナリオ

Pros.
 ・設定のインパクトだけ・・は充分
 ・漸くカットシーンから操作への移行がシームレスに
Cons.
 ・無駄が多く長過ぎるカットシーン
 ・設定の核心部分を放置
 ・魅力に乏しいキャラクター達

 何故ゼノギアスや初代ゼノブレイドのシナリオ評価が高かったのかをいい加減そろそろ理解して欲しいと思います。決して設定だけが評価されていたわけではなかったはずです。細かい設定を並べ散らかすのではなく、一本のまとまりのある話を作ることは出来ないのでしょうか。



・パワー不足なシナリオ

面白くなかったんだわ

 改めて言いますが、ゼノギアスや初代ゼノブレイドには遠く及びません。抑揚に乏しく感情を揺さぶるようなパワーやカタルシスがありません。

全体を俯瞰してみると起承転結における「転」が欠落したようなプロットとなっていました。世界の成り立ちについて情報が開示される辺りが正に「転」のベストタイミングだったはずなのですが、成り立ち自体がそもそもふんわりとした理由だったり、発生する問題に対して起こるべき「謎の究明」や「手段の模索」が一切発生しなかったりで、物分かりのいい主人公たちを始め、作中人物たちは何故かあるがままを受け入れ、作中世界の消滅という結末へ向かいます。

お墨付きが何故か無条件で貰える
脚本から「この件に関してはもう突っ込まないでくれ」と言われている気分


元の世界に戻せればあとはどうでもいいように見える
(そういうキャラじゃないのは分かるけど、そう見える)


問いかけるならもっとずっと前だろ……今エンディング中だよ!


 究明や模索という作中人物たちの描写を飛ばしてしまう事により、主義や主張の形成が出来なかった結果、終盤にかけて主人公たちは希望・夢・想いという非常に抽象的で曖昧なものでしか会話が出来なくなっています。まるで壊れたレコードのように、ただ美辞麗句を発声するだけです。

敵方の真っ当な問いに対して、想いがどうのでやりすごす
主人公が詭弁で問答を切り抜ける作品は初めて見た

上記の主人公たちのbot化は一例で、他にもあらゆる方面に悪影響が出てしまっています。「敵側の主張に対するアンチテーゼの放棄」「山積した謎による未消化感」「ファンサービス以上の意味を持たない1と2の世界」等々。

 描きたいことがあるからこその作品ではなく、シリーズを続けるためだけに生み出されたシナリオだったように思います。手段と目的の逆転を感じさせるような、そんなシナリオでした。



・杜撰な設定群

 大半の設定に関して「何故そうなったのか」を示さなかったため随分と上滑りしたものとなってしまいました。前作以上に自ら乱造した設定に足を取られてシナリオが迷走しています。

物凄く好意的に見ると考察・推測をさせようという計らいで敢えて説明を省いたとも捉えられますが、正直言って因果関係のハッキリしない事だらけ、あらゆる前提条件が定まらない状態では、どう足掻いても妄想に終始してしまいます。シリーズファンの好意的解釈に甘え切ったつくりとも言えるかもしれません。

???

また、「説明を事前にしたつもりになっている」「そもそも設定自体を忘れている」と思しきシーンがちょこちょこあるので、説明不足を抜きにしても品質は相当低いです。

眼帯の設定を作る前に起こしたシーンなのか、忘れていたのか



・大量のカットシーンを伴うワンパターンな展開

 メインシナリオにおける最大のストレスポイントで、前作からの反省が一切見られないどころか悪化しています。

説明不足なシナリオの割にはカットシーンが病的なまでに多く、何度も何度も同じ展開を見せられます。ヨランのくだりはアホみたいに流されるし、模擬戦の内容とか一瞬で充分なのに無駄に細かく描写します。おまけにカットシーンの区切りが殆ど無く一度スキップするととんでもない所まで飛ばされて更に意味不明になる始末。動画を見るためにこのゲームを買ったんじゃないんですけど?

