【ルギアVSTAR】バーネット博士の後任探し、大変。
ルギアデッキにおいて、Eレギュ落ちによりスタンダードレギュレーションで使えなくなる採用カードは「バーネット博士」「ノコッチ」「バケッチャ」の3枚。
バケッチャは雪道が一緒に落ちてくれるので、永きにわたる戦いの果てに道連れに倒してくれた……的なエモがありますね。昭和~平成初期のバトルアニメにありそうな熱い展開です。ありがとう、バケッチャ……
ノコッチは雷弱点が多いルギアデッキの優秀なプロテクターでしたが、志半ばで勇退。
新弾で環境が大きく動きますが、ミライドンが増えないことを祈るばかりです。これを1枚置いたことで勝てた試合もありました。ありがとう、ノコッチ……
(バトルVIPパスが落ち、なかよしポフィンが追加される影響でポフィンが使えるデッキのほうが増えそうな気はします)
上記の2枚は好みや構築に応じて不採用とするパターンもありましたが、やはり一番の痛手は「バーネット博士」です。
ルギアでアーケオスを落とすためのカードとして作られたとしか思えない1枚で、ネオラントVからバーネット博士を起動するのが最速かつ必須級の立ち回りでした。
ルギアが「落ちるカードは少ないが弱体化は否めない」などと言われるのは本当にこれ1枚の影響だと思います。
代替手段は新弾のカードを上手く使うことで確保できますが、バーネット博士が1枚でやっていたことを2-3枚かけてやらなければいけないのが大変なところです。
最近流行りの、パーティーでお荷物扱いされた実は優秀なスキル持ちが解雇されてパーティーが大変なことになる系の漫画と同じことが起きています。あるいは後継者が育たないまま引退し技術が途絶えた伝統工芸のような悲哀が渦巻いています。ルギアの灯を絶やさぬよう、我々は研究を続けなければなりません。
ここで肝心なのが、ただバーネットを抜いてその枠を違うカードで埋めればいいのかと言われると、それはまったく違うということです。後継者は育っていません。
若者は街に出てUberグッズ&道具で食費を稼いだり、自分のリュックの中から増殖して出てくる芸に励んで故エスパー伊東氏を超えるべく奮闘しています。
よく見かける新環境Tier予想などではバーネット差し替えのみで語られていたりするのですが、バーネット落ちの影響は極めて深刻。
このままではバーネットが引けない時の立ち回りを常に強いられるわけで、新弾も出るのにそんな悠長なやり方を甘んじて受け入れている余裕など無いのです。
つまり、複数枚の枠を割いて新しいギミックを用意する必要があります。
では新弾「ワイルドフォース」「サイバージャッジ」の中に新風を吹かせられるカードはあるのか。
おそらく多くのルギア使いが注目しているであろう1枚が「暗号マニアの解読」です。
デッキから好きなカードを2枚トップに持って来ることができる新サポート。(同じ効果を持つサポートは過去に存在しました)
アーケオスをノーコストで確実に2枚手札に入れられるカードとしては「ヒナツ」や「ジニア」がありますが、それをトラッシュするための手段の手数も考えたほうがいいのではと思っています。
真っ先に思いつくのは暗号マニアでトップに持ってきたアーケオスを「ポケストップ」で落とす型。
アーケオス2枚を選んでポケストップを回せば確定で2枚トラッシュに送ることができます。捲るのは3枚なので、おこぼれでグッズを1枚回収できる可能性がありますが、一方でアタッカーやエネルギー(これがとてもまずい)を落としてしまう可能性があるのは難しいところです。ポケモンの道具も残念ながら落ちてしまいます。
既に手札にアーケオスが1枚あれば、アーケとハイパーボールをトップに→アーケ落ちハイボ回収、ハイボ使用で2枚落としが完了します。この流れならばルギアVSTARのサーチにも繋げられます。
あるいは手札にアーケとハイボが既にある状況なら、2枚目のアーケと合わせてその先使うことがないであろうカードを手札コスト用に呼び込むこともできます。キャプチャーアロマとか。ハイボは強力ながらコストも大きいので、捨て札に困る手札ならこうした活用も有効です。
ポケストップで捲る3枚目が不確定要素なのは否めないところですが、暗号マニアと共に決まればこの2枚で確実にアーケ2落としを実現できるのは大きい強みです。
プロキシを使い、先行して暗号+ポケストップ型のルギアを何度か実際に試してみました。(相手は友人のリザードン、こちらもプロキシでポフィンやプライムキャッチャーを搭載してもらいました)
