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デジタルネイティブ一般人のメタバース所感

この記事は大学ボカロ部Advent Calendar2021 12/10分の記事です。

おはようございます!
この記事をご覧の方々はきっと、TwitterもしくはDiscord等から「ブルーさんが記事上げたみたい。」と、何となく読んでくれようとしている目的客が大半だと思います。もしかしたらフリー客の方もいるかもしれないので、ご挨拶をします。

初めまして!千葉工業大学でボーカロイド研究会を立ち上げ、今までリアル・VR・AR等様々なアプローチで新しいバーチャルライブの可能性を模索しているMiku’s Origin代表のブルーと申します。
サークルを立ち上げたのが、2019年の大学入学の日なので代表でいられるのも残りわずかとなりました。(寂しいね!)

いつも応援していただいている方々へ
沢山の応援を本当にありがとうございます。2021年10月に行われたMiku's Origin アーティフィシャルナイトにお越しの皆様、ご来場ありがとうございました。皆さんのコメントや反応のおかげで、大変な制作活動も今ではやりがいです。

今回の記事タイトルは「デジタルネイティブ一般人のメタバース所感」です。完全にバズワードとなったメタバースについて、①自分の中で情報を整理し、➁自分がメタバースと今後どのように関われそうかを考えるために書きます。メタバース何ぞや?って人はぜひ読んでみてください。メタバースの専門家ではないため、情報がすべて正しいとは限らないことには注意して読んでください。

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0.はじめのボヤキ

どの技術でもそうだが、誰かがやっているから、あの会社が手を出しているから遅れないように、という理由だけで動いてそうな人たちがわんさかいそうな気もするが、がっつりブームだからとか風潮だからとかで流されず、一学生の私的には、一度俯瞰して情報を整理した上で、取り掛かったほうが良いのでは?と思うこともあるので、目先の情報に踊ることなく、一度客観的に見て考えて行動することも大切だと思いました。(本当にただのボヤキで以下本編です。)

1.メタバースとは何か

最近よく目にするようになったメタバースという言葉。まずは意味から理解していきたい。メタバースは、「超越(meta)」+「宇宙(universe)」を組み合わせてできた言葉であり、1992年にSF作家のニール・スティーブンスンが発表したスノウ・クラッシュという小説が語源とされているようだ。ちなみに、この本は2022年1月18日に復刊されるようなので、少しでも興味のある人は読まれたい。そしてメタバースとは、ざっくりいうのであればインターネット上に構築された共有型仮想空間である。使用者はアバターとして、その仮想空間内で他者と自由にコミュニケーションをとることができる。

メタバースとしてよく例に挙げられるのが、VRChatだろう。
https://hello.vrchat.com/

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先に、共有型仮想空間と書いた通り、他の人たちと仮想空間で交流をできるということが特徴である。ここまで書くと、メタバース、VR、MMORPG等が徐々に混ざってくる。これらの違いは、VRは限りなく現実に近い体験を得られる技術手段の事であり、メタバースは仮想空間というように場所だったり空間を表している。MMORPGはゲームのシナリオだったり、クエストといったものがあるが、メタバースに内在しているようにも見えなくない。また、メタバースは仮想空間なので、自分が電源を切っても、メタバース自体が止めることはなく、他社は他者同士でコミュニケーションをとることができる。これは従来のゲームとの違いになるだろう。

2.なぜこんなに注目されだしているのか

一番の大きな理由はやはり、米フェイスブックの社名変更だろう。2021年10月28日に社名をMetaに変更すると発表し、現在変更されている。また、Meta社はメタバース開発に注力しているようであり、今後数年間は収益が望めないだろうとしながら、それでもメタバース開発に投資をしている。このような経緯から、SNSやバーチャル系、エンタメ業界、暗号資産業界が注目をしだしているのが現在の状況である。また、12月には暗号資産業界4社がメタバース協会を設立するようである。ただ、メタバース協会については、かなり賛否両論があるようであり、後述する通り、メタバースの文化が暗号資産業界の手の上で成り立つようになってしまいそうなどから批判的な意見も出ているようだ。ただ、今後メタバース上でのイベントや娯楽そして、経済活動が行われるのは簡単に予測ができ、幅広い業種の人たちがこぞって参入してくることが予測できる。

3.現状、メタバースとして起きていること

例えば、Virtual Marketでは、アバター用のパーツやアクセサリー、その他沢山のものを仮想空間体験者向けに販売している。これはもともとコミックマーケットのように個人to個人でもあったが、各企業も乗り出してきている。また、宣伝や広告の役割も担っており、これは現実に例えば10mの看板を立てるよりも、ワールドのギミックととして画像をプレーンに張り付けて、ワールドアップロードする方がはるかに簡単だろうから、新しい試みであるとも思える。

次に娯楽としてのイベントを例に出す。これは私が代表を務めているMiku’s Originで、2021年2月にclusterというバーチャルプラットフォーム上で開催した初音ミクファンメイド、バーチャルライブである。

下の図は実際にライブを行っている写真である。

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このライブでは実際にVRゴーグルをつけて、仮想空間の中でアバターとして自由にワールド内を動くことができ、初音ミクのライブを自由な位置で楽しむことができた。

