東京デスロック「再生」三重ver.観劇


私の代わりに死んでくれたと、
3周目の終わりに静かに泣いた。

来年の私ってどうやって生きてるんだろ、
希望のない未来に不安になることばかり。

いっそのこと、
今までに出会った愛おしいものを抱えながら死んでしまいたい。
人並みに、そう思う時がある。

自分の死にたさを隠しきれないような日に、
東京デスロックさんの「再生 三重ver.」を拝見した。
実際に起こった集団自殺をテーマにした30分の内容を
3回繰り返すという、変わった構成の作品。

元々は、憧れの2人の役者さんを観るのが目的だった。
主に名古屋で活躍されている藤島さん、
(藤島さんのお芝居はコンマ一秒も見逃したくない!)
泊まれる演劇「藍色飯店」で出会った日下さん。
(凛とした声と柔らかな雰囲気がずっと印象に残ってる…)

おふたりが死んでいく(生きている)姿は衝撃だった。
とても美しかったし、
言葉を飾らなければ私もそこにいたかったと思った。

彼女たちの生命を感じるほどに
私が死んでいない(生きている)という実感を思い出していく。
期限付きの全力疾走が心地よいこと、
側からはそれが輝いて見えることを思い出した。

3回繰り返されることの意味、
次第に音や照明が強くなっていくことの意味はなんだったのだろう。
確証はないけれど、
私は繰り返されるにつれ、彼女たちとの距離が近づいていくように感じた。
彼女たちの会話に耳を傾けているうちに、
私も一緒に鍋を囲い、歌を歌っているような気がした。

そして、一体となって、繰り返し死に向かうのに、最後。
私は残され、また1人になる。
まだ自分の心臓は動いている、
元通りの日常に帰ってきていた。

あぁ一緒に死にたかったかも、
でも3周目の終わりに
生きているうちにやりたいことが頭をよぎった気もした。

あの子達は死にゆく時、何を思っていたのだろう。
言葉にならないほどのエネルギーを浴びた。
心から観てよかったと思う作品だった。

来年2月に長久手でも上演するそう。
次回は劇団ver.も見届けたい…!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?