暗号マニアが想像以上に強く、アーケ落としの手段として使えるのはもちろんのこと、中盤以降の局面でも暗号マニアでサーチしたカードをギフトエネルギーで丸ごと引いてきたり、他に撃つサポートが無いときに次のトップを決められるという先の展開をちょっと良くする立ち回りがふんわりと効いてくれました。
ルギアVSTARを立てられなかった時のかぜよみや、ミュウのリスタートで確定サーチもできます。特に前者は序盤の展開が下ぶれた時の立て直しサポートとして非常に心強かったです。
残りの山次第では、トップをポケストップ→ほしいグッズにしてデッキ圧縮していくなんてこともできます。(2,3枠目がランダムになるので山の状態確認は慎重を要します)
バーネットがいた環境では2割くらいだった勝率がなんと5割くらい、友人からの評価も「結構やれてる」と上々です。
使った後に山を動かすと意味がなくなるので、アーケ展開後に使うなら先にプライマルターボを使うことを忘れないようにしなければなりません。ワザを使う前か直後に山の上を探すタイミングで使う必要があります。
バーネット後任の結論としては暗号ポケストップがよさそう……なんですが、併せてその他のカードも検討してみます。
■ジニア/ヒナツ
進化ポケモンを手札に呼び込みます。手札に確実にアーケを2枚呼び込めますが、問題はそれをどう捨てるか。
手札トラッシュの手段はハイパーボールや、構成により大地の器などが考えられます。枚数の違いはサーチ範囲で、ジニアのほうが枚数こそ少ないですがルギアVSTARもサーチできます。ヒナツは他の非エク進化ラインを採用する場合にも使えますし、アーケ3枚で圧縮スピードを上げられます。
博士の研究も有効ですが、サポートなので次のターンまでおあずけです。ハイパーボールを触るにも確実な手段としてはペパーが必要、しかしこれもサポートです。
手札が一時的に増えるので、「ハンドトリマー」を使用するのも有効です。
しかしハンドトリマーを使う時点で、ハンドトリマーを除く手札がアーケ2を含め7枚(トリマー込みで8枚)必要になります。ドローソースが乏しいデッキなので、アーケを揃えた時点で手札が5枚以下になることもザラにあるでしょう。ギフトエネルギーを起動させてやっと自分の番に8枚になりますが、ギフト起動=サイド取られてることになるので、その前に立てたいに決まっています。
トリマーを採用する場合、1-2交換のジニアより1-3交換でアド2のヒナツのほうが決まりやすいでしょう。
「ハイパーボールとサポート以外でトラッシュする手段を追加で用意する」という要旨は同じですが、捨てる以外にも展開の手数を増やせる暗号マニア+ポケストップ構成が個人的には優秀かなと考えています。
なお、ハンドトリマーは試した感じでは1枚落としならわりとできますし、ハンデスもできるのは相手により旨味があります。手札をたんまり溜め込んだロスバレに撃ってみたい新カードランキング第1位です。
どんなスタイルでもピン差ししておける良いカードだと思います。
トレッキングシューズ
暗号マニアと組み合わせるもう1枚の候補です。
1枚捲り、気に食わなければそれをトラッシュしてもう1枚引けるという効果。
ポケストップと違って予期せぬカードが落ちてしまうことが無いのは利点ですが、確定で落とせるアーケは1枚止まりであり、先に手札にアーケを呼び込んで、アーケ(捨)→ハイボor器の順で引いて落とすなどの一手間が必要になります。
あるいは先に手札にハイボor器を用意してアーケ2枚を暗号でトップにし、アーケ(捨)→アーケ(手札in)からのグッズでトラッシュが必要です。グッズを確実に呼び込む手段もサポートなので、暗号と組み合わせるにはもう1ターンかかる。
グッズなのでホイホイ使えますし、アーケ落とし以外でも役に立つ場面は確かにあるのですが、アーケ2枚落としを確実に遂行しなければならないと考えると結果的に求められるリソースが多く、ポケストップと併せて使ってみましたが不安定な結果になりがちな印象でした。
アーケ1枚降臨での妥協がほとんどになることを許容し、割り切って立ち回れるならこちらのほうがいいとは思います。
大地の器
先日話題になった信号機ルギアを含む色ルギアで採用されることがあります。
貴重な手札トラッシュができるグッズですが、回収対象が基本エネルギーのみです。
まぁ山札に(なんならそもそもデッキに)基本エネがなくとも空撃ちはできるので、積み込んでヒナツ/ジニアで引き込んだアーケを落としていくことができます。