ヨラン回想再生機

「バトルで勝ったのに敵がピンシャンしている問題」も散見されます。作中一度や二度程度だったらわざわざ言いません。一度や二度で済んでないし前作でもやらかしてるから言ってます。展開のパターン(=引き出し)が少な過ぎる故にこうなっているのですが、何時になったらこの悪癖は直るのか。

 また、無駄に思ったカットシーンの半分くらいはバトルシーンだったように思います。バトル漫画のワンシーンを逐一登場人物に解説させながらダラダラ流されるようなもので流石にイラつきました。ただの出来の悪いアニメです。そんなにアニメがやりたいならそっちの畑に行けばいいと思う。多分酷評されるけど。

一事が万事、ずーーっっとこんな感じ

モデリング技術は向上しているわけですから動きや表情だけで見せれば良くて、発言は最小限で済むはずです。せめて思考だけにとどめておくとか……何故全て発言させるのか。ギャグ的なノリならまだしも、大真面目なシーンで大真面目に声を当ててるのでただでさえ無駄に長いバトルシーンが余計に滑稽になっています。

バトルシーン見る度にそう思ってるよ



・魅力に乏しいキャラクター達

 終始抽象的な主張をするだけの主人公一行は勿論、脚本の都合か唐突な動きをするサブキャラクター、数が多過ぎて雑に処理される執行官一同、概念系ラスボスなど敵側も大概です。まぁ抽象的な問答しかしないなら概念系ラスボスになっちゃうのは当然の帰結ではありますが……。

分からんだろ? 俺も分かんない

いかにもなキャラも用意されてはいるのですが、「はいはいムムカムムカ」って感じでどうにも過去作の影を追っている感じが拭えず、キャラクター固有の魅力に繋がっているとは思えません。

大変良い笑顔ではある

 また主人公一行の出自が皆ほぼ同じなのもかなり足を引っ張っています。この物語のプロットで言えばパーティメンバーにはシティーの保守派や推進派、敵勢力の裏切り者(あとオマケでノポンとか)等が入ってないと話を膨らませるのが非常に難しいのですが、何故か皆ヒーロー枠に押し込んでしまいました。

結果として用事の特にないキャラクター達が当たり障りのない事を代わる代わる発言する、話の展開に水を差すだけの妙なカットシーンが出来上がりました。これでキャラクターの魅力を出せというのも無理な話でしょう……。

そして極めつけがこれ

今回は主人公である6人の想いを均等に描きたかったので、
セリフのワード数をできるだけ均等になるようにしています。

https://www.nintendo.co.jp/interview/az3ha/index.html

 「想いを均等に描く」ために「台詞数を均等にする」というのは幾らなんでも短絡思考だし、常軌を逸していると言ってもいいと思うのですが誰かツッコんでくれる人いなかったんすかね……。



● サブクエスト 

Pros.
 ・良質なシナリオが多数ある
 ・キャラクターの掘り下げが行われる
 ・情報→相談による主体性の表現
Cons.
 ・ヒーロークエストは火時計破壊のテンプレに巻き込まれ結局作業感
 ・情報相談の流れは単純なクエストを受ける分にはただの二度手間
 ・何かと材料集めを挟んで時間稼ぎ
 ・やたらと追跡追従イベントを強要する
 ・メインシナリオの結末に足を引っ張られている


・品質は悪くない

 具体を絡めたやり取りを経て、メイン・サブキャラクター(ヒーロー含む)の掘り下げが行われるため、メインシナリオと比較すればかなりマシです。

中にはメインのしょうもないやり取りを削ってでも入れるべき、テーマに沿った良質なクエストも多数あるため、サブクエストをプレイするか否かで作中世界に対する印象が変化すると思います。

なお、大抵のサブクエストが未来に希望を持たせた締め方をされるため、メインシナリオの結末とはどこまでも噛み合わせが悪く、やればやるほどメインシナリオが足を引っ張る構図になっています。

ボイスの充てられていないテキストの方が個性が出ていて面白かったりする



・クエスト発生の仕様は一長一短

 「情報」という鍵を集めて「相談」をアンロックしてクエストが発生するような仕様となっており、従来と比較すると主人公一行の主体性が表現されています。個人的には悪くないと思う反面、面倒くささも目立ちます。

