今週の趣味(映画)

暴走機関車

直球タイトルな1986年の作品

あらすじ

脱獄犯二人が貨物列車に乗って逃げようとするが、運転手が心臓麻痺で急死。
ブレーキも故障して制御不能となってしまい…

感想

導入は中々面白い
治安の終わっている凶悪犯ばかりの刑務所
脱獄の達人である主人公のオッサンと独裁者のような刑務所長の確執
もう一人の主人公であるチンピラ青年の登場
主要人物の紹介から脱獄までの流れはスピーディで見ていて子気味良い

ただ、たまたま乗っていた整備員の女性が出た辺りから失速する。
列車に対して専門的な知識のある唯一のキャラであり、
脱獄犯二人と呉越同舟となった紅一点と中々美味しいポジションのキャラなのだが…
事態を殆ど解決してくれずヒステリックになるばかりか、悲観すると神頼みを始めると舞台装置以上の魅力が全くねえ。
80年代の女性ヒロインってこんなの多かったなぁと思いつつも、ここまで微妙なのも珍しい。
問題は彼女一人ではなく、(状況のせいであるが)脱獄犯達もどんどん情けなくなってく
チンピラ青年は若さとガッツで難所を乗り越えられず泣き言を言うし
オッサンも脱獄のプロであり刑務所の英雄だったが、性根はただの暴力男だった。
この作品メリケン製のアクション映画なのに、ヒロイックな人物が誰も居ないのよね。
後からスタッフロール見てびっくりしたけど、この作品の原案って黒澤明なんですね。
そう思うと、女性の扱いが古い日本映画に近い描写な気がするし
英雄的行動でスカッと終わる作品じゃないのも納得かもしれぬ。

クライマックスは面白さがちょっと盛り返す
暴走する列車は見捨てられ、行き止まりの分線に進路変更されて死の運命が迫る。
そんな列車にヘリで追いついた刑務所長が直々に乗り込んで来て最終決戦が始まるのだが…

いや何しに来たんだアンタ!
凶悪犯を野放しには出来んと言っていたが、放っておけば列車と共に死ぬんですよ。
なんで刑務所長が単身乗り込んで来るんだよ。

タイマンはあっさり奇襲受けて負けるし、そのまま囚人と運命を共にするのはアホ過ぎるって。

FALL

あらすじ

馬鹿女二人が立ち入り禁止の超高い鉄塔に上って降りられなくなる映画

感想

こういう特徴の尖った映画は仮にイマイチでも最低限の見所が有るのが良いよね。

この映画は良いぞ

冒頭で書いた以上の要素なんて存在しないからな

これは誉め言葉で、シンプルな上にシナリオ運びに全く粗が無い
女性二人が序盤で死んだ夫を含めた三角関係だったというしょーもない人間模様も
主人公達が機転を利かせて窮地を脱する下りも
話を動かす要素には伏線がしっかり貼られている。

お陰で視聴者は首を捻らず頭空っぽで映像に没入出来るという訳だ。
制作側の、とにかくこのシチュエーションでお前らを楽しませてやるぞ!といえ意気込みが伝わって来た。
僕は高所恐怖症なのでその辺のホラーより怖かったです。

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