ただしUSE-1/TRASH-1にすぎない点はトレッキングシューズと変わらず、リソース要求は多めです。なんなら空撃ちの場合は手元に何も残らないので、もっといい仕事を探すべきでしょう。色ルギアにした際の採用でアーケ落とせれば良きかなという従来の立ち位置は変わらないと思います。
が、バーネットの代替手段を確保するだけでリソースは総じて増える傾向にあるので、いずれの代替手段を使うにしても基本エネを入れられる枠が取れないように感じます。特殊エネの枚数ともども大きな課題です。
テクノレーダー
未来ルギアが成立する時代になったら、大地の器の現実的なラインと同じ数を採用することはできるかもしれません。カイナ2採用型ならもしかしたら1枚くらいならありかもですが、本筋はバーネット博士の後任探しなので、ついでレベルのモノにかかずらっている暇はありません。古代より未来より「現在」が深刻なのです。
レホール
なんでその効果をグッズで出してくれなかったのか。
ゲーム本編ではパルデア地方に封印された災厄を解放するよう生徒を唆す、国家犯罪1歩手前の問題教師として登場します。校長の目が黒いうちは下手なことができないのか、効果も控えめなものとなりました。既にクラベルが実装されていたことが影響しているのでしょう。
暗号マニアから繋げると綺麗に(なんなら運が良ければ3枚以上)アーケを落とせますが、サポートなので先攻なら3ターン必要です。
後1開幕即レホールを撃った場合、アーケが手札とサイドに1枚も落ちていない前提でもアーケ2枚落とせる確率は5.5%ほどだそうです。1枚だけなら33%ほどですが、キャプチャーアロマに賭けて頑張って捨てたほうが明らかにマシです。
なんでその効果をグッズで出してくれなかったのか。
グッズだったら間違いなく暗号マニアのお供としてルギアに内々定間違いなしだったと思います。山札操作の部分なくしていいんで、ほんとに……
ゲン
劣化レホール。レホールに劣化版があるとは。手札に加えられるのは強みですが、欲しいカードほど相手に捨てられてしまいます。
相手の致命的な弱みを握って脅せる立場だったとしてもレホールのほうがマシです。握った弱みは別のことに使いましょう。
探検家の先導
やはり校長に抑制されることのない探検家はやることが派手です。しかし派手すぎます。6枚捲って2枚を加え残りはトラッシュ……昔のしか知りませんが、遊戯王ならぶっ壊れに該当する効果です。これもやはり上にアーケオスを持ってくる作業が必要になる上に、回収できない特殊エネや決め手のボスを落とすことになりかねない大博打。やらかしたほうのレホールになってしまいます。やめておきましょう。
イダイナキバex
暗号マニアでアーケ2枚をトップに置き、この子をバトル場において番を終えるとアーケ落としが完了します。
ただしターンが終わるのでアッセンブルスターは次のターンにならないと使えないですし、プラス3枚トラッシュするので大事なエネルギーやサポートがゴリゴリ落ちていきます。デッキがゆさぶりくずれて負け一直線な未来がドンです。古代なのに。
一応ワザは起動できなくもない強力なものですが、後2で後ろのルギア落とされると泣きたくなります。ワザを使ったらまた山が5枚削れます。異常な速度で足場が崩れていく横スクロールゲーの最高難易度みたいな対戦をしたい方にはおすすめです。異常独身男性にこれを使いこなす勇気と胆力はありません。
ヨクバリスex
番を終わらせてでもアーケを落とすならこちらのほうが安牌でしょうか。
1進化で番が終わって3枚落とすならどう考えてもポケストップでいいですね。
ギャラドス
特性なので番は継続できますが、やはり5枚トラッシュは痛いところ。アーケ起動前ではエネルギーを掘れないので落ちるとキツいです。
ワザはかなり強力なので、ネオラント用も含めて水エネ採用しながら投入するのも悪くないかもしれません。ポケモンの中では検討する余地はあるかもしれない1枚です。進化ラインを増やすのは重そうですが…
パルデアの学生
山札からポケモンを確定サーチするサポートで、トラッシュにある同名カードの数だけ持ってこれる数が多くなります。
先1からネオラントを出して学生をサーチ、ハイパーボールなどでトラッシュして先2でもう1枚使えればアーケを2枚以上手札に加えられるので、そこをさらにハイパーボールで捨てていけば完成。上振れればアタッカーなども持ってこれるでしょう。
理想を語れば夢はありますが、まったくもって現実的ではないあたりがまさに未来は白紙の輝かしい学生って感じです。知らないからこそ言えることってありますよね。