普通に依頼を受諾するタイプのサブクエストも結構あったので、それは別に相談のプロセスを経なくてもよかったんじゃないかと思います。

一方的に依頼されるのではなく主人公たちから足を突っ込んでいく感じは結構新鮮



・クラス開放クエストは作業的

 話の内容自体はそんなに悪くないですし変化球もあったのですが、大抵が火時計破壊・コロニー開放というテンプレ作業に巻き込まれるためどうしても事務的・作業的である感は拭えません。

また、クラスの継承者仕様のせいで無理に特定のキャラを話に絡ませて不自然な運びとなっているものが多いのも目につきました。クラス解放の仕様が寄り道要素と全く噛み合っていないのと合わせて、継承者という仕様自体がそもそも不要だったと思います。

ウロボロスはジャンプ台



・追従系、追跡系イベント

 やたらと挟み込まれるこのプロセスには辟易としました。某洋ゲーの真似なのかもしれませんが、その洋ゲーよろしく道中で気の利いた小話やウィットに富んだやり取りの一つもしてくれれば良かったのですが、終始ダンマリなので一体何のためにやらされてるのか本気で分かりませんでした。上っ面だけ他所の真似すんの止めない?



◆グラフィック

Pros.
 ・キャラの顔モデリングは更に向上
 ・デザイナー違いによる違和感が無くなった
 ・鉄巨神のデザインはなかなかスタイリッシュ
Cons.
 ・ジャギーの目立つ絵作り
 ・バトルシーンを除いた動きはぎこちない



・キャラクターデザイン

 顔のモデリングが特によく出来ており、アニメ調でありながらも背景から浮き過ぎない程度にはリアルで、より自然な表現が出来ています。「異なるデザイナーによる差異」もテイストを寄せることによるケアがしっかりされています。

反面モーション関係はやや粗く、決め打ちのアクションシーンはともかく、汎用的な動き(移動や方向転換など)は極めて前時代的。

 元デザインに関しても前作のような品性の無さはなりを潜め、堅実なものとなっています。が、「モノリスソフト」デザインのキャラクターとメインのキャラクター達を並べると、どうにもメインのキャラクター達が見劣りしてしまっているため(特に男性キャラクター)、素直にメインもサブもモノリスソフト内の方に人物デザインは一任してしまって良いように思います。


男女でクオリティ差が大き過ぎて不自然


もうこの人で良くない?



・最適化不足?

 ジャギーやFPSの不安定さ、低さが目立ちます。私個人としてはグラフィックなんてそこそこでいいんだよ派なのですが、流石にちょっと粗過ぎかなと思います。プレイヤーは目を瞑ってプレイしているわけでは無いのですから最低限の視認性は確保すべきです。

 Switchの性能が低いのは分かりますが、それにしたって他のSwitch向け作品に比べてかなり粗いので、単純に最適化が足りていないように思います。他ハードで出すなんてことはまずない訳ですし、Switchでプレイすることを念頭に置いた絵作りをすべきだったのでは。

モルクナ大森林はマシなほう
エルティア海とかはかなりキツい


ピクリとも動かない白い波というか泡立ち
洗剤の海だったりしない?



◆フィールド

Pros.
 ・広大な大地は健在
 ・優秀なナビゲーション
 ・勢力争いや死骸、追い回しによる生態系の演出
 ・ファストトラベルのロードが非常に速い
 ・コレクションアイテム、ドロップがテンポよく取得できるように
Cons.
 ・移動速度と広さのバランスが取れていない
 ・ロケーションに乏しい
 ・フィールド系UIの使いにくさ
 ・フィールドスキルとかいうただの探索阻害要素
 ・どこにでもあるコンテナと骸
 ・敵配置が密集し過ぎ



・広大なフィールド

 本シリーズの特徴でもある広大なフィールドは健在です。そこかしこに存在するエネミーも捕食関係が描かれるなどされており、それなりに作りこまれているように見えました。

それでいて同エリア内でのファストトラベルはほぼロード無しのような感覚で行うことができ割とフィールドとしては高品質な部類に入るんじゃないでしょうか。ナビゲーションも充実しているため、メインのシナリオやサブクエストを追う分には迷って困るということも特段なく、クエスト関連の快適性への配慮はある程度はあったように思います。

