ルフトハンザ航空

今朝男の夢をみた。
夢で私たちは空港にいた。

男と出会ってから8ヶ月が経った。
男と別れてから8ヶ月が経った。

2ヶ月ほど前、男から東京にいる旨の連絡が入ったが、私はその時アメリカにいた。
つくづくアベコベだ。

夢で男は笑ってはいなかった。
私に会えて嬉しいのか、私を疎ましく思っているのか、私は男の気持ちを尋ねられたことがない。
ただ、男の左手薬指には彼の手には似合わない、タテヅメダイヤの女物の婚約指輪と結婚指輪が重ねてはめられていた。
私は男が何を考えているのか、誰と居るのかも聞けないまま、日本に帰るチケットを探していた。

こんなことならあの時、男の左腕だけでも一緒に東京に持ち帰るべきだった。
そしたら毎日男の腕を抱えて寝ることができたのに。

男の左腕は未だにあの街で写真を撮り続けている。

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