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基本的権利としての「水と衛生への権利」

政府は、健康、教育、暮らしを支えるのは、清潔な水と適切なトイレ、そして、正しい衛生習慣であることを確認し、国家の優先課題として、人間としての基本的権利である水への権利を確保しなければならない。国連総会では、「水と衛生への権利」が、相当な生活水準・健康への権利・生命や尊厳への権利に密接に関連するものであると同時に、独立した対応が必要とされている。すなわち、自由権と社会権の基本的権利に不可欠なものとして、「水と衛生への権利」が尊重されることを要するのである。

とりわけ、公平性の観点から、三つの問題があげられる。まず、給水サービスやトイレの設置サービスがあっても、貧困世帯が利用できる金額設定になっていない。また、物理的に給水サービスが届きづらい場所に住んでいる場合、例えば、辺境の村、都市部のスラム、紛争や自然災害によってインフラが破壊された地域などには、給水設備そのものが設置されづらい状況にある。さらに、障害がある、または民族、カーストなどが異なるなどの理由で、地域のなかで差別を受けたり、取り残されたりしている人びとがいる。世界には、予防可能な下痢性疾患で命を落とす子どもたちがたくさんいる。貧困と病気の悪循環から抜け出すために、早急に対策が求められる。

<参考文献>:ウォーターエイドジャパンのウェブサイト/東澤靖『国際人権法講義』



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