 反面、探索に対する快適性への意識は大分欠けていたような気がします。フィールドの広さと移動速度の釣り合いが全く取れておらず、パーティスキルによる移動速度アップをもってしても全く足りていません。ゲーム中には様々な乗り物(レウニス)があったわけで、それで普通に高速移動させてくれれば良かったと思うのですが……。

また、背景のバリエーションも過去作と比較するとかなり乏しいです。設定上致し方ない部分が大きいですが、荒野が多かったり、文化的な装飾がかなり少なかったり(収容所の改装イベントが分かりやすい)、コロニーが大体似たり寄ったりで代わり映えしなかったり、全体的にのっぺりした印象。

そもそも時刻によるフィールド変化が過去作と比べるとほとんどない上に、ファストトラベルで時刻がリセット(デフォルトで朝)されてしまうため余計に変化を感じ取れないのだと思います。

個人的には落ちた腕なんかはBGMも相まって印象に残っていますが、でもそれ初代が凄かっただけだよねっていう。

要するに本作のフィールドは無駄に広いだけで面白みには欠けます



・フィールドデザイン

 個人的には敵配置が密集し過ぎていること、フィールドスキルとかいう2Dマップ時代のデザインを未だに踏襲している点がかなり気になりました。

 前者は序盤は特に絡まれやすく、アクティブな敵は何の芸もなくただアクティブ(聴覚反応やエーテル反応などの括りが無い)なので、テンポの悪い戦闘を強制されるのがキツかったです。逃げれば無視はできますが、そうすると落ち着いて探索ができず、戦うようにするとちょっと歩いて戦闘を繰り返す羽目になります。レベルを上げるとその辺は無視できるようになりますが、本作はクラスシステムの関係上、レベルを上げることによる弊害が大きいです。

 後者のフィールドスキルに至っては一体何のためにあるのか存在意義がよく分かりませんでした。蔦を登るとかワイヤーを渡るとか最初から出来ても何の問題もないですし、毒沼もノーリスクで無効化できるなら最初から毒沼である意味が無いと思うのですが。いい加減汎用性のあるアクション(ワイヤーアクションとか)でも実装して、3Dフィールドに見合った障害攻略のデザインにすべきではないでしょうか。相性が悪いことが分かり切ったデザインを何時まで引きずっているのか。

どうぞ自由に探索してくださいと言わんばかりの広いフィールドだが
序盤の探索範囲はかなり限られる



・使い勝手の悪いフィールド系UI

・ファストトラベル時に時間リセットを強制させる
・ミニマップの縮尺が大きすぎて機能していない
・拡大マップも縮尺が大きすぎる
・拡大マップは透明度が低すぎて目の前が見えなくなる
・エリアマップから全体マップに遷移できない
・エリアマップでは虫眼鏡にカーソル補正を効かせて操作妨害
・エリアマップにロケーションが表示されない

 全体的にテストプレイをしたかどうかも怪しい、存在意義が不明な仕様が多いです。初代或いはそのリマスター版の仕様を素直に全て踏襲すればそれでいいはずなのに、何故余計なことをしてしまうのか。

縮尺が大き過ぎて意味を持たないミニマップ
これで何を見ろというのか


六氏像とかいうファストトラベル妨害オブジェ
もう像自体壊そう



◆サウンド

Pros.
 ・個々のBGMは無難な出来
 ・過去シリーズBGMのアレンジも概ね良好
 ・ノーマライズが行き届いている
 ・ボイスに違和感無し
Cons.
 ・チェインアタックBGM、メニューBGMの二大戦犯
 ・アンビエントな曲が多く記憶に残らない
 ・何度も同じ掛け合いが発生して煩い
 ・フィールドの段差に引っ掛かって煩い



・品質は悪くないのにほとんど記憶に残らないBGM

 はっきりしたメロディーラインが少ないというのもありますが、それ以上にメニューを開く度に流れるBGMに上書きされてしまい記憶に残りにくかったです。RPGである以上メニューを開く頻度が高く、恒例のクソUIで操作に時間を要するのも相まってフィールドのBGMは旧作アレンジ以外一切記憶にありません。何故こんな仕様にした?

