◆ハリー・ボッチーと鍵のかかった部屋

「ハリー!あんたにお客さんよ!」
バーノンおばさんが叫んでいる。僕はこの物置小屋から出たくないのに。引っ込み思案な僕は友達が少ない。それなのにダドリーは紹介と言いつつ、友達を連れてくる。それがとてもうざったくて、放っておいてほしくて僕は物置小屋に篭りっきりだった。

「お前さんがハリーか!」
大男が扉を壊し、僕の首根っこを掴んできた。うざい親戚のおじさんみたいだ。
その後あたりを見回し物置に気づいた大男は叫んだ「おまえさんら、ハリーをこんな小さな部屋に閉じ込めちょるのか!」
バーノンおばさんが答える。「いいえ、その子が勝手に入ってるんです。2階に自分の部屋もあるのに」
「そうなのか?ハリー?」
「うん。ダドリーと相部屋は嫌だから」
「この糞マグルめ!ハリーの事をいじめちょるんだな!豚のしっぽを生やしちゃる」
「あら!いじめてなんかないですわ。ダドリーはむしろハリーの事が大好きでいつも一緒に遊びたがってるんですから」そうバーノンおばさんは答えた。

しばらくして自分の勘違いに気づいた大男はバツが悪そうに魔法界とホグワーツという学校について語り始めた。それを聞いたバーノンおじさんとおばさんは最初こそ僕を遠くに行かせることに抵抗したが、すこしづつ説得されホグワーツに通わせることに乗り気になってきた。しばらくしておじさんが僕に質問してきた。

「ハリー、ホグワーツに行きたいかい?」

「僕、学校には行かないよ?」

<~第一話 完~>

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?