デッキからサポートを落とすようなカードが来れば活躍する機会はあるかもしれません。面白いカードではあるので今後に期待したいところです。
未開の祭壇
1枚だけ捲って戻すかトラッシュするか選べます。何も起こらないかいらないものを捨てておけるかみたいな、買っても買わなくてもいいタイプの日用品みたいなカードです。
暗号マニアからそのまま使えますが、トラッシュできるのは1枚だけ。トレッキングシューズ同様、もう1枚のアーケを別の手段でトラッシュする必要があります。
ポケストップのほうが速いのは明確ですが、3枠目リスクを避けられるのでこちらを選びたい性格の方もいらっしゃると思います。
が、個人的にはそのリスクを取っても少ないリソースで目的を果たせるほうが強いのではと思えてなりません。
デンボク
手札にアーケを2枚集められる手段に(サポート以外で)確実なものがあれば、博士を切ってこちらでもいいような気はします。が、見向きもされていない現状を鑑みるにそういうことなんでしょう。
イキリンコex
ルギアは基本先攻を取りたいさんですが、こいつを使うなら後1取ってネオラントからのヒナツ/ジニアでアーケ拾って全部捨てるというイキリムーヴが必要です。
計4枚しばかれるイキリンコとネオラントを場に揃えて番を返してられるほどの圧倒的超火力ポケモンはうちの部隊にはおりません。カイナなんか出てきた日には鳥と魚だけで美味しい出汁の出るちゃんこにされてしまいます。サイドプラン3-3なんて決めた相手もきっと憐れみでチョコのひとつくらいカバンから差し出してくれることでしょう。
その後に上手く場を埋めて崩れたスタジアムで片方をトラッシュできても、もう片方をしばかれないように退場させるのが難しいです。ボタンやフトゥー、あるいはアクアリターンを狙ってもいいですが、そこまでして採用したい鳥さんではありません。このデッキに鳥類は足りています。
アーケオスは飛ぶより走るほうが得意だそうですけどね。飛ぶのに4kmの助走が必要だそうです。ただその4kmを10秒で駆け抜けるそうです。やけに大味な生態のせいで滅びたのかもしれませんが、この高いのか低いのかわからないワイルドすぎる生態こそプライマルターボの所以なのかもしれません。
マスターボール
トラッシュ手段ではありませんが、ノーコストでどんなポケモンでも持ってこれるというのは流石に便利です。ACE SPECも納得の性能。
ネストボールと違ってネオラントを起動できますし、手札によってルギアVでもルギアVSTARでもアーケオスでも、状況に応じたポケモンをなんでも持ってこれるのが当たり前のように優秀です。ペパー→マスターボール→ハイパーボール(トラッシュ)なんて流れも無理なくこなせます。
一方でACE SPECにはプライムキャッチャーという攻めの最強格グッズがありますし、後に発表されたマキシマムベルトも大変に魅力的です。
多様なアタッカーを軒並み底上げできるため、1枚使い切りではありますがルギアの火力不足問題を解決してくれます。
カビゴン(へいきなしぼう)につければカイナを含むたねexはワンパン、ルギアにつければ1進化までのexはほぼワンパン、かがリザにつければ打点は300に達しますし、アヤシシならワンパンラインへの要求をぐっと下げられます。ネオラントが170点出してベルトごと山に帰っていくのも悪くない展開でしょう。(細かい話はまた後日)
起点として魅力的なマスターボール、決定打を生む対ex兵器、いずれもどちらか1枚しか入れることができません。
どちらも捨て難いところですが、環境を見ればベルトに軍配が上がる形になるでしょう。手に入らなければマスターボールというところでしょうか。手に入らないじゃない、手に入れるんだよ。でも妥協しても悪いようにはならいんですよね。
実際環境がはじまってみてどうなるか次第ですが、頭の片隅に置いておくべきアイデアではあります。
ちなみにカイナを入れないルギアは、相手がベルト採用だった場合ACE SPECの枠潰しができるという強みがあります。他に入るexはミュウくらいですが、ベルトが無くても即死するので使うまでもないでしょう。中盤でミュウが見えた場合でもカイナを警戒して取っておきそうです。
というわけで次回は新たなアタッカーについてです。主に大好きなハバタクカミの話しかしません。この時ばかりはタートルトークになります。
お前たち最高だぜ!
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