チェインアタック時のBGMも同様です。どんなに悲哀に満ちたBGMを流して敵と対峙させようとも、ノリノリのBGMで全て台無しになります。コロニーのBGMに関してもどこに行っても「カンカンカン」「ジジジジ・・・」と工事音が絶え間なく鳴り響くので正直あまり記憶に残ってません。

全体的にとにかくBGMを阻害する要素が多過ぎて、笛を特注で作るほどに入れ込んだ割に、随分お粗末だと思いました。

ゲーム音楽で140曲ってすごいですよね(笑)。

でもね、まだ足りないんですよ。
あと15曲くらいは欲しいんです。

「開発者に訊きました」より

作曲者が報われなさ過ぎる……。



・声の演出

 配役に問題は見られず、シリーズお決まりの一人複数役の演技も違和感がなく、低クオリティのメインシナリオもこれのおかげである程度体裁を保っていたと思います。

 しかしシステム周りでのボイス設定はかなり難があったように思います。とにかく終始同じセリフを延々と聞き続ける羽目になります。

・パーティの入れ替えがヒーロー以外で発生しない
・進行度に合わせたボイスパターンの変化が無い
・ジェム作成など短時間の繰り返しが発生するものに長いボイスを設定する

この辺りが原因でしょうか。

みんなと息が合ってきた証拠だ。そうだろ?タイオン

もうラスボス前なんですけどー!



◆バトル

Pros.
 ・位置取りを意識した痕跡はある
 ・特大ダメージを叩き出す爽快感があるかもしれない
 ・敵スパイクが(多分)無くなった
 ・泳ぎながら戦闘できるように
Cons.
 ・重篤なまでのテンポの悪さ(前作と一緒)
 ・一部システム前提の安易な耐久設定(前作と一緒)
 ・システム同士の噛み合わせの悪さ(前作と一緒)
    ・戦術性皆無(前作と一緒)
 ・視認性の放棄(前作と一緒)



・システムは沢山あるけど単調

 やることが最終的にゲージが溜まるのをひたすら待ってボタンを押すだけになります。最初の内はシステムが開放されていない故にそうなるのですが、システムが開放された後はチェインアタックが他システムを食ってしまうのでそうなります。

 どの敵でもやる事が変わらず戦術性が欠片も無い事、1コマンド当たりの実効値が低すぎてゲージを貯めるための儀式と化している事、チェインアタックの馬鹿みたいな倍率に合わせて敵耐久を調整している事等々、そりゃこんだけシステムが事故ってたら単調化するよねっていう。

 一応おなじみのブレイクから始動するコンボ攻撃もあるにはあるのですが、前述した内容を覆せるだけの面白味はありません。

 基本的には前作と全く同じ轍を踏んでいるのですが、今作はエフェクト等の演出面が見劣りする上、リキャストの高速化が限定的でバトルスピードを上げ辛いのもあって、余計に厳しくなった気がします。



・中身は無いのに表示だけは盛りだくさん

単調なプレイ体験と反比例するかのうようなごちゃごちゃ
敵数が増えるともっと悲惨な事に

 リソース管理をしつつ自動戦闘を眺めるタイプのデザインならアリですが、エンカウントの発生方式・頻度から言って本作はそれを目指したデザインのゲームではないです(自動戦闘自体はあるけど)。

 ごちゃつく要因となっている6人+1人での戦闘ですが、はっきり言ってバトル的にはなんの意味も持っていません。パラメータの調整がそうなっているだけで、3人ないし4人でも枠組みとしては成立してしまいます。

バトルも6人全員で参加、というのが今回のこだわりです。
今回は6人全員が主役というストーリーなので、
6人が全員表示されての総力戦、ということに決まりました。

こだわり……? 思い付きじゃなくて?
https://www.nintendo.co.jp/interview/az3ha/index.html



◆UI

Pros.
 ・ショートカット操作の実装
 ・目的地ナビゲーション
Cons.
 ・相変わらず貧弱なソート項目
 ・使いづらいエリアマップ
 ・スペースの使い方がド下手
 ・視認性の悪い配色
 ・アイコンの明暗の付け方がおかしい
 ・視線移動など微塵も考慮しないバトルUI



・ああ、やっぱり今回もダメだったよ (10/100)