次に、単純な交流やゲームを楽しむ例をいくつか挙げていこう。

セカンドライフ
https://join.secondlife.com/?lang=ja-JP

フォートナイト
https://www.epicgames.com/fortnite/ja/home

どうぶつの森
https://www.nintendo.co.jp/switch/acbaa/index.html

これらは他者との交流や、ゲームを通して他者とコミュニケーションを取ることができる。

4.結局、なにがいいのか

メタバースの最大の特徴はやはり「空間的」制限から解放され、自由に他者と交流できる点にあるだろう。それは単に空間的制限がなくなったのではなく、第2第3...の空間を作っている点に意義がある。これは例えるなら、メタバース内部での販売と従来のショッピングサイトなどの違いである。空間的な制限から解放され、全国、全世界と交流ができるようになった。リアルイベントでは、会場に行く必要があった。メタバースではそれはなくなった。リアルで他者と交流するには、その人と会う必要がった。メタバースでは、それも必要なくなった。これらは消費者としての目線である。

次に、経営者目線だと何がいいのか。まずは、対消費者として見れば、販売店舗、イベント会場、これらをリアルで用意しなくていい点である。もちろん、3Dとして、システムとして作ることはあるが、正直リアル会場よりはるかに低価格で実施できるだろう。

例を挙げるために2021年10月に私が代表として制作したARバーチャルライブを例に出す。このイベントでは、AR映像とVR映像があり、ステージをリアルとCGで同じものを用意した。

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1枚目はCGステージ映像(バーチャル映像)
2枚目はリアルステージ映像(AR映像)
3枚目はCGステージのモデリング
4枚目はリアルステージの設営

モデリングも舞台系もできるので、どちらも制作しているが、どっちかしかできないとなったら、予算的に取り組みやすいのはCGになるだろう。

経営者目線の新規事業目線で見ると、メタバースというのは新たな経済市場として捉えることができる。例えば先のVマケのように、企業ブースがあれば比較的安価・比較的軽負担に宣伝を行うことができる。また、販売、イベントだけでなく、今後あらゆるサービスがメタバース上で行うことができるようになるだろう。その時、メタバース上の通貨はどのようになるだろうか。これが暗号資産業界がメタバースに注目している理由である。メタバース上では暗号資産を通貨として利用できるようになるだろう。

5.暗号資産・NFT・ブロックチェーン技術

暗号資産とは仮想通貨の事である。仮想通貨で一番有名なのはビットコインだろうか。これは、ブロックチェーン技術の賜物である。あまり個々の技術的な事は書かないので、詳しくは調べてみてほしいが、ブロックチェーン技術とは簡単に言うなら、改ざん耐性の強いデータ構造を持ち、正確な履歴を保持する技術であり、改ざん耐性が強いので、暗号資産が成り立つ。この技術を応用したのが、NFTである。NFTとは日本語でよく非代替性トークンと訳されるが、ピンとは来ないだろう。ブロックチェーン技術により、デジタル情報(主にデジタルアート)の所有ができるようになった。今まで、デジタルアートは簡単にコピーされ、そのデータの所有者は明確にできなかった。これにブロックチェーン技術を組み合わせることで、その取引履歴を保持できるようになり、明確に所有者を示すことができるようになった。すでに数多くの様々な業種はNFTにも積極的に関わろうとしている。

6.メタバース協会に批判的な意見がある理由

暗号資産業界4社が設立するメタバース協会になぜ、批判的な意見が上がっているのか。私が思うに、これから自由経済として期待できるメタバースの開発が暗号資産業界の大幅な介入により、暗号資産業界よりの開発になりかねないことを懸念しているのだと思う。私としても、メタバースは自由経済の延長線上で様々な変化と可能性を見ていきたいため、どこか特定の業界寄りのための市場とはなってほしくないと思っている。その為には、一般の人のメタバースの理解が必要になってくるだろう。

7.私の思うメタバースの今後の展望

今後メタバース関連の諸技術が完成し、一般家庭に普及されたとき、メタバースはどのようなあり方が求められるのだろうか。ここから先は全て持論だが、リアルとメタバースの相互的なアプローチが求められると思う。はっきり言って、メタバースにも弱点が多いのは当たり前であり、リアルを越えられない部分は沢山出てくると思う。それゆえに、これらを時には使い分け、時には融合させて事業を進めていく必要があるだろう。

例えば、好きなアーティストの握手会を想定する。
リアル握手会の意義はやはり好きなアーティストとリアルで会え、リアルで握手できるという感情が生まれることだろう。反対に、メタバース握手会の意義は、全世界中どこにいても、握手会に参加でき、リアルではできない演出を体験できることだろう。

このようにリアルの"実"現実感と、メタバースの"超"現実感の相互距離を調節することが今後の重要になってくると思う。

8.あとがき

コロナの影響により、Miku's Originとしてもオンラインライブを余儀なくされ、メタバース空間に大きく学び、活かすことができた。今後アフターコロナで、リアルとメタバースの相互的な活用ができるようになったとき、この両者の特性を上手に活かしながら、最適なバーチャルライブの可能性を模索していきたいと思い、メタバース所感とさせて頂く。

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