 狂信的なファンにすら散々言われているのに一向に全体レベルが向上しないのは、もうUI設計者だけの問題じゃなくて開発体制に根を張った問題なんじゃないでしょうか。

その反面、UIは上手くいかなくて。
開発の途中でプログラマーが3人倒れちゃったんですよ。

今作も倒れちゃったんです?
https://news.denfaminicogamer.jp/interview/180202



・毎度言われるソート関連

 各種名称(アイテム・スキル等)が実効果を妙に連想しにくかったり、そもそもレア度という不要なプロパティがあったりするせいで、本シリーズは多様なソート項目が求められがちですが、今作は全く足りていません。

 まぁそもそもの話ですが「同名アイテムで効果量がちょっと違うだけ」ていうの、無駄の極みだと思うんですよね。現状のシステムだと最大効果のアイテムが1つあればそれで十分だと思うのですが。

 もしかしたらハクスラゲーというか昔のMMOに強い憧れでもあるのかもしれませんが、全部おままごとレベルなんで見ていて空しいです。振り切ってハクスラに全力で取り組むか、割り切ってバッサリ切るか、どっちかにすべきです。言っちゃ悪いですがシステムデザイン的にかなりみっともない

スペースの使い方が下手過ぎて選択項目が5つしかない
ソート項目も足りないためおすすめでピックされないアクセサリが滅茶苦茶選びづらい


プレイ画面ではいったいどれを解放していないか非常に分かり難い
(↑は縮小画像なので割と分かる)


そもそも暖色系はアラート色なのでフォントに常用してはいけない(戒め)
火時計の支配から抜けたら色を変えるとかでもよかったのでは


どのジェムが作れるのかパッと見て分からないUI
クラフトとは名ばかりのアンロック式だし
アイコンの点灯/消灯で一目瞭然の状態にできるはず


まずこんなUIを用意しなきゃいけない時点で何かがおかしいと気付こう、な!



◆その他システム

Pros.
 ・キズナグラムが復活した
Cons.
 ・要素は多いのに薄いカスタマイズ性
 ・要素の開放が遅すぎる、謎のレベルキャップ
 ・操作キャラ切替はあるのに並べ替えは不可



・キズナグラムの復活

 前作でオミットされていた要素ですが帰ってきました。関係性も双方向オンリーではなくなったのでより関係性が分かり易くなり、サブクエストのユーザー体験をより引き立てることが出来ているかと思います。

惜しむらくはパーソナリティがこの画面からは分からない事でしょうか。初代の頃には全キャラに一言ずつあったのでそれがあれば満点でした。



・ただ煩雑なだけのカスタマイズ

 大して効果の違いのないアイテム群を、不要な区分けでカテゴライズしているだけなので「要素は多いはずなのにカスタマイズ性は大して無い」という印象を受けます。スキル・アクセサリ・ジェムとビルド要素が散らばっていますが、効果の枠としては大差無いので分ける必要がありません。ジェム9枠でもいいし、スキル9枠でもいい。攻撃力がx上昇するジェムは、攻撃力がx上昇するアクセサリでも何の問題もありません。

まぁ1と2の要素ってことでジェムとアクセサリにしたのでしょうが、それなら片方は前作のポーチアイテムっぽいものにするとか、差別化が必要だったと思います。とにかく全体的にのっぺりしていて起伏や抑揚に乏しいです。

流石にこの画面作った時に製作者も気付いてると思う



◆総評(★2)

 以上が私のゼノブレイド3に対する感想・評価でした。作った人には申し訳ないのですが、私の中ではシリーズとしては蛇足だし単品でも駄作です。普段文章を碌に書かない人間でも、フラストレーションが溜まると10000文字以上書けるということを教えてくれたゲームとして心の中に留めておきます。







◆余談

 ぶっちゃけ前作はブレイドとドライバーのあまりに都合の良すぎる設定からして「オタクが最高に自己投影し易い世界」を目指して作られてるんで、上の写真が出て来ても「だよね!」なのですが、果たして別作品に踏み込んでまでやる必要があったんですかね……?

これをファンサ―ビスだと思っていそうなモノリスのバランス感覚の無さやる事為す事全部蛇足っていうのが凝縮された1枚だと思います。

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